レビュー

Gunsmith BATON「BG-PCC CO2GBB」レビュー

セミオートよりフルオートのほうが弾道がまとまる傾向にあった

 最後に「BG-PCC CO2GBB」の実射性能をチェックしてみよう。今回は0.25g弾と0.28g弾を使ってみたが、どちらの場合でも20mでヘッドショット、30mでマンターゲットを狙える集弾性能を確認できた。もちろん0.28g弾のほうが弾はまとまるが、0.25g弾であっても30mの距離であればヒットを取ることは可能だ。

予想外の結果となったのが、セミオートとフルオートでの集弾性能の違い。なぜかセミオートよりもフルオートのほうで弾道がまとまる傾向にあったのだ。そして、セミオートのほうで弾が大きくそれる「フライヤー」が多く発生している。

 この原因として考えられるのが、初速が安定していないこと。たとえば東京マルイのガスブローバックマシンガンであればセミオートで連射していくと、少しずつ初速が低下していく。しかし前後のずれは大きくないので、弾道を見ながら着弾位置を調整可能だ。しかし、「BG-PCC CO2GBB」は初速が安定していないため、弾道が上下に散らばる。このためホップ調整がしづらいのも難点だ。

 Gunsmith BATONの公式動画「【CO2ガスガン】BG-17とマガジン共用のピストルキャリバーカービン、BG-PCC」ではセミオートで弾道がまとまり、フルオートで大きく散らばっていた。ロットによって弾道の傾向が異なるのかもしれない。

【【CO2ガスガン】BG-17とマガジン共用のピストルキャリバーカービン、BG-PCC CO2GBB】

 とは言え、気温18.9度前後において、CO2 12gカートリッジ1本で125発発射可能(セミオート時)という省燃費性能も確認できた。秋冬のサバゲーシーズンにおいて、動作性において「BG-PCC CO2GBB」が大きなアドバンテージを備えていることは間違いない。

 リコイルショックについては、東京マルイのガスブローバックマシンガン「マーク18 モッド1」のほうが強く感じた。ただ「BG-PCC CO2GBB」は動作性が高く、作動音も大きめなので、“撃っている!”という射撃時の気持ちよさを十分味わえる。

 一方で好みが分かれるのがトリガーフィーリングだ。同じく東京マルイの「マーク18 モッド1」と比べると、かなり固めで、実銃に近いと言われるGBLSのエアガンシリーズ「DAS(Dynamic Action System)」と同じような固さであった。「BG-PCC CO2GBB」のトリガーフィーリングは実銃寄りなのかもしれない。

【「BG-PCC CO2GBB」弾道、燃費、初速、連射性能をチェック】
【「BG-PCC CO2GBB」セミ、フルともに動作は快調】
【「BG-PCC CO2GBB」セミオート時の最大音圧は97.8dBA、フルオート時の最大音圧は101.2dBA】
フルオートで発射した際のほうが弾道はまとまる傾向があった
CO2 12gカートリッジ1本で125発発射可能だった(気温18.9℃前後)
0.28g BB弾使用時の初速は最大78.2m/s、最低68.9m/s、平均72.0m/s(新品のCO2 12gカートリッジ使用時、気温18.9℃前後)
0.28g BB弾使用時の初速は最大89.2m/s、最低74. 6m/s、平均82.1m/s(新品のCO2 12gカートリッジ使用時、室温26.0℃前後)
0.20g弾でセミオート10発発射を3回実施。初速の上下が目立つ
0.20g弾でフルオート10発発射を1回実施。こちらでも初速が上下している

本格的に寒くなる真冬のシーズンでも快調に動作してくれるはず

 「BG-PCC CO2GBB」は、フロンガスを使用するガスブローバックマシンガンより秋冬に快調に動作する。その一方で、集弾性能という点ではやや不満が残る。30mの距離のマンターゲットを狙えても、バリケートから薄く出てくる相手プレイヤーに当てるのは至難の業だ。中・遠距離で撃ち合うのではなく、CQBエリアに積極的に飛び込んだり、大きく裏取りして側面・背後から奇襲するサバゲーマーに適したエアガンだと考える。

 いずれにしても、冬場でもガスブローバックならではのダイレクトな操作感、ガツンと来るリコイルを味わいたいという方に、「BG-PCC CO2GBB」は注目の1丁であることは間違いない。