レビュー

「HG 1/144 ザブングル・タイプ」レビュー

全体的に細身ながら、プロポーションは良好。合体変形ギミックを備えつつ、よく動く

 完成したザブングルは筆者の予想よりもコンパクトで、手の中にすっぽり収まるほど。以前ハセガワの1/72ザブングルを作った経験があるので、一層小さく感じられる。スケール的には2016年のスーパーミニプラ版とほぼ同じだ。これまでの造形と比較すると、胴や脚などかなり細身な印象を受けるが、全体的なバランスは悪くないと個人的には思う。

完成したザブングル。全高は翼を入れて約140mm。小さくてスマートな印象だ
バックショット。翼やタイヤなど、他作品のメカとはひと味違う特徴が際立つ機体

 武装は30mmライフル、4連ハンドキャノン、3連バズーカ、9連装ロケット弾ポッドの4種類。30mmライフルは専用の持ち手があり、手首ごと交換する仕組み。3連バズーカはパーツの差し替えで両手に持たせることができるが、装備できるのは腕のタイヤがないジロン機のみとなる。タイヤを取り外して装備させるときはやはり自己責任で。

30mmライフル。最もスタンダードな武装で、右の持ち手が付属
4連ハンドキャノン。写真は左手用にしている。スコープの部分はスイング可動する。説明書ではジロン機に持たせることを表記している
3連バズーカ。右肩に装備する。ジョイントで上下左右に可動
9連装ロケット弾ポッド。こちらは左肩用。同じく上下左右に可動する
全装備させたところ。4連ハンドキャノンを装備させるために、左手のタイヤは取り外している
スーパーミニプラのザブングル(右)と比較。サイズはほぼ同じだが、スーパーミニプラ版は黄色い部分がシールで、顔の横のラインなどは再現されていない。また変形時はタイヤや翼など差し替えるパーツも多めだ

 公式サイトでも推しているように、完成後はアクションフィギュアのようにポーズが取れるのが大きなポイント。オープニングの馴染み深いポーズや、劇中でのコミカルなアクションなどいじっていて楽しくなる。合体ギミックの関係で頭部と腹部が若干外れやすいこともあるが、さほど気にはならない。逆にこの合体ギミックを利用して肩を大きく上に上げたり、腕のタイヤを見栄えのいい位置に動かしたりする工夫もできるはず。

変形用の可動により、肩を上まで高く上げられる
腰をひねることでダイナミックなポージングが可能
胸部と腹部のジョイントにより、前屈したポーズもOK
肩は前に引き出すことはできないので、両手でライフルを構えるポーズはこれが限界
よく動くのでポージングは楽しい。もちろんアクションベースにも対応している

 そしてこのキットの目玉でもある変形合体は、一部パーツの差し替えはあるものの、想像以上にカッチリと変形が決まる出来映えとなっていた。上半身のブングル・スキッパーと下半身のブングル・ローバーは連結することでザブングル・カーとなる。もちろんそれぞれは分離して飛行形態にもなり、アクションベースを利用すれば飛行時の様子も再現できる。作っているときは気づかなかったが、分離時の形状もミニカーのようで実にいい感じだ。

変形時は頭部と翼、手首を外しておく
腹部で上半身と下半身を分離させる
ブングル・スキッパーへの変形。タイヤの位置を変え、腕を上側に持ち上げる
この状態で下半身と接続することで、変形途中の姿も再現できる
先端とサイドにパーツを取り付ける
上下をひっくり返して翼を取り付ける
ザブングル・カーにするための連結器を取り付ける
ブングル・ローバーへの変形。脚を揃えて股間の部分にパーツを取り付ける
脛の前の部分を押して脚部を収納する
ひっくり返して翼を畳む
カーゴ形態時の前面のカバーを組み立てる
カバーを取り付けてブングル・ローバーのカーゴ形態が完成
両者を連結させてザブングル・カーが完成
ブングル・ローバーの飛行形態は翼を開いて、タイヤを水平にする
ブングル・ローバー飛行形態の機種のパーツを組み立てる。キャノピーの白いラインはシール
翼を開いて機種パーツを取り付ける。ブングル・ローバー飛行形態の飛行形態に
アクションベースを使用すれば、飛行時の様子も再現できる。飛行時はブングル・ローバーのランディングギアは取り外そう

 ザブングル単体で見ると、細身のプロポーションは好みが分かれそうだが、完成後の総合的楽しさは個人的にかなり満足度は高く、近年のBANDAI SPIRITSらしさも感じられた。これだけ動くのならば相手のWMも欲しくなり、このサイズでダッガー・タイプやプロメウス・タイプなどの大型WMが出てくれたら最高なのだが、ひとまずもう1体手に入れてジロン機を作るとともに、第1話のザブングル対ザブングルのシーンを再現してみようと思っている。

スーパーミニプラのクラブタイプと組み合わせて1話のシーンを再現してみた。相手がいるとアクションが生える
ジロン機も再現可能。2機を揃えて並べたい
変形前のマシンはミニカーのような楽しさがある

 この4月17日現在、プレミアムバンダイのホビーオンラインショップでは、6月発送分の2次予約を受け付けている。楽しいキットなので、ぜひ作っていただきたいものだ。