レビュー
「HG 1/144 ザブングル・タイプ」レビュー
作りやすくてよく動き、合体変形ギミックも!令和生まれのザブングルは男の子!
2024年4月22日 00:00
- 【HG 1/144 ザブングル・タイプ】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:3月14日(1次予約分)
- 価格:4,180円
- ジャンル:プラモデル
- 全高:約140mm
「戦闘メカ ザブングル」の劇中前半の主役機「ウォーカーマシン ザブングル・タイプ」が、1/144スケールのプラモデルとして発売された。プレミアムバンダイ販売商品で、1次予約分の発送は3月14日。
2022年の放映40周年を期に、Blu-ray BOXのリリースや各社から関連商品が発売されたことでにわかに盛り上がりを見せていて、放映当時にプラモデルをリリースしていたBANDAI SPIRITS(ホビー事業部)も「サンライズプラモコレクション」の企画を機に、満を持してこの「HG 1/144 ザブングル・タイプ」を発売。同社としては2008年の「R3 1/100 ウォーカーギャリア」以来、16年ぶりとなる完全新規造形のウォーカーマシンのプラモデルの登場となった。
現在の同社の設計技術を導入し、作りやすくてよく動く、さらに変形も可能な1/144スケールザブングルの製品版を組み立ててのレビューをお届けしよう。
旧バンダイ時代から42年ぶりのBANDAI SPIRITS製ザブングル
1982年2月からの「戦闘メカ ザブングル」の放映開始にあたり、登場メカのウォーカーマシン(WM)のプラモデルはバンダイ(当時)から同年7月に発売された。その第1弾は主役のザブングル……ではなく、小型の作業用WMトラッド11・タイプだった。機種によってサイズが大きく異なるWMは当初1/100スケールでの模型化を主体とし、“本物らしさの追求”をコンセプトに、アニメで表現されていない細部ディテールをプラモデルで再現するという独自の方向性を提示していた。当時のバンダイ公式情報誌「模型情報」には、アニメ用とは別のプラモデル向けのハイディテールなWMの設定画が掲載されていて、同誌を愛読していた筆者にとってはその設定画のほうが馴染み深いものであった。
ちなみに主役であるザブングル・タイプのプラモデルは発売がかなり遅く、1/144スケールが1982年12月発売、1/100スケールに至っては発売が数カ月遅れ、番組が終了する1983年1月であった。ともに変形機構は再現されていなかった。
近年はグッドスマイルカンパニー(1/100スケール、変形可)やハセガワ(1/72スケール、変形なし)がこのザブングル・タイプをプラモデル化していて、それよりも早い2016年にはバンダイの食玩「スーパーミニプラ」(ノンスケール、変形可)で発売されている。この「HG 1/144 ザブングル・タイプ」は、スケール的にはそのスーパーミニプラ版に近いが、BANDAI SPIRITS最新の技術が導入され、作りやすくて色分けされた設計で完成されていた。
ザブングルの特徴的なディテールは極力パーツの色分けで再現
組み立ては頭部からスタート。高さ約15mmの小さな頭部だが、額のカメラや口のベンチレーター、そしてコクピットのバイザーなど、細かな部分もパーツによって色分けされている。コクピットには簡易的ながら座席のディテールもあるが、組み立てると帆どんど見えない。顔の横にある白いラインはシールでかなり細く、指で貼るのは難易度が高め。綺麗に貼りたいならピンセットを使おう。
胴体は変形時に分離する関係で、可動用のジョイントが胸部と腹部の間に設けてある。腹部にはロール軸があり、上体をひねるポージングも可能だ。特徴的な胸部の形状はパーツによって再現。左胸の丸い投光器は、フラットな形状とレンズ状に膨らみがあるもののいずれかを選択するコンパーチブル仕様だ。
変形時に腰にあるタイヤは脇腹にジョイントされているのが、ザブングルの造形としてはかなり異色だ。その関係か胸部に比べて腹部が細めの設計なのだが、ジョイントがあることでシルエットはそれほど細い印象は受けない。
腕にもやはりタイヤがあるわけだが、機体破損により変形ができなくなったジロン機はこのタイヤがない設定で、どちらを作るかはパーツの選択式となる。接着をしなければコンパチのパーツを差し替えることも可能だと思うが、説明書にはその旨について書かれていないので自己責任で。
脚部は変形のためのちょっとしたギミックが内蔵されている。脛の前側にある紺色のパーツが脚を伸縮収納するためのストッパーになっていて、この部分のつま先側を押すことでストッパーが解除される仕組み。変形やポージングを行うときはこの機構を意識しておきたい。ブングル・ローバーの翼はヒンジのパーツで脚部に連結する。折り畳み機構もあり、この部分は差し替えなしで変形が可能だ。
背中の翼も通常とジロン機でパーツが異なり、後者は折れた翼のパーツを使用する。これを取り付けて、ザブングル本体の完成だ。
(C)創通・サンライズ