レビュー

「1/24 バック・トゥ・ザ・フューチャー PartⅠ タイムマシン」レビュー

パーツをボディに組み込む、みるみる完成していくタイムマシン

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のタイムマシン、ここまでで車内と車体後部を作ってきた。ここからはこれらを車内に組み込んでいく。ボディパーツにフロントガラス、ライト、前部分のバンパー状の装置を取り付けていく。

ボディにパーツを組み込んでいく

 バンパー状の装置は車前方に車をガードするように取り付けられる。後でこの装置には原子炉からかなり太い線で接続が行われる。タイムトラベル時には次元転移装置と共に発光しているので、何らかのフィールドを形成し、フィールド内部のデロリアンをタイムトラベルさせるのではないだろうか?

【名シーン - 時を超えるデロリアン | バック・トゥ・ザ・フューチャー】

 プラモデルではこの特殊なバンパーにエッチングパーツを使用することで質感を向上させている。またライトの枠や、DMCのプレートもエッチングパーツだ。テールランプにも同じように使用する。ディテールアップパーツは各所の質感を効果的に上げてくれる。

車体前面。金属の網がかかったバンパー、枠やマークにも金属パーツを使用
テールランプの枠も金属パーツを使う

 ボディ部分に車体後部のパーツをはめ込む。タイムマシンの大きな特徴であるメカニカルな後部ができあがっていく。太いケーブルが車体両面を走り、前方のバンパーに接続される。

ボディに後部パーツを組み込むと一気にタイムマシンらしさが増す
後部の太いケーブルが前方のバンパーパーツに伸びる

 車内パーツと底部パーツを接続、ボディをかぶせるとほとんど完成したような姿になる。この車体の左右にバンパーと同じように金網状のパーツ、フィールド発生器(と思われる)パーツを接続していく。さらにまるでジェットエンジンの噴出口のような後部のダクトを接続、タイムマシンのおなじみの後ろ姿ができあがる。

シャーシ部分を接続すると完成に近づいた感じに
車体側面を覆うパーツにもエッチングパーツを使う
おなじみの大型の排気ダクト

 最後はガルウィングのドアだ。左右を付けて「1/24 タイムマシン」がついに完成した。次章で各部の写真やエフェクトパーツなども紹介していこう。

ドアを組み立てて取り付けることで完成、写真を撮っていきたい

ディテールの密度がかっこよさの魅力

 今回「1/24 タイムマシン」は未塗装、スミ入れのみだが、劇中のイメージそのままに非常にカッコ良く組み立てることができた。しかし満足、という意味ではちょっと物足りないところがある。

 今回実感したことは「ボディとドアは塗装すべきだったな」ということ。本商品は今回紹介したとおり、未塗装でも内装やメカの感じなどは細かく色分けされている。しかしやはりデロリアンの大きな特徴である銀のボディは成型色では再現しきれない。

 もちろん塗装前提のモデルという所もあるが、ボディとドアをスプレーなどで塗装すれば「映画のタイムマシン」にもっともっと近づけることができたと思う。逆に、ボディとドア、そしてできればテールランプと、最小限の塗装で、質感を充分に高めることが出来るプラモデルだと感じた。今後カーモデルを作る際は、ボディの塗装を視野に入れて組み立てていきたいと思う。

 未塗装での反省はあるとは言え、組み立てた満足感は非常に高い。組み立てることでタイムマシンへの理解が数段深まった。まずごちゃっとメカがついている後部だが、見栄えを考えてメカを置いているだけでなく、かなり考えられているのがわかる。原子炉からこのラインで次元転移装置へつながり、そこから前と左右のフィールド発生器に繋がっている、とか、ケーブルの配置でどの機械がどのように接続されているのか、かなり考えられてデザインされているのがわかるのだ。

色々な角度から眺める。作り上げた充実感がこみ上げる
ディテールをチェックするのが楽しい

 実車モデルではラジエーターの循環経路や、ブレーキの信号がどのように伝達しているかなど、実車の内部を精密に再現しているプラモデルもあるが、「1/24 タイムマシン」はその手法を使って考えられたタイムマシンの"設定"を模型としてきちんと再現、組み立てることでより深くデロリアンの"かっこよさ"を体感することが出来るのだ。

 さらに「1/24 タイムマシン」ではタイムマシンの実験に使ったカメラとプロポ(送信機)が付属するほか、映画後半の「落雷を利用してタイムトラベルをする改造デロリアン」を再現できるパーツがある。車内の時計など細かく再現できるが、こちらで組み立てると通常版に組み直すことは出来ない。今回は雷を受けるためのポールのみ組み立ててみた。

映画を知ってる人にはとても楽しい小物
映画後半の改造タイムマシンにも組み上げられる
炎エフェクトも用意されている
劇中では炎は車が消え去った後に残るのだが、炎が出た瞬間をイメージして配置
ドアを開けた姿にも出来る。車内がしっかり確認できるのが楽しい

 「1/24 バック・トゥ・ザ・フューチャー PartⅠ タイムマシン」は非常に高い満足感が得られたプラモデルだった。組み立てることでタイムマシンの細かいデザインを、パーツ1つ1つという単位で確認できる体験は熱心なファンでも少ないだろう。本商品はそれが可能なのだ。ボディを塗ればさらに満足感が上がる。本商品に挑戦する人は、最小限の塗装も視野に入れて欲しい。

 プラモデルとしての難易度はちょっと高めに感じた。細かいパーツが多く、特にエッチングパーツを使うと通常のプラモデルより難しくなる。とはいえ、部品の精度も高く、しっかり組み上げることが出来るので、模型スキルが低くてもよく切れるニッパーなど道具をそろえ、丁寧に作ればきちんと組み上がるだろう。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は名作映画であり、タイムマシンに載ってみたいという人は多いだろう。「1/24 タイムマシン」は組み立てることで映画の興奮を追体験できるプラモデルである。ぜひ多くの人に手に取って欲しい。