レビュー

フィギュア「ぼに~イラスト『一夜ちゃん』」レビュー

爽やかな笑顔と、大きなバスト、独特の戦士スタイルが魅力の女の子

【ぼに~イラスト『一夜ちゃん』】

メーカー:ユニオンクリエイティブ

発売日:2024年5月発売

価格:24,200円

全高:約250mm

素材:ATBC-PVC/ABS

原型制作:原型 デザインココ/PAINT 木村

 ユニオンクリエイティブは様々なイラストレーターのキャラクターを積極的にフィギュア化している。筆者が以前取り上げた「黒チャイナさん」もラインナップの1つ。XなどのSNSでは様々なイラストレーターが活躍しており、彼等が生み出す独特の世界観を持ったキャラクターをフィギュア化するのは、イラストレーターのファンはもちろん、フィギュアファンが新しいイラストレーターを知るきっかけにもなる。

 「ぼに~イラスト『一夜ちゃん』」は、イラストレーター・ぼに~氏のオリジナルキャラクター、「一夜(ひとよ)ちゃん」を立体化している。一夜ちゃんはフィギュア界では注目のキャラクターで、えいてぃーんや、ネイティブといったメーカーからもフィギュアが発売されている。ユニオンクリエイティブのフィギュアは、ぼに~氏が初期から描いている戦士の服に身を包んだフィギュアとなっている。

 振り袖のような大きな袖が生むシルエット、片足を包む大きな鎧、何よりも柔らかで大きなバストと爽やかな笑顔が魅力のフィギュアである。各部をチェックし、レビューしていこう。

こちらがフィギュアの元となったイラスト。可愛らしい表情と、独特の服のデザインが印象的だ

オリジナルキャラクター「一夜ちゃん」を、ファンタジックな世界観も含めて表現

 「ぼに~イラスト『一夜ちゃん』」は、台座にも力が入ったヴィネット(Vignette/小型ジオラマ)風フィギュアになっている。一夜ちゃんは華奢な外見にもかかわらず自身の身長よりも長く、幅広の刃を持つ巨大な剣を振るう戦士だ。

 台座には岩に刺さった剣と、巨大な角を持つ獣の頭蓋骨がある。肉食恐竜の頭のようでドラゴンだろうか? 骨となって長いようでこけが生えている。一夜ちゃんの冒険の合間のようなシチュエーションだ。

 全身を見ていこう。戦士の一夜ちゃんだが、装備はかなり継走だ。長い袖がついた腕部分と、胸の白い色合いで巫女服のような印象もある。動きやすさを重視したミニスカートからガーターベルトが伸びているが、その先は左右でデザインが異なっている。

 右足はストッキングのようにも見える薄い皮のぴっちりした靴下、その上に非常にごつい鎧に包まれているのに対し、左足はむき出し、白い肌がまぶしい。足首を包む大きめな靴をはいている。

【フィギュア全身】
正面は大剣を持った女の子の戦士という印象が強いが、側面、背面で服の露出度がすごいことがわかる。独特な世界観も魅力だ

 フィギュアを回転させるとわかるのだが、服はかなりの露出度だ。特に上半身は正面が布で覆われているものの、側面も背面も素肌がむき出しで、革のバンドで止められているのみ。非常にセクシーな服であるのがわかる。各部の造型や塗り分けはしっかりしていてイラストの雰囲気をしっかり再現している。次章から各部をチェックしていこう。

驚きの露出度! 可愛らしくセクシーな一夜ちゃんの魅力

 いよいよ細部をチェックしていこう。本フィギュアの魅力はまず一夜ちゃんの笑顔である。短い髪の毛が風に揺れ、明るく可愛らしい笑顔を向ける一夜ちゃん。特徴的な目元のデザインや青い瞳、頬の赤みもしっかり印刷されイラストの雰囲気をしっかり再現、右手も爪まで確認できフィギュア表現に力が入っているのが確認できる。髪の毛の造型も細かく複雑だ。

【フェイス】
元のイラストの魅力をしっかり再現した表情と髪型

 次にチェックしたいのは最大の注目ポイントとも言えるバストだ。布を押し上げる圧倒的なボリューム。胸の下の革紐によりその形は強く強調されている。本来ならばそのボリュームでちょっとたれてしまいそうなバストが布によって持ち上げられ、前に突き出しているようにも見える。

 そして側面である。布の下には何も付けていないのがはっきりとわかる。圧倒的な密度と柔らかさを感じさせる表現だ。正直こんなに露出度の高い服で剣を振るう前衛職ができるのか? と思うほどきわどくセクシーな衣装だが、この服だからこそ、一夜ちゃんというキャラクターが魅力的なのだ。

 胸の布を持ち上げる部分は金属と革で出来ているところもわかる。革紐は細く、ちょっとの斬撃で切れてしまい、おっぱいがさらけ出されてしまうのではないか? と想像するのも楽しい。むき出しの背中も含め、エッチな妄想がはかどる衣装のデザインが素晴らしい。

【上半身】
薄い布を持ち上げるボリュームたっぷりなバスト
むき出しの背中。大剣を背負うための留め具のデザインも凝っている

 チェックを進めていこう。動きやすさを重視しているのかスカートは非常に短い。しかも側面にはスリットが入っており、パンツの紐と結び目が見えるのだ。これは正面のイラストではわからないポイントだ。腰部分はイラストから変更されており、イラストでは飾りとしてのリボンと、腰回りに布がもう一枚重ねられているが、フィギュアはスカートにリボンが取り付けられていて、スリットの下からパンツが見えるようになっている。スカートはふわりと風に舞い上がっており、思わずのぞき込みたくなる。

【スカート】
元イラストからアレンジされているスカート。太ももや、スリットからのぞく紐がセクシーだ

 スカートの次はその下の足。左右で大きくデザインが異なり、右足が鎧で固められているからこそ、左のむき出しで真っ白な肌がまぶしい。太ももにくくりつけられているポーチには、冒険に必要な道具が入っているのだろうか?

 右足は黒いプレートメールに包まれている。金属は肌に直接触れているのではなく、薄い皮のような素材をはいた上でその上からプレートメールを革でくくりつけているようだ。固い金属で肌が傷つかないよう、しっかり考察されているのが楽しい。戦闘時は右足を前に出して剣を構えて戦うスタイルなのかもしれない。

 鎧は黒をベースに縁に金色が入っているのがカッコイイ、何らかの防御魔法的な加護が与えられてそうな、普通の鎧と違った色と、SF風のデザインがカッコイイ。膝部分は鋭くとがっており、この部分で敵を攻撃したりも出来そうだ。

 靴はちょっと現代風。スニーカーのようなデザインが、現代の要素が入り交じった独特のファンタジー感を感じさせてくれる。

【足】
白い肌がまぶしい左足
重厚な鎧に包まれた右足
現代風な意匠も感じさせる靴

 それではちょっと見上げて下着をチェックしていこう。黒い下着だが、こちらもどうも革で出来ていそうなシンプルさだ。特にお尻の部分をチェックするのが楽しい。お尻から太もものむちっとした触感を感じさせるボリュームの表現がとても良い。

【下着】
パンツのデザインはシンプル。革のような感じも。ガーターベルトの表現が楽しい

 次は一夜ちゃんの衣装を印象づける袖部分。この長い袖がシルエットを作り出しキャラクターに魅力を加えている。ふわりとした布は末端はもちろん、袖口部分の軟らかな表現も素晴らしい。布のしなやかさ、柔らかさを樹脂で表現する技法は、高度なフィギュア表現技術だからこそと言えるだろう。

【袖部分】
一夜ちゃんの服のポイントである袖。このパーツとカラーリングで巫女服のようにも見える。柔らかな感じを樹脂でしっかり再現している造型も素晴らしい

 最後は台座だ。草の生えた石畳に、苔むした竜の頭蓋骨という、物語性を感じさせる台座に、石に突き立てられた大剣というファンタジックな世界観を感じさせる台座だ。頭蓋骨の造型も力が入っており、こちらをチェックするのも楽しい。そして大剣である。デザインはSF要素が加わっており、、ファンタジーゲームの要素を感じさせる「ゲーム的カッコよさ」を感じさせる。これを華奢な一夜ちゃんが振り回すのをイメージするのが楽しい。無骨なデザインだが柄頭にかわいらしいピンクの飾りがついているのが、"女の子の持ち物"らしい、デザインの遊び心を感じさせる。

【台座】
ファンタジックな雰囲気の台座。フィギュアの固定は金属のピンで行う
しっかり造型されている頭蓋骨
大剣は岩の穴に差し込む。長時間飾る場合は両面テープなどで固定したいところだ
巨大な剣、ゲーム風のデザインと、柄頭にある女の子らしいピンクの飾りが楽しい

 それでは次は、背景を変えて撮影してみよう。

背景を変えることでより深くフィギュアの魅力に迫ろう

 フィギュアの背景もこだわると楽しい要素である。今回は主に色々な布を使って撮影してみた。また絞りを調整し背景をぼかしてみた。フィギュアの楽しみ方の1つに撮影がある。撮影を工夫しフィギュアの魅力を引き出してみよう。

【背景を変えて撮影】
光沢のあるベロア
こちらは青い布
青いベロアでも印象が変わる
シルクのような質感のポリエステル
レース
百合の造花
バラの造花
黄色い花を背景に、絞りを開放してボケを強くした
こちらもボケを強めに

 「ぼに~イラスト『一夜ちゃん』」は、ぼに~氏の"看板娘"である一夜ちゃんのスタンダードな衣装である戦闘服をモチーフとしたフィギュアだ。一夜ちゃんのファンはこの服での立体化が嬉しい、という人も多いのではないだろうか。

 原作通りの、かわいらしさとセクシーさをきちんと両立させているところ、特に布を持ち上げるボリュームたっぷりのバストの造型が素晴らしい。ファンのみならず、造型とデザインでコレクションに加えたくなるフィギュアだ。

 様々なイラストレーターのオリジナルキャラクターを立体化するユニオンクリエイティブの姿勢も応援したい。高いフィギュア造型、生産技術があるからこそ実現できるこのフィギュアプロジェクトの今後も大いに期待したい。