レビュー

「HG スコープドッグ用拡張パーツセット3・4・5」レビュー

ノーマルのスコープドッグが、「装甲騎兵ボトムズ」シリーズのバリエーション機に変わる喜びを体験

 ここからは各セットのパーツを使って作れる機体を紹介していこう。記事の制作上、以前レビューで制作した「HG スコープドッグ」を素体としているが、30MMシリーズのようにパーツ換装を前提に設計されていないので、組み立て後にパーツを交換する場合は「パーツセパレーター」を使うなどして行うようにしよう。

 またパーツのほどんどがPS素材なので、繰り返しパーツ交換を行うと関節がゆるくなったり、パーツに傷がついたりする恐れもある。可能であればパーツセットの購入時に「HG スコープドッグ」を一緒に注文して、これだと決めた機体を一からを作るのがベストだとも思った。

組み立て済みの「HG スコープドッグ」を使う場合は、各部位を分解してから行うとやりやすい
パーツの取り外しはパーツセパレーターを使うと確実だ
左がパーツセット3と5に付属する改良型の脚部を組み立てたもの。右は「HG スコープドッグ」のもので、太もものロール軸がなくなって見栄えがよくなり、股関節の構造で脚を開く角度が変えられるようになった。ヒザのジョイントも二重になって角度を調整しやすくなった

スコープドッグ サンサ戦 リーマン機

 OVA「装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」に登場したレッドショルダー部隊基地の司令官インゲ・リーマンの搭乗機体。「共食い」を生き残ったキリコが、死ぬことのない“異能生存体”なのかを確かめるために、この機体に乗って部下とともにキリコを追い詰めていく。

バックパックを取り付ける。ガトリングガンを固定するために、胴体下側のパーツはジョイントがあるものに変更しておく
右の肩アーマーはレッドショルダーに、左肩にはスモークディスチャーチャーを取り付ける
右スネ外側の装甲をジョイント穴があるものに変更し、電磁式パイルバンカーのマウントを取り付ける。モールドが異なる両ヒザのパーツも交換しておく
右腕も同様にジョイント穴があるのものに交換。ヒジの装甲を外してパイルバンカーを取り付ける。この腕パーツはアームパンチの伸縮機構がオミットされている
それぞれを組み付けてサンサ戦リーマン機が完成
レッドショルダーと同色のブレードアンテナのインパクトが強い。設定にあるような折り畳みはできない
劇中終盤の格闘戦でキリコ機の頭部に穴を開けたシーンが印象深い
こちらはブレードアンテナとガトリング、パイルバンカーを取り外し、6連ミサイルポッドを装備したリーマンの部下が乗るレッドショルダー機を再現

スコープドッグ ドッグマン専用機

 OVA「装甲猟兵メロウリンク」第1話、惑星ミヨイテのザキ基地の司令官、ドッグマン大尉が搭乗した機体。キークとルルシーの言葉に乗せられてスコープドッグに自ら乗り込み出撃するも、射撃で左腕を即座に破壊され、爆煙に紛れて接近してきたメロウリンクのパイルバンカーによってコクピットを貫かれる。特徴的な腰部アーマーと左腕に無誘導式対戦車ミサイルを装備している

このドッグマン機は、左腕をジョイント穴のあるものに交換し対戦車ミサイルを取り付ける
腰アーマー、ミッションパックなどを取り付けてドッグマン機が完成。ヒザ装甲の形のみリーマン機と共通で、ミサイルポッドはバーグラリードッグのものという独自の組み合わせなので、設定通りに組むときはパーツの組み違いに注意
劇中では使うことがないまま破壊されてしまった対戦車ミサイルを使うポーズを決めたい

ブルーティッシュドッグ

 TVシリーズのヒロイン、フィアナの搭乗機。パーフェクトソルジャー用に改造された機体で、PRSPパックと大型のグライディングホイールを装備し、スコープドッグよりも高い運動性能を持つ。右腕に射撃と格闘の両方に対応したクロー付きのガトリング砲を装備。ウドの街で対峙したキリコを圧倒した。キットではスコープドッグと同じカラーの機体を作ることができ、劇中のカラーにするには塗装が必要だ。

右腕のヒジから先をガトリング砲と交換
脚部は「HG スコープドッグ」のパーツを使用して組み立てる
PRSPパックを取り付け、脚部とスネ後方の装甲を交換してブルーティッシュドッグの完成
ガトリング砲のマガジンは取り外してPRSPパックに収納できる
ウドでの戦闘シーンを再現。やはり機体色によりイメージは大きく変わる

オドン戦 キリコ機

 「野望のルーツ」の前半、惑星オドンで行われた「共食い」と呼ばれるレッドショルダー適性試験でキリコが搭乗した機体。ノーマルのスコープドッグの色違いの機体で、ヘビィマシンガンのみでレッドショルダー機を何機も破壊した。キリコは5番機で、前後の腰と肩のアーマーにナンバーを表すマーキングが入る。

成形色違いのCパーツ。仕様は「HG スコープドッグ」のものと同じだ。
カラーが違うだけのスコープドッグ。キリコ機が5番、バージル機は17番だった。今回は貼っていないが、マーキングのデカールは拡張パーツセット2に付属している

 スコープドッグの劇中設定に則って、ベースとなる機体を改造する感覚でパーツを交換し、シリーズに登場したバリエーション機体を作れるのはとてもいい企画で、再現できていない機体はまだたくさんあるので、シリーズはこれからも続けてほしいと切に思った。パーツの組み合わせやジョイント増設パーツを使えばさらなる機体も再現可能で、劇中に登場した機体だけでなく、自分だけスコープドッグが作れるのも魅力といえるだろう。

商品として発売されたバーグラリードッグもまるごと作れる。左が拡張パーツを使ったもの、右が製品版で、パーツが同じなので区別はつかない
3mmジョイント付きの腰アーマーにヘビィマシンガンの弾倉を2つ取り付けると、「野望のルーツ」のスコープドッグターボカスタムのムーザ機に近い形になる。チェーンは「カスタマイズマテリアル(チェーンパーツ/マルチジョイント)」を使用してみた

 11月6日現在、2025年1月発送となる再生産分の拡張パーツセット3、4、5、並びに「HG スコープドッグ」の予約がプレミアムバンダイにて受付中。

拡張パーツセット1に付属のエフェクトは、今回カスタマイズした機体にもバッチリ合う

 先日の「第62回 全日本模型ホビーショー」では待望の「HG スコープドッグ ターボカスタム」が発表され、カスタマイズの幅はさらに広がる予感がする。スコタコを愛する“最低野郎”たちのお楽しみはまだまだ続きそうだ。

「HG スコープドッグ ターボカスタム」。発売日、価格は未定
ターボカスタムといえばジェットノズルを内蔵したこの脚部。写真にはないが左腕に装備するアームガンも欲しいところ