レビュー
「HG バーグラリードッグ」レビュー
「装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端」より不整地走破性を高めた高火力のカスタム機を立体化。大ボリュームの武装が熱い
2024年5月17日 00:00
- 【HG バーグラリードッグ】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:5月18日
- 価格:3,850円
- 全高:約135mm
BANDAI SPIRITSがプラモデルで展開する「装甲騎兵ボトムズ」シリーズの最新アイテム「HG バーグラリードッグ」が5月18日に一般店頭にて発売される。
昨年10月発売の「HG スコープドッグ」に続く「HG」シリーズでのキット化は、OVA「装甲騎兵ボトムズ 赫奕(かくやく)たる異端」に登場したAT(アーマード・トルーパー)「バーグラリードッグ」である。同社のプラモデルでは過去に発売したシリーズも含め、初の立体化となる。
キットは「HG スコープドッグ」をベースに、新規造形のパーツを追加して構築した設計で、脚部の不整地走行用「トランプルリガー」や、バックパックの折り畳み式火器「ドロッパーズフォールディングガン」など、特徴的な武装も完全再現。さらに「HG スコープドッグ」向けの交換用外装が付属し、プラモデルならではの楽しみを追求している。ここではそれらも含め、製品版のキットを使ってのレビューをお届けしていきたい。
なお弊誌では昨年「HG スコープドッグ」のレビューを掲載していて、この「HG バーグラリードッグ」で同じパーツを使っている部分に関しては説明を省いている。気になる場合は該当記事をご覧いたきたい。
「HG スコープドッグ」をベースに、重装備のカスタム機を構築。作りやすさももちろん継承
「ATM-09-DD バーグラリードッグ」は、前述の通り「装甲騎兵ボトムズ」のOVAシリーズに登場した機体だ。TVシリーズの32年後を描いた「赫奕たる異端」(1994年)では、コールドスリープから蘇生されたキリコが、連れ去られたフィアナを追ってマーティアルの聖地アレギウムに突入する際に使用し、敵ATとの死闘を繰り広げた。ヘビィマシンガンの他、2つのミサイルポッド、ガトリングガン、スモークディスチャージャー、ドロッパーズフォールディングガンといった武装を持つ高火力の機体だ。脚部には不整地走行用のトランプルリガーを装備しており、使用時はこれを接地させて走行する。
「赫奕たる異端」の後日談「装甲騎兵ボトムズ 孤影再び」にも登場。こちらのキリコ搭乗機はドロッパーズフォールディングガンが装備されておらず、短銃身のヘビィマシンガン改を2丁装備して戦う様子が見られた。また敵対する「黒い稲妻旅団仕様」の機体は黒く塗装され、一部装備の形状が異なっている。
キットは「赫奕たる異端」に登場するバーグラリードッグをプラモデル化。過去に立体化されたことも多いターボカスタムやレッドショルダーカスタムとはひと味違った魅力のある機体だ。パーツは、A~Gのランナーは「HG スコープドッグ」と共通だが、一部は別ランナーの新規パーツに置き換えられている。
「HG スコープドッグ」のパーツと共通のものもあるが、一部は設計のアップデートが施されている
キットは「HG スコープドッグ」と同様、上半身内部のコクピットは再現せず、可動と作りやすさを重視した設計。頭部や腕などはほぼ同じものなので、同キットを作ったことがあるなら、こちらを作るのも難しくない。また一部ユーザーに指摘された設定と異なる太もものロール軸などにアップデートされたポイントがあるのも見どころとなっている。
設計が大きく異なるのは、トランプルリガーを装備した脚部だ。つま先のソリの部分と、かかとの車輪は折り畳み式で、キットではもちろん差し替えなしで展開が可能だ。車輪は非可動だが、コロ走行を楽しむような商品ではないので気にはならない。もちろん降着機構も再現した関節構造になっている。
(C)サンライズ