レビュー

「ゴジラ from『ゴジラxコング 新たなる帝国』」レビュー

2024

外皮だけでも組み立てられるゴジラの本体。個別に組み立てれば骨格の横に並べることが可能

 ゴジラの外皮は単独で組み立てるか、完成した骨格に組み付けるかの選択式となる。スナップフィットなので組み立て後に分解することも不可能ではないが、説明書に分解の手順は記載されておらず、公式には選択式ということが理解できる。

 外皮だけで組み立てられる仕様ゆえ、ハリボテのような空洞ではなく、要所にジョイントの凹凸が設けられパーツを相互に固定できるようになっている。外皮だけを組み立ててみると本当にこの中に骨格モデルが入るのかと思うような設計なのだが、それは後半の組み立て手順を見ていただきたい。

腕と胴体の組み立て
腕と手首をそれぞれ組み立てる
完成した両腕
胴体のパーツに両腕を取り付け
背中の組み立て
ヒレの一部は背中のパーツと一体化されている
組み立てた背中の左右を合わせる
組み立てた背中を胴体に取り付ける
尻尾と背ビレの組み立て。尻尾はパーツが多めだ
尻尾は先端から組み立てる
尻尾の根元を取り付ける
尻尾を胴体に取り付ける
尻尾の裏側のパーツを取り付ける
尻尾の残りのパーツを取り付ける
中心部分のヒレを組み立てる
背中の中央に取り付ける
脚部の組み立て。パーツが割と多い
左右形が似ているので混乱しないよう右から順番に組み立てる
足首を組み立てる
脚部に足首を取り付ける
左脚も組み立てる
胴体に脚部を取り付ける

 キットには頭部のみ2組の骨格パーツが付属していて、骨格そのものと、外皮や口などのパーツで組んだ通常の頭部を作れるようになっている。外皮と骨格以外のカラーパーツは口だけとなるが、舌と口の色が若干違っていることにも注目。なお目は色分けされていないので作例を見て塗装をするか、クリアを塗装して光沢を出すと雰囲気がよくなりそうだ。

頭部の組み立て
口の組み立て。舌は別パーツだ
骨格に口を取り付ける
左右から顔の外皮を取り付ける。顔の中心に合わせ目があるのでしっかりはめ込もう
頭頂部を取り付けて頭部が完成
立たせるには短く太いタイプの支柱を使用する
頭部を取り付けたら本体が完成
頭部は組み立てると骨格にモールドされた歯が出てくる
横からでも尻尾の動きはわかる
迫力の背ビレはエッジが立った鋭い形状に
皮膚の質感は部位によって違う。プラモデルで再現できる限界まで表現している

骨格を本体に内蔵して組み立てる選択肢もある。組み立て手順が若干異なる

 前述の通り、骨格と外皮を別に組み立てるか、骨格を内部に組み込むかは選択式として説明書に記載されている。今回はレビューの都合上、別々に組んだものを分解してから改めて組み立てる形で進めているが、骨格を組み込むときは完成した骨格に外皮パーツを組み付けていく手順となるので本稿でもそれに準じた流れで紹介している。

骨格を分解していく。手で取り外せるがパーツセパレーターを使う手段もある
分解はここまででOK。頭部と背ビレの骨は使わないので保管しておこう

 外皮は内部に凹凸があり、該当する骨格を組み込むとしっかり固定され動かないように設計されている。結構タイトなところもあるので説明書をしっかり眺めて、パーツの部位や向きを把握して組む立てるようにしたい。組み立ての手順はちょっとしたパズルのようで、外皮パーツを単独で組み立てるときとは取り付ける手順が異なることも明記しておきたい。

両腕に骨を組み込む。
組み込むと肩甲骨が露出した状態に
胴体の骨格に腕を取り付ける
腹側の外皮に脚部のパーツを取り付け、背中側も組み立てる
胴体の前後の外皮を取り付ける
このような順で尻尾の外皮を取り付ける
脚の骨格を取り付け、外皮を後ろ、前の順で取り付ける
もう一方も同様に取り付ける
足首の外皮に骨を入れて組み立てる
足首を取り付けて完成。骨が入っても形は変わらない

 組み立てている最中は骨がどのように内蔵されているのかわかるが、完成してしまうと骨はまったく見えなくなってしまう。あえて一部の外皮パーツを取り付けずに飾っておくのも良さそうだ。

一部の外皮パーツを取り付けずに組み立てた例。図解のような楽しみ方もできる

 完成したゴジラはご覧の迫力で、手に取ったときのボリュームもかなりのもの。見どころはやはりゴジラならではの皮膚の質感やヒレの成形、尻尾のうねりなど、固定ポーズならではの造形が魅力だ。ちなみに公式の全長255mmは完成状態で頭部から尻尾の先までを測った長さであり、尻尾を伸ばした造形であったならさらに大きなものになっただろう。

 ポージングの関係で骨格モデル、外皮モデルとも尻尾の下に台座を置く必要があるわけだが、透明なので目立つことはない。バランスを取るのに位置の調整が必要なので、飾ることが前提なら両面テープなどで軽く固定してしまってもいいかもしれない。

骨格と外皮を並べるとまたいい感じになる

 ガンプラなどと同じ頃より模型としてリリースされてきたBANDAI SPIRITSの「ゴジラ」シリーズ。このゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」は現代の技術をもとに設計・成形され、西川伸司氏デザインの骨格という付加価値を得てプラモデル化された。「ゴジラ」シリーズや怪獣、ひいては特撮ファンが待ちわびたアイテムであり、実際に組み立ててみてシリーズ化やバリエーションも楽しみとなった。

 個人的には「シン・ゴジラ」のゴジラ(2016)を作ってみたいところだが、既にフィギュアなどで多数立体化されているので、かつてバンダイ時代に展開された「The 特撮コレクション」のような「ゴジラ」にこだわらない東宝怪獣のプラモデル化といったラインナップにも期待したいところだ。