レビュー

「ゴジラ(2024) from『ゴジラxコング 新たなる帝国』」レビュー

西川伸司氏プロデュースのゴジラが全長255mmプラモデルで登場!

【ゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2024年12月14日

価格:7,480円

ジャンル:プラモデル

サイズ:全長約255mm

 BANDAI SPIRITSは「ゴジラxコング 新たなる帝国」に登場するゴジラのプラモデル「ゴジラ(2024) from『ゴジラxコング 新たなる帝国』」を一般店頭にて発売した。

 同社が久しぶりに発売する「ゴジラ」シリーズのプラモデルは、今年4月に公開されたばかりの「ゴジラxコング 新たなる帝国」のゴジラで、インパクトのあるがっしりとした体躯を全長約255mmのサイズの非可動モデルとして造形している。

ゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」。12月14日発売。価格は7,480円

 さらにこのキットは「ゴジラ」シリーズ多くの作品に携わったデザイナーの西川伸司氏が、その体躯に合わせてオリジナルの骨格をデザインしたものを、立体として組み立てることができる仕様だ。骨格は本体となる外皮と別に作ることも、外皮の中に収めて作ることも可能という、面白いキットとなっている。本稿ではこのキットのレビューをお届けしていこう。

西川伸司氏デザインの骨格はゴジラ本体と同じポーズで、全身の骨のうねりまで再現

 「モンスター・ヴァース」シリーズの5作目として、国内では2024年4月26日に公開された「ゴジラxコング 新たなる帝国」。2021年公開の「ゴジラvsコング」の続編で、怪獣王ゴジラとそのライバルであるコングの前に、新たな脅威が地下より出現。図らずもタッグを組むことになったゴジラとコングは、人間やほかの怪獣達を巻き込んで、壮絶なバトルを繰り広げていく。

【【最新映像】『ゴジラxコング 新たなる帝国』予告2<4月26日公開>】

 今回キット化されたのは、ずんぐりとした体躯で頭部が小さく、大きな背ビレを持つモンスター・ヴァースを象徴するゴジラの姿だ。可動箇所は設けられておらず、背中をかがめ首を前に突き出し咆哮する姿を立体化している。

 前述の通りキットには、オリジナルの骨格がキットとして同梱されている。この骨格のデザインを手がけたのは1989年の「ゴジラVSビオランテ」以降、数々の「ゴジラ」シリーズのデザインに携わってきた西川伸司氏。キットでもその手腕は遺憾なく発揮され、本当にゴジラの骨格がそうであるような説得力のある造形となっている。

ゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」パッケージ

 キットは非可動モデルのため、大きさの割にパーツ数はそれほど多くない。もちろん接着剤は使用しないスナップフィット仕様だ。外皮はほぼ黒に近い濃いグレー、骨格は白で成形。皮膚や骨の質感表現もかなりリアルで、このあたりは同社の恐竜プラモデル「プラノサウルス」シリーズのノウハウが生きているのだとも思った。

Aパーツ、Bパーツ
Cパーツ、Dパーツ
Eパーツ、Fパーツ
Gパーツ
H1パーツ、H2パーツ

 組み立ては骨格と外皮を個別に楽しむ場合でも、外皮の中に骨格を収める場合でも、最初は骨格から組み立てていく。組み立てには特別難しいところはないが、ヒレなど尖った部分があるので、扱うときは要注意。また作例では部位ごとにパーツを全て切り離しているが、左右で似たような形のパーツが結構あるので、セオリー通りに説明書の番号に沿って切り離してパーツを確認して組み立てることをオススメする。

まずは骨格を組み立てていく。こちらは頭部のパーツ。
頭部が完成。口も固定で可動はしない
胸部と首回りの組み立て
背骨のパーツを挟み込むように肋骨を取り付けると……
背骨と肋骨が一つの形になる
首と鎖骨を取り付けて完成
頭部を取り付ける
骨盤と尻尾の組み立て
尻尾は先端から組み立ていてく
太さのある部分は複数のパーツで設計。尻尾から飛び出している骨を折らないように注意
組み立てた尻尾に肋骨のパーツを取り付けておく
骨盤のパーツを取り付ける
脚部の組み立て
太もものと脛、足首の骨をそれぞれ組み立てる
左右の脚を組み立てる
完成した脚部を骨盤部分に取り付ける

 骨格をプラモデルで再現するにあたり、設計にはいくつかの工夫が見られる。例えば肋骨のある背骨の部分は中心となる骨のパーツに、肋骨を左右から組み付けると1本の背骨の形になる。またゴジラのヒレには骨がある設定のようで、これらは1組あたり3枚のパーツをクリア成形のジョイントで組み付け、それを背骨に取り付けることで、ヒレの骨が背骨から生えているものではないことを表現している。

腕の組み立て
指は左右で形が異なっている
両方の腕を組み立てる
完成した腕を肋骨に取り付ける。取り付ける際は肋骨の裏を指で支えてしっかり押し込もう
両腕を取り付けた状態
ヒレの骨の組み立て。形が似ているので、説明書に従って順番に組み立てていくことをオススメする
中心となるクリアパーツに3枚をそれぞれ取り付けていく。前後の向きにも注意
6組を組み立てる
クリアパーツを背骨のスリットに差し込んでいく。場所や順番も説明書を確認して取り付けよう
全てのヒレを取り付けた状態
立たせるときは付属の支柱を尻尾の下に設置する。細くて長いほうが骨格用だ
ゴジラの骨格が完成

 骨格は恐竜や爬虫類のようで実は人間のそれを参考にしている印象があり、肋骨が胸骨で繋がっていたり、鎖骨や肩甲骨、骨盤があったりするなど、恐竜や爬虫類の骨格とは明らかに違っていることがわかる。このあたりは設計を手がけた西川氏の解釈と思われ、興味深いところだ。

頭部は牙も細かく造形
胸には内臓が入るであろう大きな空洞が。
ヒレはほかの骨と繋がっていない設定のようで、浮いているように表現されている。外皮内にある芯のようなものなのだろうか
腰には人間のような骨盤が存在しそこに大腿骨がはまっている
下から眺めると博物館のような雰囲気を味わえる