レビュー

「ARTPLA SCULPTURE WORKS ゴジラRe:イマジネーション」レビュー

電車を咥えるゴジラの頭部、そして完成!

 さて、頭部の組み立てですが、初代ゴジラ独特の禍々しさが再現されつつも強調された瞼や原生動物を思わせる鼻や牙の形状等、こちらも松村氏独特のアレンジが効いていると感じました。キットはそれを巧みに分割し、目や口内の塗装まで考慮された構成となっています。パーツが多く、松村氏の造形を表現するために力が入っていると感じました。

 ここでの特徴は電車を咥えることで強調されるゴジラのキャラクター性です。この電車を咥えるゴジラは映画「ゴジラ」のスチールの構図ですが、スチールはゴジラを見上げるアングルでした。プラモデルではゴジラの顔が下向きなので、スチールで確認できないゴジラの表情をしっかり見ることができます。

 ゴジラは作品によっては目にしわを寄せた獰猛な表情も見せますが、今回の松村版「ゴジラ」では初代ゴジラの表情を忠実に再現しながら、鼻の穴などは原生動物としてのリアリティのある表現が施されています。「電車を咥えているゴジラ」立体物そのものが珍しいと感じました。

【電車】
ゴジラが咥える電車は驚くほどパーツが多く、細部まで拘りが感じられます。組み立て時にしっかり形を整えることで更に見栄えが良くなると思います
【頭部】
頭部パーツはまず、電車を丁寧に整形し、接着してから咥えさせます。実際に巨大な生物が電車を咥えたらどの様に破壊されるかを感じさせる説得力がありますね

 組み上がりました! 素組み状態で見ても立体物としての充実感があり、そのままディスプレイしても充分見ごたえがあります。組み立て自体もストレスが全く無く、生命力と躍動感に溢れた『生物としてのゴジラ』が数時間で出現します。

 ここで松村氏ならではのアレンジとして注目したいのが「胸の形状」です。中央に隆起があって両方の胸が盛り上がっています。ゴジラは人間の胸とは異なり中央と左右が盛り上がっており、筋肉のラインを感じさせるのが独特の解釈で、より肉感的な描写だと感じさせられました。

 こうして完成したゴジラを見てみると、銀座に突如現れた謎の巨大生物というコンセプトそのものが存在感を感じさせてくれました。有楽町のアーチを踏みつけ、電車を咥える「徹底的な日常の破壊」というイメージが一目で伝わる。

 そこに松村氏のアレンジが加わります。胸の分割、太ももの筋肉の隆起、足首の骨と筋肉がしっかり内部にあることが伝わる形状。尻尾そのもののデザインは初代ゴジラのそれを忠実に再現されているのですが、その尻尾のうねりの力強さは松村氏のゴジラ愛を感じました。遠目のシルエットは初代ゴジラを忠実にモデリングされているのですが、目を近づけると生き物としての説得力と松村氏の情念が伝わる素晴らしい立体物だと感じました。

【完成】
初代ゴジラの恐怖感と迫力が『実在する生きものとしての解釈』を加えた生物的アレンジによってさらに増幅された立体物となっています
銀座をイメージしたベースも臨場感に溢れていますね