レビュー

「ARTPLA SCULPTURE WORKS ゴジラRe:イマジネーション」レビュー

胸筋、骨格を感じさせる足首、松村しのぶ氏の生物アレンジを堪能しよう!

【ARTPLA SCULPTURE WORKS ゴジラ Re:イマジネーション】
メーカー:海洋堂
2026年9月再販
価格:8,800円
ジャンル:プラモデル
全高:約185mm

  造形の美しさをプラモデルで表現する海洋堂の「ARTPLA(アートプラ)」シリーズで、松村しのぶ氏が「初代ゴジラ」をモチーフとした「ARTPLA SCULPTURE WORKS ゴジラ Re:イマジネーション」。こちらは2025年10月に発売されましたが、2026年9月18日に再販されました。

 ここ数年、各社からゴジラのプラモデル発売ラッシュが続いておりますが、「ARTPLA ゴジラ Re:イマジネーション」の原型は松村しのぶ氏が担当されています。松村氏は海洋堂がフィギュアの企画と原型制作を担当した食玩「チョコエッグ」で、様々な生物フィギュアを手掛け広く知られるようになりました。海洋堂を代表する原型師の1人です。

 本商品の企画のスタートは「松村氏がかつて製作したポリストーン製の完成品フィギュアを原型にプラモデルとして開発する」というものでしたが、松村氏が今回のARTPLAの原型製作に当たり、そのフィギュアとは全く異なる姿を提示したとのことです。「ARTPLA ゴジラ Re:イマジネーション」は生物を立体で表現し続ける松村氏ならではの生物的アレンジが加わった、非常に立体的な魅力に溢れたゴジラとなっています。

 キット自体は細かいモールドまでよく成形されており、先にコアを組んでから表面の皮膚を貼り付けて組み立てていくという、実際の初代ゴジラの着ぐるみの造形過程を思わせる工程となっています。それでは、早速キットの方をチェックしていきましょう!!

中村豪志氏の手による初代ゴジラの恐怖感や巨大感が表現されたパッケージアート

緻密なモールドが彫刻されたパーツ群

 キット自体は程よいパーツ数で背びれの分割も必要最小限に抑えられており、説明書を読みながら丁寧に組み立てて行けば数時間程度で完成します。

 説明書の順序通りに組まないとパーツがはまらなくなることもあるので、落ち着いてゆっくりと進めていきましょう。

【ランナー】
全8枚のランナーで構成されています

 最初は緻密なモールドが彫刻されたパーツ群に目を奪われますが、分割も組み立てや塗装を配慮した構成となっており、とても好感が持てます。

 細部まで松村氏独特の生きものとしての説得力がある生命感に溢れたアレンジが加えられており、オリジナルの初代ゴジラの「解像度」を上げつつ、細部の情報量が増えているので部品の一個一個を見ても楽しめるキットになっています。

【パーツ細部に注目】
ゴジラ独特の皮膚モールドも精密に成形されています
足首も独特のアレンジが入っていますね。足の指から爪まで力強さが表現されています
躍動感ある手の演技にも注目
初代ゴジラの特徴的な背びれも着ぐるみには無い独自の解釈が加えられています
完成すると見えなくなってしまう箇所ですが、きちんと口内のモールドも彫刻されています
アゴ裏も生物としての機能を感じさせるモールドが加えられています。また、目の部分も別パーツなので塗装にも気を配られた分割ですね
【台座パーツ】
有楽町駅をモチーフにしたディスプレイベースも少ないパーツ構成ながら臨場感を醸しだしています

松村しのぶ氏の生物的なアレンジが光る迫力あふれる造形

 それでは、パーツチェックが終わったところで早速組み立てていきましょう。最初に基本コアを組み立ててからそこに表皮パーツを貼り付けていきます。パーツ精度が高く、合わせ目も目立たないように組み上がることに驚かされます。

 そしてパーツ構成にも目を向けてみると、頭部、両腕、両脚、足首、背びれ、尻尾と分割されており、かつて海洋堂が発売していたガレージキット(レジンキャストキット)のパーツ分割を彷彿とさせてくれます。

 そう言った意味でも「ARTPLA」の正統な進化を感じさせてくれるプラモデルとなっているのではないでしょうか。分割も巧みに分けられており、接着して組み上げただけで迫力あるゴジラが完成するのですが、パーツ一つ一つに盛り込まれた骨格と筋肉の流れや生きものの体表を感じさせる生物的アレンジの妙を楽しみながら組み立てていくと製作モチベーションがさらに上がると思います。

【胴体の組み立て】
最初にコアパーツを組み立てます。撮影用着ぐるみも最初に金網や古紙で基本系となる芯をつくっていたので、それを彷彿とさせてくれます
表皮パーツがピッタリと気持ちよくはまっていきます。実際の初代ゴジラの着ぐるみをつくる感覚でパーツを接着していくのも楽しみ方としてはありだと思います
ランナーから切り離した後に出るゲート跡を丁寧に整形すればパーツ同士の合わせ目もほとんど目立ちません
【合わせ目をさらに少なく】
どうしても合わせ目が気になる場合は、「Mr.セメントSP(スーパーパワー)」で溶かした『ランナーパテ』を使って埋めていくのも良いかと思います

 腕部は極力接着箇所が抑えられており、脚部は胴体同様にコアを組み立ててから表皮パーツを接着していくのですが、こちらもストレス無く組み上がるようにパーツ構成が巧みに設計されています。腕部は筋肉の隆起が強調され、実際の着ぐるみの体表の流れを崩す事なく小気味良いアレンジが加えられているので、立体物としての魅力を感じさせてくれます。

【腕部】
腕部は指の部分を除いて接着しておきます 骨格や筋肉の質感を感じさせる隆起や指先に至るまでアレンジを加えられたモールドが彫刻されています。

 脚部はコアパーツですでに筋肉の流れが表現されています。この筋肉の強さに初代ゴジラならではの表皮が重ねられる。そのことで「松村氏のゴジラ」として力強いシルエットが形作られていきます。筋肉の隆起がありありと分かる脚部になっています。

【脚部】
まずは左足。コアパーツに表皮を貼り付けていきます
初代ゴジラのバランスとモールドを踏襲しつつ、絶妙なアレンジを加えた彫刻が脚の指にいたるまで施されています。

 尻尾はシルエットとしてはかなりオーソドックスな初代ゴジラと感じました。しかしやはりコアパーツの筋肉表現で生物感が感じられる。ここに表皮を貼り付けると他の部位よりも初代ゴジラそのままのラインになるのが面白いと感じました。

【尻尾】
躍動感ある尻尾も大きく捻りをくわえてモデリングされており、パーツ構成も極力合わせ目が出ないように工夫されています。本体に接合する際も接合部にほとんど隙間が生じないので、展示の際の輸送や収納時も楽になりますね