特別企画

【ちょい組み】ハセガワのプラモデル「宇宙海賊戦艦 アルカディア 三番艦[改]強攻型」に挑戦!

手頃なサイズ感に凝縮されたディテールで満足の仕上がり

開発・発売元:ハセガワ

発売日:2021年6月26日ごろ

価格:3,080円(税込)

 キャプテン・ハーロックの存在を知ったのは、小学校5年生のとき。田舎から東京に引っ越してきたタイミングで放映されていたアニメが「銀河鉄道999」で、その劇中に登場したことがきっかけでした。その当時、プラモデルでも作った記憶があるのが、ハーロックの乗艦であるアルカディア号です。まさかそれを、40年ぶりに作ることになるとは!

 というわけで、今回のちょい組みではハセガワから6月26日に発売されたばかりの1/2500スケールプラモデル「宇宙海賊戦艦 アルカディア 三番艦[改]強攻型」に挑戦してみました。「三番艦[改]強攻型」とあるとおり、今回モデルとなっているのは三連装パルサーカノンを1基増設し、エンジン出力が増強されたアルカディア号です。なんでも松本零士氏の最新設定によると、アルカディア号は全部で九番艦まであるのだとか。

 ハセガワからは、今回発売された「三番艦[改]強攻型」以外にもスケール違いで様々なタイプのアルカディア号のプラモデルが発売されているので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。

銀河をバックにしたアルカディア号と、ハーロックが描かれたカッコイイパッケージが目印。
パーツ数は118と、初心者にも比較的組みやすい点数です。このほか、説明書とデカールも付属しています。

序盤はメインの胴体から組み立て

 今回はちょい組みということもあり、塗装やデカールなどは貼らず、単純に素組みで簡単に組み上げます。まずは胴体の組み立てからスタート。説明書に従い、パーツをひとつひとつ切り離していきながら処理をして、順番に組み立てていきます。

 説明書を見ずにどんどん組み立てていくタイプの人も世の中にはいるようですが、自分の場合はどこのパーツなのか作ってる最中もあまり把握していないことが多いので、わからなくならないように、着実に組み立てていくことにしました。

説明書に従いながら、ニッパーでパーツを切り離していきましょう。

 さて、この胴体部分ですが、なんとわずか3ステップほどでなんとなく全体像がわかる形に仕上がっていきます。先ほども少し触れましたが、プラモデルの場合、特に序盤はどこの部分を作っているのかよくわらないことが多く、少しでも形になっていくのがわかると、もうそれだけで嬉しくなってきますよね。

本物の船と同じような構造で、4つの梁で船体を補強していきます。
目立つ部分から作っていくので、なんとなく船の原型が見えてくるのは嬉しいところ。

 3ステップ目までは、比較的サイズの大きいパーツを組み立てていきました。4ステップ目からは、こまごましたパーツを船体に取り付けていくことになります。こうしたSFの艦船では、細かなディテール感が雰囲気を醸し出す要素となっていますが、まさにその部分を作っていくことになるわけですね。

基本的に船の場合は左右対称になっていることが多いため、まずどちらか片方のパーツを取り付けてから、もう片方を付けていくことで、より正確に何をすべきなのか把握しやすくなるのでオススメです。

底面側の細かいパーツ類を貼り付けていきます。
12点ほどの底面パーツを取り付け終えたところ。徐々にアルカディア号の姿が浮かんできました。

 続いて、アルカディア号の顔とも言える艦首部分を組み立てていきます。曲線が多く複雑な形状をしていますが、最初からほぼこの形のパーツとして用意されており、ドクロ部分などいくつかのパーツを取り付けるだけで完成させることができます。ひとつ気を付けたいのは、ドクロの下側。骨がクロスしている辺りがゲートになっており、それを取り除くためにヤスリなどを使用する必要があります。

組み立てた艦首部分。やはり、このドクロがいい味出してますね。

 艦首を胴体に取り付けたら、左右の主翼とエンジンを組み立てて、それぞれ取り付けていきましょう。この辺りはほとんど難しい部分はなく、基本的に左右対称で作っていきます。ひとつだけ、エンジン部分の羽が間違いやすいので、説明書や完成品の写真などを確認しながら位置を合わせていくといいでしょう。このエンジン部分のパーツは割と外れやすい傾向にあります。特に固めてしまっても問題ない部分でもあるので、気になる場合は接着剤で固定してしまってもいいかもしれません。

左右の主翼を付けた後、ミサイルも組み立てて取り付けたところ。ミサイル部分の羽の位置に注意しましょう。
なんとか艦橋甲板とキャビンの取り付けまで完了。

ラストスパートは細かいパーツの組み立てラッシュ! しかしトラブルが!?

 残り3ステップまで来ました。船体はほぼ完成しているので、ここから先はひたすら細かいパーツを取り付けていくことになります。そのため、難易度もこれまで以上に高くなるので、より注意しながら作業を進めていく必要があります。まず組み立てていったのは、艦橋部分。先に艦橋だけを単体で作ってから、胴体部分に他のパーツと共に取り付けていきます。

先に艦橋部分を作ってから、胴体に取り付けていきます。
艦橋を胴体に取り付けたところ。一緒に付けるパーツがぐらついて付けにくいときは、接着してしまった方が楽かもしれません。

 続いて、主翼の先や三連装パルサーカノン主砲、羽のような飾りを付けていくのですが、この羽の取り付けは注意が必要です。コの字の形をしたパーツを付けるのですが、先に胴体部分に羽を付けてしまうと、コの字のバーツがかなり取り付けにくくなってしまいます。また、単体の羽を先に付けた場合も胴体に取り付けにくいので、組み立てていく順番をよく検討しながら作業を進めていった方がいいでしょう。

こちらは、三連装パルサーカノン主砲部分のパーツ。砲台をひとつひとつ切り離して、取り付けていきます。そのため、ある程度自由な角度に変えることができますが、一方でパーツ自体が外れやすくなくしてしまいがちです。特に動かす予定がないなら、これも固定してしまった方がいいのかもしれませんね。
艦橋のすぐ後ろにある羽のような部分を取り付けるのに、かなり苦労しました。これもパーツが外れやすいので、接着した方が良さそうです。

 上部の羽や砲台などの取り付けが終わったら、底面部分にも三連装パルサーカノンと羽を取り付けていきます。ここで注意して欲しいのが、飾り台を取り付けるための穴を塞いでしまわないことです。穴を塞ぐためのパーツも用意されているのですが、下側もいろいろと飛び出している部分が多いという構造上、必然と飾り台を使用せざるを得ない作りになっています。

 そして、上の方でも苦労した羽を取り付けていくことに、なんと再び思わぬトラブルに巻き込まれてしまいました。コの字のパーツを羽に付けようとしたところ、飾り台を取り付けるための穴の中にそのパーツが入り込んでしまったのです。振っても出てこなかったため、仕方がなくばらすことに。最悪なことに、ここは隔離されたような構造になっているため、結局かなりバラさなければいけなくなってしまいました。こんなドジなことはなかなかないと思いますが、皆さんも気を付けましょう(笑)。

あとわずかで完成!というところで、まさかここまでバラすことになろうとは。
下側の真ん中の穴は、飾り台を取り付けるためのものです。

ついに完成!オプションなどのギミックも楽しめる満足度

 というわけで、多少のトラブルもあったものの、制作開始から約6時間。最後に透明パーツの台座を作って完成です!このアルカディア号には、これ以外にもオプションのナイフ型衝角が用意されています。こちらは特別な加工などは不要で、そのまま船首の下側にスライドさせる形で取り付けられるようになっています。

 また、戦艦らしく、三連装パルサーカノンの向きなども変更ができます。パッケージのイラストでは、様々な方向に主砲を向けている姿が描かれていますが、その状態も再現できます。

船首にナイフ型衝角を取り付けることも可能。
三連装パルサーカノンも、このようにかなり動かすことができます。

 全体的なスタイリングも素晴らしく、塗装やデカールを貼っていない素組みだけの状態でも、十分に鑑賞に堪えうる仕上がりになります。よりクォリティを求めるならば、全体塗装までいかなくとも、いくつかのパーツを部分的に塗り分けて、デカールもしっかりと貼ると仕上がりもさらによくなりそうです。

組み立て後の全長約226mm、スタンド込みで高さ約100mmと、比較的飾りやすいサイズ感なところも魅力。
アルカディア号は、お尻側から見たプロポーションの良さもいいですよね~!
もちろん正面からの見た目も迫力があってグッド!

 実際に作り終えてから、あらためて様々な角度から眺め回してみると、やはりこの船自体が持つプロポーションの良さが際立っていることがわかります。クジラのようなスタイルのドクロ艦首に、和風テイストを合わせたような、ユニークなデザインのキャビンなどアルカディア号ならではの特徴がかなりいい感じで再現されています。

 いくつか注意する箇所はあるものの、久々にプラモデル作りに挑戦してみたいなと思っている人にも比較的組みやすいキットになっていることは間違いありません。こちらのキットは限定生産品となっているので、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか?