特別企画

4月発売予定の新TCG「Shadowverse EVOLVE」をいち早く体験!

「エボルヴ」と「クイック」が新鮮かつキーに! 「紙シャドバ」ならではの面白さを堪能

【Shadowverse EVOLVE】

2022年4月28日発売

スターターデッキ6種類 1500円(税抜)

ブースターパック第1弾 350円(税抜)

 ブシロードとCygamesは共同が開発・運営を行なうTCG「Shadowverse EVOLVE」。1月21日に、初となるβテスト(体験会)が開催された。

 「Shadowverse EVOLVE」は、Cygamesの人気DCG(デジタルカードゲーム)「Shadowverse」をリアル版としてカードゲーム化したものだ。「Shadowverese EVOLVE」の概要については、2022年1月7日に発表会が開催されており、本誌でもレポート済みなので、そちらを見ていただきたい。

 「Shadowverse EVOLVE」の発売は2022年4月28日の予定だが、発売に先駆けたβテストは1月21日~2月9日までの第1回と、2月19日~3月13日までの第2回の2回に分けて行なわれる。βテストの会場は第1回が全国20店舗、第2回が全国40店舗であり、参加には事前申し込みが必要だ(定員を超えた場合は抽選)。

 1月21日のβテスト初日は、東京秋葉原の「トレカの洞窟 CARD WORLD TOWER AKIBA」などで開催された。筆者も、このβテストに参加してきたので、その様子やβテストで明らかになった新情報をレポートする。

βテスト希望者は全国で6,000人超

 1月21日に「Shadowverse EVOLVE」のβテストが開催された「トレカの洞窟 CARD WORLD TOWER AKIBA」(以下トレカの洞窟AKIBA)は、秋葉原駅電気街口から徒歩1分という好立地のカードショップだ。トレカの洞窟AKIBAは、地下1階から6階までのフロアがあり、4階から6階がデュエルスペースとなっている。βテストは、6階のデュエルスペースを占有して行なわれた。

 参加者は30名ほどで、最初にブシロードの木谷会長が挨拶を行なった。木谷会長によると、第1回βテストは、全国20店舗で開催されるが、参加希望者は全国で6,000人を超えており、どの店舗もかなりの競争率。特にこのトレカの洞窟AKIBAは倍率が十数倍で、選ばれた人はかなりの幸運であり、これから何かいいことがあるかもしれないとコメントした。

【Shadowverse EVOLVEのβテストの様子】
ブシロードの担当者が最初のティーチングを行なった
βテスト会場の様子
ブシロードの木谷会長も駆けつけた

ティーチングではエルフデッキとロイヤルデッキを利用

 早速、ティーチングが行なわれた。ティーチングは、エルフデッキとロイヤルデッキを使用。どちらか一人がエルフ、もう一人がロイヤルを担当する。「Shadowverse EVOLVE」のフィールドは、手前が「EXエリア」、その奥が「フィールド」である(下記画像参照)。右上には「リーダーカード」を置き、その下がデッキ、その下が墓場となる。

 一番右側にはPP(プレイポイント)とMax(PPの最大値)を示すカウンターがある。左の青いスリーブはエボルヴデッキで、裏にして置く。エボルヴデッキは最大10枚。左上に並んでいるのは「エボルヴポイントカード」であり、後攻プレーヤーのみ2枚持てる。また、トークンも利用するデッキに応じて用意する。

 フォロワーへのダメージはターンが終わっても永続的に残るので、それを示すためにマイナスカウンターが、また攻撃力や体力をプラス修正する効果を示すためにプラスカウンターも利用する。βテストでは、サイコロが用意されていた。さらにライフカウンターとして紙製のものが用意されていたが、これは専用スマホアプリなどで代替できるだろう。

 「Shadowverse EVOLVE」でも、「Shadowverse」と同様に毎ターン増えるPPを消費してカードをプレイする。βテストで用意されていたプレイシートは、右側に0から10までの数字が縦に2列に並んでおり、MaxとPPを管理することができる。現在のMaxとPPは、シートの上に置かれた黒い輪で示される。MaxやPPが変動する度に、手で黒い輪を動かすという仕組みだ。

【Shadowverse EVOLVEのフィールドやカードの説明】
「Shadowverse EVOLVE」のフィールド。手前が手札の拡張として使える「EXエリア」、その奥が「フィールド」、右上には「リーダーカード」を置き、その下がデッキ、その下が墓場となる。一番右側にはMaxとPPを示すカウンターがある。左の青いスリーブはエボルヴデッキである。左上に並んでいるのは「エボルヴポイントカード」であり、後攻プレーヤーが2枚持てる
エルフのエボルヴデッキの中身。エボルブフォロワーは、左上のコスト表記がない。最大10枚までとなる
こちらはトークン。トークンもデッキに合わせて用意する
サイコロカウンター。青色が攻撃力をプラス修正するプラスカウンターで、赤色はダメージを表すマイナスカウンターと、体力をプラス修正するプラスカウンター
エボルヴに使える「エボルヴポイントカード」。後攻プレイヤーが2枚持てる
ライフカウンター。30から0までの数字を管理できる
0~10までの数字は、Max(左側)とPP(右側)を示す。現在のMaxやPPに合わせて黒い輪を移動させる
例えば、Maxが3ポイントで、そこから1ポイント使うと残りPPは2ポイントとなる
プレーヤーと共に戦うキャラクターを示すのがリーダーカード。リーダーによってクラスが決まる。このアリサのクラスはエルフとなる

クイックやエボルヴを駆使してアドバンテージを得ていく

 初期手札は4枚で、手札が気に入らないときは1回だけマリガン(引き直し)が可能だが、「Shadowverse」とは違って、4枚のうち何枚かを入れ換えるのではなく、4枚全てを引き直す。プレイの基本的な流れは、ターンの最初にMaxやPPを戻して、横にしたフォロワーを縦にし、カードをドローし、カードのプレイや攻撃を行なうというもので、「Shadowverse」とほぼ同じだ。なお、先攻プレイヤーの1ターン目はドローできない。

 ただし、攻撃する際はフォロワーカードを横にする(アクトと呼ぶ)ことと、1ターンにエボルブできるのは1回までなものの、コストさえあれば何回でもエボルヴできることは「Shadowverse」と異なる。

初期手札は4枚である
手札は1回マリガン(引き直し)が可能だ
相手側が先行であり、1コスト使って、「クイックブレーカー」を場に出した
通常のフォロワーは、場に出たターンは攻撃できないが(いわゆる召喚酔い)、「クイックブレーカー」は「疾走」能力を持っているため、出したターンから攻撃が可能。攻撃する際は、カードを横向きにする(アクトと呼ぶ)
自分のターンになったら、まず、Maxを1増やし、PPもMaxと同じにする
本来はMaxとPPは0から始めるが、ティーチングでは3からスタートしたので、自分の最初のターンが来たら4になる
コストを払った分PPの輪を動かす(この例だと2コスト使ったことになる)

 エボルヴはすべてのフォロワーができるわけではなく、特定のフォロワーに限られる。またエボルヴにはコストが必要で、PPを支払うが、その数は各フォロワーごとに異なる。なお後攻なら、エボルヴ時限定で「エボルヴポイントカード」を裏返すことで1PPを賄うことができる(1枚につき使用は1回限り)。エボルヴを宣言したら、コストを支払い、エボルヴデッキから対象のカードを選ぶ。進化元のフォロワーに重ねれば、エボルヴが完了する。

 なおエボルヴフォロワーがバトルダメージなどで破壊された場合、上のエボルヴフォロワーは表向きでエボルヴデッキに戻り、下のフォロワーは墓場に行く。墓場に行ったフォロワーは、カードの効果によって手札やEXエリアに戻して再利用することが可能だが、表向きのエボルヴフォロワーを再び場に出すことはできない。

 また進化元フォロワーを出したターンにエボルヴした場合、相手フォロワーへの攻撃は可能になるが、このとき攻撃対象となるのは、アクト状態の横向きになっているフォロワーだけで、縦向きのフォロワーと相手リーダーへの攻撃はできない。「Shadowverse」の場合、そもそもアクト状態という概念がなく、進化した場合は、どの相手フォロワーにも攻撃できるので(相手リーダーへの攻撃はやはりできない)、「Shadowverse」に慣れているプレイヤーは気をつけたい。

3コストの「ローズガーデンキーパー」を場に出したところ。小さくてちょっと見にくいが、テキスト欄に「E①」とある。これは1コスト払えば、エボルヴできることを示している
エボルヴに使うコストは、PPでもいいし、後攻ならエボルヴポイントカードを使ってもよい。エボルヴポイントカードを使うときは、カードを裏返す。使ったエボルヴポイントカードはもうこのゲーム中は使えない。エボルヴデッキから対応するエボルヴフォロワーを探し出し、フォロワーの上に重ねてエボルヴさせる。このエボルヴフォロワー「ローズガーデンキーパー」は、進化時の能力として相手のフォロワー1体を選んで相手の手札に戻すことができる。また、進化元のフォロワーとエボルヴフォロワーを同じターンに出した場合、そのターンでもアクト状態の相手フォロワーには攻撃が可能だ
攻撃できるフォロワーのすべてで攻撃した状態

 「Shadowverse EVOLVE」では、カードを出したときに発動する効果を「ファンファーレ」と呼ぶ。例えば、エルフの「フェアリーウィスパラ」は、ファンファーレで「フェアリー」トークン1体を場に出し、さらに「フェアリー」トークン1枚をEXエリアに置くことができる。EXエリアは、手札の拡張のように利用できるエリアで、必要なコストを払って場に出せる。

 スペルカードは、自分のターンにしか使えない通常のものと、「クイック」を持つものに分けられる。「クイック」持ちのスペルは、相手ターン中でもコストを払うことで使うことができるので、戦略が大きく広がる。例えば、相手の攻撃宣言に対応して火力を撃てば、スペルが先に処理されるので、そのフォロワーを破壊できれば攻撃は通らなくなる。「マジック:ザ・ギャザリング」でいうインスタントと同じだ。

 フォロワーやスペルで相手リーダーを攻撃していき、相手リーダーの体力を0にすれば勝利となる(体力は20からスタート)。DCGだけに触れているとコスト管理などを手で処理するのが煩わしく感じるかも知れないが、「デュエル・マスターズ」や「遊戯王」、「マジック:ザ・ギャザリング」などをプレイしたことがある人なら、すぐに理解できるだろう。

 「Shadowverse」では、進化できるターン数と回数に制限があり、先攻は「5ターン目以降に最大2回」進化可能で、後攻は「4ターン目以降に最大3回」進化可能となっていたが、「Shadowverse EVOLVE」では、1ターンに1回までという制限しかないので、エボルヴフォロワー5体を盤面に並べることもできる。エボルヴさせることで、攻撃力や体力が上がるだけでなく、新たな能力を持つフォロワーもあるので、エボルヴをうまく使いこなすことが勝利への近道だ。

 また、前述した「クイック」も、使うタイミング次第で不利盤面を一気にひっくり返すことができる。プレイングの面で言えば、「Shadowverse」では自分のターンにPPを使い切るのが基本であったが、「Shadowverse EVOLVE」では相手ターンに使えるPPを残しておくことで、「クイック」持ちのスペルを使うことができるようになる。

 ターンが返ってきたときに相手の手札が多く、残りPPがあるなら「クイック」を使われる可能性を考えつつプレイするのが重要になる。また「クイック」を持っていなくても、PPを残しておくことで相手にブラフをかけられるので、そうした読み合いがポイントとなる。なお、相手のクイックに対して、さらにこちらのスペルを撃つことができるのかどうかは、βテストでは明らかにされなかった。いわゆるスタックやチェーンなどと呼ばれる処理だが、そちらも気になるところだ。

2コスト使って、「フェアリーウィスパラ」を場に出す。「フェアリーウィスパラ」には出たときの能力(ファンファーレと呼ばれ「F」マークで表わされる)として「フェアリー」トークン1体を場に出し、さらに「フェアリー」トークン1枚をEXエリアに置く能力がある
「フェアリーウィスパラ」のファンファーレを解決した状態。下がEXエリアで、手札と同じように使えるので、1コストさらに払えば、EXエリアの「フェアリー」トークンを場に出せる
1コスト追加で払って、EXエリアの「フェアリー」トークンを場に出したところ
右の墓場に置いてあるのは、スペルカードの「フェアリーサークル」で、使うことで「フェアリー」トークンを3枚EXエリアに置ける。スペルカードを使った後は墓場に置く
「Shadowverse」と同じく、フィールドには最大5枚までしかカードを出せない
「Shadowverse EVOLVE」ならではのギミックが、「クイック」である。「クイック」を持つスペルカードは相手のターン中にも使える。テキストの上に「Quick」というオレンジ色のアイコンがある
途中までチュートリアルプレイを体験した後は、「ウイッチ」と「ナイトメア」のデッキを選んでまた最初からプレイを楽しむことができた。相手がナイトメアデッキ、筆者がウイッチデッキを選んだが、完敗であった

βテストで使えた4つのクラスのカードを紹介

 今回のβテストでは、ナイトメア、エルフ、ロイヤル、ウイッチの4つのクラスのデッキを使うことができた。これらのデッキは4月28日に発売されるスターターデッキに近いとのことだが、まだβ版であり、製品版とはテキストなどが異なったり、別のカードが入っていることもあるとのことだ。そこで、各デッキに入っていたカードを3枚ずつ紹介する。

【4つのクラスのリーダーカードとデッキ内のカード】
ナイトメアのリーダー「ルナ」
ナイトメアデッキに入っていたカード
エルフのリーダー「アリサ」
エルフデッキに入っていたカード
ロイヤルのリーダー「エリカ」
ロイヤルデッキに入っていたカード
ウイッチのリーダー「イザベル」
ウイッチデッキに入っていたカード。一番右のヒーリングエンジェルはニュートラル

出来は期待以上であり、発売が待ち遠しい

 今回のβテストで、実際にプレイできた時間は1時間弱であったが、元の「Shadowvere」とは異なる、「Shadowverse EVOLVE」ならではの面白さを体感できた。特に、クイックが加わったことで、戦略が大きく変わってくるだろう。βテストでは、MaxやPPなどの管理を全て手で行うため、多少面倒臭さも感じたが、開発中の専用アプリを使えばそれらの管理もより楽になるだろう。

 EXエリアやトークンがあるので、手札が少なくても、盤面によっては一気にフォロワーを展開できて楽しい。βテストで使ったカードはテキストの文字やアイコンが小さくて見にくいと思ったが、このあたりは製品版では改良される可能性もありそうだ。4月28日の発売が待ち遠しい。