特別企画

「こいつ…動くぞ!」 横浜市の小学生、「動くガンダム」のハンド遠隔操作に挑戦!

一部の外装を外したレアな姿のガンダムもお披露目

【”動くガンダム”ハンド遠隔操作にチャレンジ!】

6月22日開催

会場:GUNDAM FACTORY YOKOHAMA

6月21日、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の運営会社であるEvolving Gは、休業中の「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を利用し、横浜市の鉄小学校6年生28名を対象に特別なイベント「”動くガンダム”ハンド遠隔操作にチャレンジ!」を開催した。

 「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」は2020年12月19日に、横浜の山下埠頭にオープンした施設で、高さ18mという実物大の「動くガンダム」を体感できる施設である。当初、GUNDAM FACTORY YOKOHAMAは、2022年3月31日までの期間限定でオープンされる予定だったが、新型コロナの感染拡大によって、体験できる人数が当初予定よりも減ってしまったこともあり、閉鎖日が2023年3月31日に延びた。現在はメンテナンス休業中で、再オープンの日時が7月16日に決まり、部品交換や外装の清掃などが行われている。

メンテナンス中であることを活かした特別イベント

 「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を運営しているEvolving Gでは、2021年11月より横浜市の小中学生を対象とした「エデュケーショナルサポート」として、実物大「動くガンダム」の仕組みを知り、体感するプログラムを実施している。すでに合計23校、1,442名の子ども達が、そのプログラムに参加しているが、今回、メンテナンス休業中であることを活かして、通常ではできない「エデュケーショナルサポート特別版」を実施することになった。

 今回、エデュケーショナルサポート特別版に参加することになった幸運な児童が、横浜市立鉄小学校の6年生28名である。児童は3つのグループに分かれ、「ハンド遠隔操作体験」、「TOWERでのハンドの動きのチェック」、「ACADEMYでの動くガンダムの仕組みの理解」という3つのプログラムを順番にこなしていくことになった。

 施設内に入って進むと、すぐに「動くガンダム」が目に入る。今回は、メンテナンス休業中とのことで、外装が一部取り外され、内部のフレームがむき出しになった状態になっていたが、その姿を見れるのもこのときだけだろう。

 最初に、「動くガンダム」という名前は知っていても、実際に動いているのを見たことがないという児童のために、「動くガンダム」が実際に動く様子のビデオが放映され、GGCテクニカルディレクターの石井啓範氏が、児童全員に向けて「動くガンダム」の概要や仕様について解説を行った。続いてGGCシステムディレクターの吉崎航氏が、ガンダムを動かすプログラムについて説明を行った。ガンダムのハンドは本体の動きとは独立しており、そのハンドの遠隔操作を体験できるという。

【「動くガンダム」の概要解説】
「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の外観
実物大「動くガンダム」は現在メンテナンス休業中であり、外装の一部が取り外されていた。これはこれでレアな状態だ
まず、横浜市立鉄小学校の6年生が実物大「動くガンダム」が実際に動く様子のビデオを見た
GGCテクニカルディレクターの石井啓範氏
「動くガンダム」の全体概要。さまざまな技術が結集されている
ガンダム本体の仕様。可動フレームは鋼鉄製で、外装は軽いカーボン樹脂を採用
GGCシステムディレクターの吉崎航氏
ガンダムを動かすプログラムについて
ガンダムのハンドは全身とは独立して安全に動かすことができる
アカデミー2階から、ガンダムのハンドを遠隔操作するのが今回の体験の目玉だ
取り外されていた外装。7月16日からの再稼働前には、外装も元通りに装着される

ゲームコントローラーや手袋型コントローラーでハンドを自由に操作

 全体説明が終了後、グループごとの活動が開始された。筆者を含むAグループは、「動くガンダム」のハンド遠隔操作体験からプログラムを開始した。ハンド遠隔操作体験は、アカデミーの建物の2階で行われた。内容は、「動くガンダム」を見ながら、ゲームコントローラーや手袋型コントローラーを使って、ガンダムのハンドを操作するというものだ。

 まず、吉崎氏が操作方法の説明を行い、順番に児童が遠隔操作体験を行った。ゲームコントローラーでは、指1本1本を独立して動かすことはできないが、手全体を閉じたり開いたり、右手だけでなく、左手も操作できることが利点だ。手袋型コントローラーは装着して指を曲げると、ガンダムの対応する指を曲げることができる。動くガンダムの手には片手あたり6つのモーターが搭載されており、多彩な動きが可能だ。

 筆者も後で体験させてもらったが、結構反応もよく、動きも滑らかで楽しかった。実際に体験した子ども達も、皆とても楽しそうであり、皆「面白かった」と語ってくれた。

【【動くガンダム】ガンダムの右手が閉じたり開いたりしている】
【【動くガンダム】手袋型コントローラーでは、指を1本ずつ動かすことができる】
【【動くガンダム】ゲームコントローラーを使えば、左手も動かすことができる】
【【動くガンダム】手首を回すこともできる】
【「動くガンダム」のハンド遠隔操作体験】
この状態でも、ハンドを動かすことはできる
ハンドは、プレステライクなゲームコントローラーまたは手袋型コントローラーで操ることができる
ガンダムの近くに設置されたカメラからの映像
こちらは手袋型コントローラーを装着してハンドを操っているところ
ガンダム右側のGUNDAM-DOCK TOWERに、他のグループの児童が登り、ハンドの動きを間近でチェックしている
ガンダムとハンド操縦者の距離感はこんな感じだ
ハンドを動かした感想などをプリントに書き込んでいた
吉崎氏自作の手袋型コントローラー
いわゆるきつねポーズに挑戦。それらしくなった
GUNDAM-DOCK TOWERの最上階(6階)に別グループの児童が移動

TOWERの5Fと6Fからハンドの動きをチェック

 Aグループは次にGUNDAM-DOCK TOWERへ移動した。TOWERにはエレベーターがあり、5Fと6Fに上ることができる。こちらの担当は石井氏で、5Fに上ると児童達は石井氏の説明を聞き、石井氏からそれぞれストップウォッチを受けとった。このストップウォッチは、ハンドが動く速度を測るためのものだ。ここでの目的は、ロボットが動かしている右手や左手の動きの速度を計測するなど、メンテナンスチェックを行うことだ。ハンドの動きの速度計測も、そのメンテナンスチェックに沿ったものとなる。

 5Fからは、ガンダムの右手がよく見える。すぐそばでガンダムのハンドが動いている様子を見るのもなかなか得がたい体験だ。指が滑らかに開いたり、閉じたりする様子には、力強さを感じた。「動くガンダム」の足は地面に着地しておらず、常に足が浮いた状態になっているのだが、後ろで支えているGUNDAMキャリアとの接続の様子もよく見える。次に6Fに移動した。6Fに移動すると、「動くガンダム」の身長と筆者の視点の高さがほぼ同じになり、ガンダムの後頭部を見下ろすこともできる。

【【動くガンダム】GUNDAM-DOCK TOWER 5Fから見た右手の動き。滑らかに動いていることがよく】
【【動くガンダム】GUNDAM-DOCK TOWER 5Fから見た左手の動き】
【GUNDAM-DOCK TOWER 6Fから見た右手の動き】
【GUNDAM-DOCK TOWERでのハンドの動きなどのチェック】
先ほどハンドの操作体験をしたグループが、GUNDAM-DOCK TOWERに移動
外装が一部外されたガンダムの横を回っていく
奥に見える青い建物に上るためのエレベーターがある
児童に配られたハンド点検シート。ハンドの動きを間近で見ながら、これらの項目をチェックし、シートに書き込む
石井氏からストップウォッチが渡され、ハンドが動く速度を測るように指示された
GUNDAM-DOCK TOWER 5Fからの眺め。ガンダムの右手がよく見える
複雑な手の形を再現できる
こちらはGUNDAM-DOCK TOWER 5Fから見た左手
実は「動くガンダム」の足は地面に着地しておらず、常に足が浮いた状態になっている
腰の部分でGUNDAMキャリアと接続されている
このアカデミーの建物の2階からハンドの操作を行った
GUNDAM-DOCK TOWERの最上階(6F)からの眺め。ガンダムと高さ的にはほぼ並ぶ
「動くガンダム」の後頭部もしっかり見ることができる
GUNDAM-DOCK TOWER 6Fからは、マリンタワーなどがよく見える
外された外装もよく見える

最後は「ACADEMY」で「動くガンダム」の仕組みを理解

 遠隔操作体験とTOWERでのメンテナンスチェック体験が終わったら、最後のプログラムへ移動する。まず、最初に訪れた部屋で、ガンダム40年の歴史やこれまでの歩みなどを解説するビデオが放映された。続いて1Fの「ACADEMY」に行き、「動くガンダム」に使われている技術についての解説や、カワダロボティクスの双腕ロボット「NEXTAGE」のデモなどを見た。ここの「NEXTAGE」は、ガシャポンのプラモデルを自律で組み立てていくデモを行っており、児童達からも「すごい!」という声が次々に上がった。

 その他、減速機のデモやモーション作成用に制作したシミュレーターも展示されており、自由に来場者が操作をお楽しめるようになっていた。「ACADEMY」はちょっとした科学館のような施設であり、ロボット技術に関心がある人におすすめだ。

 今回は、「動くガンダム」がメンテナンス休業中ということもあり、ハンドしか動かせなかったが、7月16日には再び「動くガンダム」の営業が再開する。ガンダムカフェも再開されるとのことで楽しみである。

【【動くガンダム】「NEXTAGE」がガシャポンのガンダムを組み立てるデモ】
【【動くガンダム】見事にガンダムが完成。子ども達からは拍手が】
【「ACADEMY」で「動くガンダム」の仕組みを理解】
秋葉原では閉店した「GUNDAM CAFE」。7月16日から営業再開される
ガンプラなどのお土産品を販売する「THE GUNDAM BASE」
再び最初の部屋に戻って、ガンダム40年の歴史などを学ぶ
2009年にガンダムの実物大立像が完成。400万人が見に来た
2020年に完成した動くガンダムは、材料の見直しなどで10トンものダイエットに成功
人間には関節が260カ所あるが、動くガンダムには24カ所しかない
この建物が司令室。普段はここから動きの指示を出す
続いて1FのACADEMYに移動
カワダロボティクスの双腕ロボ「NEXTAGE」が展示されている
ACADEMY内には、動くガンダムに使われている技術が多数展示されている
腰の回転の動きの再現模型
ガンダムの外装を付けたり外したりできる展示は人気があった
「動くガンダム」の解説パネル。お蔵入りになったアイデアなども紹介されている
ロボット開発関連の年表
「動くガンダム」に使われている減速機の模型
減速機で力を最大1000倍にしている
歴代の1/100ガンダムプラモ。左に行くほど新しい
「動くガンダム」のシミュレーターも体験できる
全員で集合写真を撮って終了