特別企画

ガンプラ「HGUC 1/144 ズゴックE」を夏色塗装!メルト柄マスキングシールでキュートに仕上げる

【HGUC 1/144 ズゴックE】

発売日:2003年8月下旬

価格:1,320円(税込)

全塗装した「HGUC 1/144 ズゴックE」

 今回は「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」より、ズゴックEの作例を紹介します。使用するキットはBANDAI SPIRITSから発売中のプラモデル「HGUC 1/144 ズゴックE」です。7月に入り夏本番ということで、今回はこのジオンの水陸両用モビルスーツをアイスクリームのイメージで涼感あふれるカラーリングに仕上げます。

劇中序盤に登場したジオン水泳部のMS

 今回制作する「HGUC 1/144 ズゴックE」は1989年に発売されたOVA作品「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」に登場する試験用MSです。ジオン公国での統合整備計画の一環で開発された機体でズゴックの地上運用後に発覚した問題点を克服するために開発されました。一年戦争の末期に少数の機体が量産配備されています。

素組みしたガンプラ「HGUC 1/144 ズゴックE」

「HGUC 1/144 ズゴックE」を夏色に全塗装

 今回の作例ではズゴックEを夏をテーマにしたカラーリングへと全塗装していきます。お題はアイスクリーム。下半身をコーンに見立てて、上半身を青と黄色のクリーム風に。青と黄色の境界はメルト柄でクリーム同士が溶け合ったように仕上げます。まずは仮組でキットを組み立ててみました。

仮組を行なったズゴックE。ジオン水泳部の一員だけあってカワイイ見た目をしています。

合わせ目消し&肉抜き穴埋めの加工で完成度アップ

 本キットは2003年に発売されたこともあり合わせ目が数多くみられます。そのため、今回は合わせ目消しを重点的に加工していきます。合わせ目消しを行なうにあたり、一部のパーツは塗装後に取り付けができるよう後ハメ加工も行ないました。

後ハメ加工を行なったダクトパーツ(写真左)。元の状態(写真右)から基部を切り離すことで後ハメが可能となります。

 後ハメ加工が完了したら合わせ目消しを行なっていきます。今回は流し込み接着剤であるクレオスの「Mr.セメントSPB(ブラック)」を使用して合わせ目を消しました。

合わせ目に接着剤を流し込んでいきます。
接着剤が流し終わったらパーツを押さえ、接着剤をはみ出させます。
接着剤が乾燥したら400番のやすりではみ出した接着剤を削り落とします。
合わせ目消しが完了した脚パーツ。この上から塗装を行なえば合わせ目はわからなくなります。

 合わせ目消しが完了したら、次に爪パーツの肉抜き穴を加工します。今回はウェーブのポリパテ「パテ革命 モリモリ」を使用して肉抜き穴を埋めました。

冒頭の写真でも確認できた爪パーツの肉抜き。ポージングをするとどうしても大きな穴が目立つのでパテで埋め立てます。
パレットに取り出した主剤と硬化剤。ポリパテはこの2剤を混ぜて硬化させます。
主剤と硬化剤を混ぜ合わせたポリパテ。作業時は独特な溶剤臭がするので換気しながら作業を行ないましょう。
混ぜ合わせたポリパテを肉抜き穴に入れます。
ポリパテが硬化したらはみ出したパテをやすりで削り落として整形。
穴埋めの完了した爪パーツ。この後塗装を行なえば目立たなくなります。

 ここまででキットの加工は完了です。塗装に入る前に一度パーツを洗浄し、塗装用の持ち手にクランプしていきます。

塗装用持ち手にクランプした各種パーツ。塗装色ごとにパーツを分けておくと塗装する際に便利です。

「メルト柄マスキングシール」で独特なカラーリングを実現

 それでは塗装を行なっていきましょう。今回は夏色塗装ということでアイスクリームをイメージした塗装を行なっていきます。まずはABSが使用されているパーツに「フィニッシャーズ マルチプライマー」を塗布しておきます。これにより溶剤の浸食が原因となる割れを防止していきます。下地を塗布したら全体に下地色として「ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ」を使用して塗装していきます。下地色が塗装完了したら、仕上げ色を重ねていきます。まずはアイスクリームの一段目としてイエローを塗装していきます。イエローには「GSIクレオス Mr.カラー イエロー」を使用していきます。

イエローを塗装した胴体パーツ。今回はこの上からメルト柄を塗装していきます。

 今回の作例ではメルト柄塗装を行なうための専用アイテムであるハイキューパーツの「メルト柄マスキングシール」を使用して塗装を行なっていきます。

プラ板に張り付けたメルト柄マスキングシール。高粘度の液体が垂れたときにできるメルト柄にカットされたマスキングシールで簡単にメルト柄を表現することができます。
マスキングを行なった胴体パーツ。マスキングを行なうだけで簡単にメルト柄を塗装することができます。

 マスキングが完了したらアイスクリームの2段目としてブルーを塗装していきます。ブルーには「ガイアノーツ サイバーフォーミュラカラー コバルト(2)」を使用して塗装していきます。

ブルーの塗装が完了した胴体パーツ。可愛いメルト柄に仕上がりました。

 ここまで塗装が完了したら、後は下半身パーツをアイスクリームのコーンをイメージして「GSIクレオス Mr.カラー タン」で塗装し、爪パーツ等の内部機構には「ガイアノーツ ニュートラルグレーIV」を塗装します。最後の仕上げとしてつや消しトップコートを塗布すれば完成です。

夏をイメージしたカラーでズゴックEを爽やかな佇まいに

 それでは完成したズゴックEを見てみましょう。

【正面】
塗装前
塗装後
【側面】
塗装前
塗装後
【背面】
塗装前
塗装後

メルト柄により、カッコイイMSではなく可愛いMSに仕上がりました。

クローを構えてみました。爪パーツの内側をパテ埋めしたので違和感がなくなっています。
背面のアップ。スラスターをグレーに塗装することでロボットらしさを残すようにしました。
準備運動のポーズをしてみました。夏ということでかっこいいポーズよりもこういった可愛いポーズの方が似合っているかもしれません。

 いかがでしょうか。設定どおりにかっこよく作るのもいいですが、こういった可愛い塗装をしてみるのも楽しいのではないでしょうか。ガンプラは自由に楽しめるものだと思いますのでオリジナル塗装にチャレンジしてみてください。

今回使用した塗料一覧
工程使用塗料
下塗りフィニッシャーズ マルチプライマー
下地色ガイアノーツ サーフェイサーエヴォ
上塗りGSIクレオス Mr.カラー イエロー
上塗りガイアノーツ サイバーフォーミュラカラー コバルトブルー(2)
上塗りGSIクレオス Mr.カラー タン
上塗りガイアノーツ ニュートラルグレーIV
トップコートGSIクレオス Mr.カラーGX スーパークリアーUVカット<つや消し>