特別企画

木製模型の“温かみ”に触れよう! ウッディジョーのワークショップ体験レポート

プラモデルのように簡単に組み立てられる木の模型、家族で楽しめるワークショップ

【ウッディジョー ワークショップ】

2月4日・5日開催

会場:タミヤプラモデルファクトリー新橋店

参加料:1,000円

 ウッディジョーは、同社が設計・販売する木製模型の組み立てを体験するワークショップを、東京新橋のタミヤプラモデルファクトリー新橋店で2月4日・5日の2日間にわたって開催した。木製模型の特徴や楽しさを広く知ってもらうためのワークショップで、昨年12月に静岡で行われたクリスマスフェスタ2022に続く2回目となり、東京では初の開催となった。

 ウッディジョーはホビーショーでもおなじみの木製模型を製作するメーカーだ。かつて模型と言えば木製だったがプラモデルが普及することで木製模型を手がけるメーカーは少なくなった。その中でウッディジョーは木製模型にこだわり続け、素材の選定や切断技術、合板技術などを活用し、誰でも簡単に独特の木製模型を作れるような商品を展開している。ワークショップはウッディジョーならではの手軽で楽しい木製模型をより広いユーザーに知ってもらおうというイベントだ。

 ワークショップは感染症対策のため事前予約制(席に余裕があれば当日受付も可)で、1日3回開催された。今回そのワークショップに実際に参加して、提供された木の模型を作ってきたので、その模様をレポートしていきたい。

ワークショップの会場となったタミヤプラモデルファクトリー新橋店

 会場となったタミヤプラモデルファクトリー新橋店のイベントスペース「モデラーズスクエア」には特設会場が設けられ、工作スペースとともに、同社の新製品「ヨーロッパの街並み」シリーズの完成見本などが展示され、一部販売なども行われていた。

 筆者が取材をした4日の昼の回には7組が参加。親子連れが中心だったが、1人で参加している模型ファンや、他の回にはカップルなどもいたそうで、ウッディジョーのことをあまり知らないという人も含め、幅広い層が参加していた。

普段は主にミニ四駆のサーキットとして使われているモデラーズスクエアの特設会場
新製品の「ヨーロッパの街並み」シリーズ。今回のワークショップも、この商品を広めることを目的に行われた

 当日はウッディジョー社長の常木則男氏とともに、タミヤ会長兼社長の田宮俊作氏も来店。タミヤもかつては木製の模型を生産していて、常木氏は同じ静岡の駿河区に拠点を構える模型メーカーの社長として長く業界に携わる同志だと讃える。今回のワークショップも田宮氏の計らいで会場が用意され、組み立てや着直に必要な道具も提供。田宮氏は今後も同店舗にてウッディジョーの製品展示会なども行っていきたいと話していた。

ウッディジョー社長の常木則男氏(左)とタミヤ会長兼社長の田宮俊作氏(右)

 ワークショップでは「ヨーロッパの街並み ミニ」として小さな家を3つ作れるキットとその台座、鉄道模型などに使われる樹木のストラクチャー、飾り用の追加パーツなども用意され、さらに組み立てのための工具も自由に使えるという至れり尽くせりの内容だ。

樹木や台座などを自由に選んで作ることができた
タミヤの「情景テクスチャーペイント」。塗ることで草原や雪などの表現ができる塗料だ

 提供されたキットには家の本体となる木材と屋根や窓などの飾りになるパーツが入っている。三角形の屋根と四角形の家を接着して家を作って、飾りパーツを自由に接着して作る簡単なものだが、それをもとに自分だけの情景を作っていくのは実に楽しい作業だ。

1組分のキット一式とツール。台座との組み合わせて右上の見本のような情景が作れる
積み木のような感覚で木材を接着する

 付属のパーツは薄い木の板をレーザーカッターで加工していて、プラモデルでいうゲートにあたる「つなぎ」の部分をカッターで切ることで簡単に取り外せる仕組み。パーツは簡素化されているが、「ヨーロッパの街並み」など近年のウッディジョーの製品と仕様は同じだそうで、写真の六角屋根は同シリーズの「ドイツ」の家屋に使われているものと同じだ。

 この加工されたパーツは組み立てやすさも考慮されている。その裏側にコーティング加工が施されていて、これによりパーツの強度を高めているのだ。木には木目があるので、パーツとして薄く小さく切り出すするとその木目に沿って割れてしまうことがあるのだ。会場で使えた切り出し済みのパーツのいくつかはこの加工がされておらず、ピンセットなどを使わずに指で持つと割れてしまうものがあったのだが、キット付属の加工済みパーツは同様の扱いをしても割れることがなかった。

レーザー加工されたパーツは、つなぎの部分を切るだけで取り外せる

 また前述の六角屋根も実によく考えられた設計で、鱗状の互い違いに切り出されたパーツの谷の部分から伸びた線に山の部分の頂点を合わせるように交互に貼っていくことで、綺麗な六角模様の屋根が完成する。会場で作っていた子供達の作品も、見本の作例と変わらないぐらい綺麗な屋根になっていたのがその証明だ。

鱗のような屋根のパーツ。交互に貼るだけで、屋根の模様ができあがる
これを家に貼れば屋根になる

 制作時間の約1時間と少し経過したところで周りを見てみると、来場者の多くがほぼ完成の状態まで組み立てていた。特に子供達は組み立てに迷いがなく、そこに直感とセンスも混ざっているので、完成まで早いうえに個性が光っていたのも印象的だ。

 一方筆者はというと、作業が遅いうえに他と違うものを作ろうと考えてしまい、さらに並行して会場の写真撮影をしていたこともあり、ちょっと中途半端なところでタイムアップとなってしまった。ワークショップで提供されたキットは持ち帰ることができたので、時間があるときにもう少しだけ手を入れてみようと思っている。

作業をする参加者の様子。スタッフの助言も受けられたので来場者の多くがほぼ完成の状態まで組み立てられた
完成させた作品を手にする参加者のみなさん。同じキットでも個性が反映されているのが面白い
筆者が作ったものはこちら。右の家は雪国で見られる片流れ屋根で作ってみた

 ウッディジョーは木製模型のトップブランドで、ホビーショーの展示などでおなじみのハイクオリティなキットを供給しているが、その一方で今回のワークショップで使われたようなビギナー向けのキットも扱っている。同社の母体である常木教材の公式通販サイトからそれらを購入することも可能だ。

 素材が木ということでその味わいは優しく、さらには加工が容易ということもあり、プラモデルなどとはまた違った楽しみを味わえるのがポイントだ。それに触れることができる今回のようなワークショップは今後も定期的に行っていくとのことなので、機会があればぜひ参加してその味わいを体験してみてほしい。