特別企画
人の躍動感を追求する「S.H.Figuarts ボディくん -スポーツ-」レポート。関節を増やしてスポーツの“動き”に対応、デッサンできる実用フィギュア
2023年4月4日 17:15
- 【S.H.Figuarts 15th GALLERY ~PART2~】
- 開催期間:4月4日~5月22日
- 会場:TAMASHII NATIONS STORE TOKYO
秋葉原・TAMASHII NATIONS STORE TOKYOにおいて、4月4日より5月22日まで開催されている展示イベント「S.H.Figuarts 15th GALLERY~PART2~」で、ぜひ見てもらいたいのが、アクションフィギュアの「S.H.Figuarts ボディくん/ボディちゃん -スポーツ-」のコーナーだ。
「ボディくん/ボディちゃん」はその名の通り男女それぞれのフィギュアなのだが、他の展示フィギュアと違い、灰色ののっぺらぼう、服も纏っておらず、そのボディラインは人間の肉体の輪郭そのまま。このシリーズは“デッサン用”として、ユーザーの希望に応えて生まれた商品だという。今回は会場でスタッフに話が聞けたので、「ボディくん/ボディちゃん」ならではの工夫を紹介したい。
サッカー、野球、卓球、それぞれの競技での姿、男女の体のライン、リアルを追求するデッサン用フィギュア
「S.H.Figuarts ボディくん/ボディちゃん」の最初の商品は「ボディくん/ボディちゃん DX SET 」として2016年に発売された。BANDAI SPIRITSはこれまでも“デッサン用のフィギュア”を求めるファンの声を耳にしており、その声に応え、あえてキャラクター性のないのっぺらぼうの男女のフィギュアを発売したのだ。このフィギュアは灰色バージョンと肌色バージョンで発売されたが好評であり、ブラックカラーや、ワイヤーフレームなども発売されている。
さらにこのシリーズは「クリエイターアレンジ」のバージョンも発売される。「ボディくん -宝井理人- Edition」では、漫画家の宝井理人氏がプロデュース。「テンカウント」、「グランネリエ」といった宝井氏の描くキャラクターの繊細でスタイリッシュなキャラクターラインを再現しており、標準のフィギュアとは異なった雰囲気でのポーズを可能としている。
「ボディちゃん -矢吹健太朗- Edition」は「BLACK CAT」、「To LOVEる-とらぶる-」などで柔らかでかわいらしい女の子キャラクターが魅力の漫画家の矢吹健太朗氏がプロデュース。頭部とバストの大きな、シルエットだけでもかわいらしさが伝わってくるフィギュアとなっている。
そして、今回会場に展示されているのは6月に発売される「ボディくん -スポーツ- Edition DX SET」、「ボディちゃん -スポーツ- Edition DX SET 」だ。サッカー、野球、テニス、卓球、フィギュアスケートなど様々なポーズで展示している。
展示しているフィギュアを見ると改めて「人間の動きの複雑さ」を実感できる。例えば野球の投球ポーズも見ても、踏みしめた足、振りかぶる右腕が作る胸へのライン、肩関節の構造、ひねられた腰、開いた股関節など、アクションフィギュアの表現の奥深さを実感させられる。
「-スポーツ- Edition」に関しては、特にスポーツの動きを表現させるため関節の調整なども行っているという。通常の「S.H.Figuarts」の商品と比べ、太ももの横ロールや、おなかの引き出し関節が加えられており、表現はより細かい。シリーズの豪華版である「S.H.Figuarts(真骨彫製法)」を思わせる凝った構造となっている。体には筋肉のモールドも入っており、動いたときに隆起する筋肉のラインも想像できるようになっている。
関節に関しては「制限をかける」ということも考えて設計しているという。フィギュアは自由度だけを追求すると人間とかけ離れたポーズになってしまう。そうならないように一部の関節では曲がりすぎないように造形されているとのこと。人間の体の可動範囲を考えた、自然なポージングを目指しているのだ。
もう1つ「-スポーツ- Edition」の売りは“小物”の数々。約1/12スケールで、ラケットやバット、フィギュアスケートの靴、バレーボール、そしてそのスポーツならではの持ち手が付属しているため、ポーズの幅が大きく広がっている。「このサイズの小物が欲しい」という要望に応えたとのこと。
そして会場初出展となったのが「S.H.Figuartsボディちゃん -スポーツ- (BIRDIE WING Ver.)」。TVアニメ「BIRDIE WING」は女子ゴルフをテーマにした作品。詳細が明らかになるのは今後だが、ゴルフならではの体の動き、アニメのキャラクターを意識したボディバランス、そしてバイザーや各種クラブなどの小物も期待できそうだ。
フィギュアと言えばキャラクターの表現、衣装や印象的なポージング、キャラクターの表情に目が行ってしまうが、改めて人間の構造を見直し、そのポーズの時は体がどう動くかは、興味深いテーマだ。
実際、「S.H.Figuarts」シリーズは進化も大きな注目ポイントだ。両手で武器を構えたり、光線を発射するために胸元で手を組むなど、昔のフィギュアでは難しかったポーズが、昨今の商品ではより自然なシルエットになっている。ボディくんはこれまでの商品での技術があったからこそ生まれた商品であり、この技術がさらにキャラクターフィギュアにフィードバックされていく。今後の進化も楽しみだ。