特別企画

【SHF15】マリオやCCさくら、有野課長など多彩なフィギュア化へと挑戦を続ける「S.H.Figuarts」の歴史を振り返る

15周年の集大成が秋葉原でイベント展示

【S.H.Figuarts 15th GALLERY】

開催期間:[PART1] 2月3日12時~3月31日

[PART2] 4月4日12時~5月22日
会場:TAMASHII NATIONS STORE TOKYO

(東京都千代田区神田花岡町1-1)
入場料:無料

 BANDAI SPIRITSは、秋葉原の「TAMASHII NATIONS STORE TOKYO」にてフィギュアブランド「S.H.Figuarts(エスエイチ フィギュアーツ)」シリーズ誕生15周年を記念したイベント「S.H.Figuarts 15th GALLERY」を2月3日より開催している。

 このイベントは5月22日まで開催される。イベントは4月で大きく展示内容を変えることが告知されており、2月3日から3月31日まで開催される第1部は「特撮・実写キャラクター」のアイテムを展示している。第2部は「アニメ・ゲーム」のキャラクターを中心に4月4日から5月22日までとなる予定だ。入場料は無料。

 展示はこれまでの「S.H.Figuarts」の歴史を振り返る展示に加え、テーマに合わせたアイテムを会場にあふれんばかりに展示している。別稿で新着アイテムを中心に紹介しているので合わせて読んで欲しい。

 「S.H.Figuarts 15th GALLERY」は歴史を振り返るコーナーと、仮面ライダー、ウルトラマン、スターウォーズやアメコミヒーローを扱った「特撮・実写キャラクター」コーナーで構成されている。本稿では「S.H.Figuarts」の歴史や挑戦などを展示したコーナーの写真を中心に、その歴史と挑戦を振り返っていこう。

ヒーロー、美少女、実写……より多彩なキャラクター表現を求めて

 「S.H.Figuarts」が生まれたのは2008年、「S.H.Figuarts 仮面ライダー1号 (仮面ライダー THE NEXT)」。2007年に公開された映画「仮面ライダー THE NEXT」に登場した仮面ライダーを再現したフィギュアだ。

 「仮面ライダー THE NEXT」での仮面ライダーは1971年の特撮「仮面ライダー」のリブート作品であり、コミック版をベースに新たにスタートしていた映画の第2弾であり、現代風にリデザインされたスーツも話題を集めた。フィギュアはその劇中のデザインを細部まで再現、そのリアルな造形に注目された。

【ブランド第1作】
「S.H.Figuarts 仮面ライダー1号 (仮面ライダー THE NEXT)」、2008年発売

 バンダイにおいて“大人向けブランド”として、15歳以上をメインターゲットとしたバンダイコレクターズ事業部が発足したのは2007年、「S.H.Figuarts」はその事業部の方向性提示するブランドとして生まれた。前身となったのはフィギュアに装甲をかぶせヒーローの姿とする「装着変身」となる。

 「装着変身」はフィギュアで変身前の状態、アーマーを取り付けることで変身後の状態を再現できるギミックが大きなセールスポイントだった。しかしアーマー装着を前提としたフィギュアは手足のバランスや、頭の小ささなど、劇中とかけ離れたプロポーションになることが多かった。シリーズの後半はフィギュアとしてもプロポーションを重視した商品もあったが、可動とスタイリングを重視した新たなフィギュアブランドが求められていたのだ。

【装着変身】
前身となる「装着変身 仮面ライダーカブト」は2006年発売。アーマーを変えることで、マスクドフォームと、ライダーフォームを表現

 その後「S.H.Figuarts」はハイクオリティなアクションフィギュアとして、可動、スタイリングを重視して進化していく。コレクターズ事業部では他のアクションフィギュアブランドも展開していたが、次第に「S.H.Figuarts」のブランドに収束していく。特撮の怪獣をモチーフとした「S.H.MonsterArts」、固定ポーズでの造形に特化したフィギュアブランド「フィギュアーツZERO」なども生まれていく。

 「S.H.Figuarts」そのものも様々なターニングポイントがある。「プリキュア」などの美少女キャラクターをモチーフとするのは大きなチャレンジの1つだ。これまでの力強いシルエットでのキャラクターと全く異なる華奢なキャラクターのシルエット、アニメの劇中のかわいらしい表情の追求など、これまでのバンダイでは苦手としていた女性キャラクターの表現も試行錯誤を繰り返しながら進化していく。

【様々な挑戦】
2008年の「S.H.Figuarts 仮面ライダー1号 (仮面ライダー THE NEXT)」と同時発売の「S.H.Figuarts ドモン・カッシュ」。「機動武闘伝Gガンダム」の主人公だ。アニメキャラクターの表現も様々な試行錯誤がある
2014年発売の「S.H.Figuarts 木之本桜」。全く異なる素体を使った美少女キャラクターの表現も追求されていく
実際にフィギュアをのせられる大型アイテム「S.H.Figuarts トライドロン」は、2015年発売
アニメそのままのプロポーションを実現した「S.H.Figuarts 野比のび太」。2014年発売
オブジェクトで世界観を再現した「S.H.Figuarts スーパーマリオ」は2018年発売

 そして2014年「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーカブト ライダーフォーム」が発売される。劇中のキャラクターのプロポーションを参考に、人体の骨格を意識したスタイリングと可動、劇中の雰囲気を再現することを目指した真骨彫製法は、「S.H.Figuarts」の豪華ブランドとして定着していく。

 この造形、キャラクター表現が、さらにそれまでのフィギュア表現の鬼門とされていた“実写キャラクターの表現”へも突破口を開いていく。「デジタル彩色」は従来以上に細かい塗装を立体物に施すことが可能になり、実写キャラクターの再現を実現した。この技術がスーパーマンや、アイアンマンなどアメコミキャラクターへの表現に加え、芸能人のフィギュア化なども可能にしていく。

【真骨彫製法】
「S.H.Figuarts(真骨彫製法)仮面ライダーカブト ライダーフォーム」は2014年に登場
【デジタル彩色】
デジタル彩色は実在の人物を再現することを可能にした。写真は2018年発売の「S.H.Figuarts ゲームセンターCX 有野課長」

 もう1つ「ゲームキャラクター」の表現も「S.H.Figuarts」のラインナップを広げた。リアルさを増したデザインの「ストリートファイター」はもちろん、「スーパーマリオ」、「パックマン」などへも幅を広げていく。「ドラえもん」、「こちら亀有前派出所」といったコミック/アニメキャラクターも劇中のデザインを活かしながらアクションフィギュア化していく。現在では「S.H.Figuarts」は、様々なキャラクターを多彩な手法でフィギュア化するブランドとして多くのファンを獲得している。

【ゲームキャラクター】
「S.H.Figuarts リュウ」と「S.H.Figuarts 春麗」は2017年発売

 「S.H.Figuarts 15th GALLERY」では、こういった「S.H.Figuarts」の歴史を振り返ることができる。フィギュアが乗れる大型アイテム、素体が全く異なる美少女キャラクター、実在の人間の表情をきちんと表現したフィギュアや、特撮の怪獣、塗装での金属風の表現など様々な視点で商品を見ることができ、技術の進歩を実感できる。ぜひ会場でその歴史を振り返ってみよう

【歴史展示】
【仮面ライダー/ウルトラマン】
ウルトラマン、仮面ライダーは別原稿で掘り下げたい
【スターウォーズ/アメコミ】