特別企画
ジャンプからアイマスまで、フィギュアの進化が一挙にわかる! 15周年展示イベント「S.H.Figuarts 15th GALLERY」の見所を総チェック
2023年4月4日 14:29
- 【S.H.Figuarts 15th GALLERY ~PART2~】
- 開催期間:4月4日~5月22日
- 会場:TAMASHII NATIONS STORE TOKYO
BANDAI SPIRITSは、秋葉原・TAMASHII NATIONS STORE TOKYOにおいて、4月4日より5月22日まで「S.H.Figuarts 15th GALLERY~PART2~」を開催している。入場は無料。
本イベントはBANDAI SPIRITSのアクションフィギュアブランド「S.H.Figuarts」の15周年を記念し、歴史を振り返るとともに、目玉となる注目商品を展示している。PART1では特撮ヒーローが中心で、PART2ではアニメ・ゲームキャラクターにフォーカスが当たっている。「ドラゴンボール」、「呪術廻戦」、「地獄楽」といったジャンプキャラクター、「ウマ娘」、「アイドルマスター」といったゲームキャラクター、「セーラームーン」など様々なキャラクターを展示している。
弊誌では速報として目玉アイテムを先行で紹介しているが、本稿では見所を中心に展示全体を紹介していこう。
表情や雰囲気、服のシルエットなどキャラクターの様々な姿をアクションフィギュアで表現
「S.H.Figuarts」は他のフィギュア以上に進化の激しいブランドといえる。様々なキャラクターを表現するため設計を見直し、時にはパーツの一部を交換しキャラクターの身長差を表現したり、衣服によって異なるシルエットを表現するためのパーツを新造したり、キャラクターによって別物のような設計にもなる。
胴着や背広の場合、立ち姿は自然に見えても、腕を曲げたり、膝を曲げると衣服に突然裂け目や継ぎ目ができたように見えてしまい、シルエットが崩れてしまう。このため二重関節にし、前後のパーツのつなぎ目を余裕を持たせることでシルエットの崩れを防いだりする。昨今では様々なメーカーがアクションフィギュアを販売しているが、その進化は試行錯誤であり、様々なメーカーが生み出した技術をそれぞれで学びながら、キャラクター表現を多彩にしている。
「ドラゴンボール」シリーズは技術の進化を強く感じさせるだろう。悟空の体を緩く覆う胴着、アニメのクライマックスを想起させる激しい表情と逆立つ髪。技のスピード感を感じさせるエフェクトパーツなど、様々なポイントで改めて「アニメキャラクターの表現」を感じさせられる。
「NARUTO」、「呪術廻戦」、「チェンソーマン」など従来の技術の活用と、新しい技術を取り入れキャラクター表現の幅を広げている。「SPY×FAMILY」のアーニャの「せいふくばーじょん」の細かい服の表現、アニメそのままの表情の再現などは作り手のこだわりを強く感じさせる。ロイドの袖をまくった服の自然なラインも注目である。
今回参考出展の「地獄楽」の山田浅ェ門佐切は、和服としてのシルエットのまま、膝を深く曲げてそのポーズの可能性をアピールしている。膝部分に大型パーツを使うことで深く膝を曲げながらも自然なシルエットを実現している。表情パーツの再現度も要チェックだ。
「セーラームーン」シリーズはBANDAI SPIRITSの“美少女フィギュアへの挑戦”を語る上で見逃せないモチーフだ。BANDAI SPIRITSは超合金などのロボットフィギュアは得意としていたが、美少女フィギュアはその繊細な表情をどう表現するか新しい技術が必要だった。また、美少女達の繊細な手足、華奢なボディラインを表現しつつ、キャラクターならではのアクションをどのように表現するかも方法が確立されていなかった。
「セーラームーン」は人気の高いコンテンツであり、アニメの美少女キャラクターをどう表現するかに挑戦しがいのあるテーマだったのだろう。特に主人公セーラームーンはいくつものフォームでの商品化が行われている。服の塗装や表情の書き込みなどが商品で異なり、開発者のこだわりが見て取れる。そしてセーラームーンは今回、TAMASHII NATIONS STORE TOKYOの販売商品として「S.H.Figuarts セーラームーン【BEST SELECTION】」が6月より4950円での発売が明らかになった。お店に来ればいつでも購入できる定番商品としての発売となる。人気を集めそうな商品である。
また、「『アイドルマスター』シリーズ×TAMASHII NATIONS」での商品展開も注目だろう。この商品のための特別な衣装に身を包んだフィギュア化となる。会場では等身大のPOPや、実際のコスチュームとしても展示している。ファンにはたまらないコーナーだ。「ウマ娘」のキャラクターデザインやモチーフキャラクターの身長差をきちんと表現していることがわかる展示もうれしい。
このほかにも「S.H.Figuarts」の可能性を広げる「S.H.Figuartsボディくん -スポーツ- 」シリーズの力の入った展示や、新アニメTVアニメ「SYNDUALITY」も要チェックである。こちらは別稿で掘り下げたい。
「S.H.Figuarts 15th GALLERY~PART2~」は改めて開発者の挑戦を実感できるイベントだ。アニメやコミック、ゲームで生き生きと動き、活躍するキャラクターのかっこよさ、かわいらしさをアクションフィギュアでどう表現するか? 固定ポーズのキャラではなく、動かして、いろいろなポーズで楽しんでもらうためにはどういう設計にすればいいか、どの表情を、どんな小道具を選ぶのか、その寝られたアイディア、試行錯誤が垣間見える。是非会場でそのチャレンジスピリッツを感じて欲しい。