特別企画
【FAガール×ヘキサギア】理想のプラモデルを作るミキシングビルドに挑戦!【前編】
2023年4月18日 00:00
スムーズな可動と気になる合わせ目を消してみる
ここからは、より完成度を高めるための合わせ目消しやヤスリがけを紹介していく。
本作例の場合は、外観のブラッシュアップのため大きな変化はない。しかし、「塗装をしてみたい」といった次のステップを踏み出すための準備段階としても合わせ目消しの作業は使えるので参考にしてもらえると幸いだ。
最初にやるのはヤスリがけだ。初歩的なところではランナーから切り離した箇所であるゲート跡を削る。筆者の場合は粗目の400番と細目の800を使用。400番はウェーブのヤスリスティック、800番はゴッドハンドの「神ヤス! スポンジ布ヤスリ」#600~#1000番のセット。最初に400番のヤスリスティックで優しくゲート跡を削る。粗目の番手はよく削れるが表面が粗くなる。そこに「神ヤス!」の800番で表面を整える。塗装をしない場合であれば、ここから1000番、ウェーブの「ヤスリスティック フィニッシュ」などで表面を仕上げるのがオススメだ。
そして、「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」は可動部のクリアリングを行なう。クリアリングは軸穴などをヤスリで軽く削り、可動をスムーズにすることだ。これは一度組んだ時、うまくはまらない箇所や動かしたとき力が必要な個所に行なうのがよい。力を入れて可動させると軸が折れてしまうリスクもあるので、これを軽減する意味でもやって損はない。
ヤスリがけの延長として、クリアパーツのヤスリがけにはタミヤの「コンパウンド」を使用する。「コンパウンド」は研磨材でヤスリがけの仕上げなどで使用する。
クリアパーツもゲート跡が目立つとともにヤスリがけだけでは、ヤスリの跡が目立ってしまう。そこで「コンパウンド」を使用することでヤスリ跡を目立たなくすることができる。なお、「コンパウンド」を使用する際は、1000番以上のヤスリで下準備が必要となる。
タミヤの「コンパウンド」はペーストタイプの研磨材なので、綿棒に適量のせてヤスリがけした箇所を擦っていく。今回は粗目、細目、仕上げ目の順で表面処理を行なった。
次は後ハメ加工を行なう。後ハメ加工は、本来サンドウィッチのようなパーツを挟み込む箇所の接続部を加工して、あとからはめ込むようにすることだ。このメリットは後程説明する合わせ目消しをする際にも役立ち、塗装の際の色分けもしやすくできる。
後ハメ加工は主に「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」で行ない、頭部、胴体、武装に施している。
頭部は後頭部の髪の合わせ目消しのため、顔パーツと首の受け口の側面L字の接続部を切り落とす。後頭部に接続口箇所があるので、安定して固定ができる。
胴体はビキニの側面パーツを加工する。こちらも胴体を合わせ目消しするので、L字になっている部分を切り落としてI字のようにする。これだけでは固定ができないが、ビキニパーツを後程組むので完成時にはしっかりと固定ができる。
武装も刃の通し穴を加工し、はめ込みやすい形に加工する。
次は合わせ目消し。合わせ目消しはパーツの合わせ目を消す作業だ。これをする前に「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」に少し加工を加える。
そうするのは、合わせ目で使用する接着剤が可動部分に付着し動かなくなるリスクを減らすためだ。細いパーツゆえに可動部と密接な部分があり、本キットの場合は肩や肘などが特に接触している。
そこで再び金属ヤスリでパーツの内側部分を削って接触している箇所を離すように加工する。
下準備ができたところで合わせ目消しを行なう。使用するのは速乾性に優れているGSI クレオスの「Mr.セメントSP(スーパーパワー)」。作業はパーツを合わせる際に少し隙間を開ける。そこに「Mr.セメントSP(スーパーパワー)」を流し込む。本商品のキャップ内側が筆先のようになっており、筆先を隙間に合わせることで接着剤が流れ込む仕組みとなっている。
流し込んだら、ぎゅっとパーツを合わせる。流し込んだ接着剤がはみ出すといい。乾燥は筆者の場合、20分ほどかけた。
接着剤が乾いたらヤスリがけの要領で粗目の400番から細目の800番で表面を整える。
「ブイトール」も同様に合わせ目消しを行なう。頭部や手首、武装の鞘などに施す。白の成型色は合わせ目消しからヤスリがけできれいな仕上がりが実感できる。
ヤスリがけ、合わせ目消しが完了したところで再度「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」と「ブイトール」を組み立てた状態を見ていこう。
ブラッシュアップされた外観で一歩理想に近づく
「ブイトール」と「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」を再び見ていこう。
ヤスリがけと合わせ目消しによってブラッシュアップされ、違和感の少ない外観へと変貌を遂げた。パーツの合わせによって起きてしまう隙間がなくなるだけで、遠目から見た時の違和感が小さくなる。
今回はヤスリがけが800番までのため近くで見た際のヤスリ跡が目立っている。しかし、白の成型色や肌色などは近くで見てもヤスリ跡が比較的見つかりにくい。
次はミキシング状態。中核となる「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」は肌の合わせ目が目だたくなり、洗練された印象となっている。
それぞれが持つ個性と自分で設定を盛り込む面白さがミキシングにはある。
素組の状態でも見栄えのあるシルエットにすることができ、表現の幅が一気に広がる。その熱量こそ、プラモデル製作の魅力の一つといえるだろう。
そして、「もっとこうしたい」という思いが更なる躍進に繋がる。次回はここからパーツの追加、塗装したものを紹介するのでお楽しみに。
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