特別企画

【FAガール×ヘキサギア】理想のプラモデルを作るミキシングビルドに挑戦!【前編】

ミキシングへの第一歩とは?

 新学期、新生活シーズンが到来し、多くの方が新しい環境に飛び込むことだろう。まさに挑戦の季節。筆者もこれまでいくつかのレビュー記事を書かせていただいた。

 しかし今回は挑戦企画として、プラモデルのミキシングビルドについて語っていきたい。

 昨今のプラモデル技術は凄まじく素組だけでも満足度の仕上がりとなっている。しかし、ミキシングビルドは既存のキットでは味わえないオンリーワンのプラモデルを作ることができる。

 その形はコンセプトの変更やifの設定を盛り込むなど作り手によって多種多様なプラモデルが生まれる。それは立派な作品といえるだろう。

 本稿では「ミキシングビルドに興味があるけど何から手を付けていいのかわからない」、「どのキットを選べばいいかわからない」など初めてみたい方にもできる部分について解説していく。

想像こそが基点で頂点。ミキシングビルドとは?

 ミキシングビルドは、既存のプラモデルキットを組み合わせたり、あるいはプラ板やパテからパーツを自作して組み合わせ、一つの模型を作り出すことだ。

コトブキヤのプラモデル「ヘキサギア」のユーザー参加型イベント「MISSION 02:魔獣追討」にて公開された「レイブレード・グライフ」。作例担当は糸山 雄大さん

 簡単なところではロボットプラモデルの手足を交換するだけでもミキシングビルドといえ、これが基本の作り方だ。この作業を遂行するためにパーツを削ったり、接合部の共通化など作業工程が難しくなり、そのために道具や技術が必要となってくる。

 とはいえ、ミキシングビルドの原則がわかってもどこから手を付けるべきか?

 今回は筆者の工程を例にしてお伝えしていく。筆者の場合は「このキットをこうしたら面白いお話ができるのでは?」というのが基点として、キットを選んでいる。

プラモデルでドラマを生み出すミキシング

 上記で「このキットをこうしたら面白いお話ができるのでは?」が基点だと記述した。

 その出発点となるのは、もちろんプラモデルである。

 今回選んだのは筆者の心を大きく揺さぶったコトブキヤのオリジナルプラモデルシリーズ「ヘキサギア」より「ブイトール」だ。

ヘキサギア ブイトール

 「ブイトール」は見ての通り、人型のロボットプラモデルである。「ヘキサギア」シリーズでは、ガバナーと呼ばれる搭乗者のプラモデルがあり、それらを乗せるスペースが存在する。「ブイトール」は胴体内部がガバナーを収容できるスペースとなっている。

 さらに柔軟な関節によって骨太なアクションがポーズを取ることができる。巨大な刀「荷電式超大型戦術刀」や射撃武装「HDプラズマキャノン」、腰部にある展開ギミックを備えた「イグジットスライダー」など見栄え抜群の武装も合わさり、触っているだけでも満足度の高いキットとなっている。

 これだけでも傑作なのだが、触っているうちに「もっとカッコよくしたい。面白くしたい」という感情がふつふつと湧いてくる。

 そうなってくると筆者の頭に蓄積されたロボット作品の知識が溢れだすのだが、「果たしてどんなドラマが生まれるのか?」という点で難航した。現状の筆者の技術では限界があり、必然的に使用するキットもコトブキヤ製品に絞られた。ミキシングでは、同じメーカー製品を使用すると作成しやすい。

 コトブキヤの場合、3mm径を主軸とした接続口が同社プラモデルシリーズで多く採用されている。また、「ヘキサギア」シリーズでは六角形型の接続口もあるため同じシリーズになると、さらに組み合わせやすい。

 ヘキサギアの設定からコンセプトを導き出すのも魅力的だが、「もう一声!」という凝り性が待ったをかける。

 と、ふと積みプラの中にあった「フレームアームズ・ガール フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」に目が留まった。本キットはアーマーや武装はほとんどない非常にシンプルな造形となっている。しかし、腰部のパーツや二の腕、太もものリング状のパーツなで拡張性は十分にある。

フレームアームズ・ガール フレズヴェルク Bikini Armor Ver.

 その瞬間、「ロボットバディもの」というアイディアが閃いた。

 このアイディアからドラマ性のある展開が湧き上がった。個々に活躍しつつ、合体してピンチを脱出する王道展開。「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」を中核として「ブイトール」が外装になる。

 「これだ!」と確信を得て、「ブイトール」と「フレズヴェルク Bikini Armor Ver.」のミキシングに踏み切った。

 今回のキット製作で使用した工具はニッパーと金属ヤスリ、スティック布ヤスリ、スポンジヤスリ、接着剤を使用している。また、クリアパーツの研磨用にコンパウンドを使用。

【使用した工具】
左から金属ヤスリセット、片刃ニッパー、両刃ニッパー、デザインナイフ、プラモデル用接着剤
400番のスティックヤスリ、800番、1000番のスポンジ布ヤスリ
コンパウンドは粗目、細目、仕上げ目の3種