特別企画
アニメやゲームのキャラクターを続々とプラモデルに! マックスファクトリーの新ブランド「PLAMATEA」と「PLAMAX」が提示する美少女プラモの未来
2023年8月7日 19:28
- 【2023夏 ホビーメーカー合同展示会】
- 8月3日 開催
- 開催地:秋葉原UDX4階 ギャラリー
- 東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDX 4階
ホビーメーカーによる合同イベント「2023夏 ホビーメーカー合同展示会」が秋葉原UDX4階ギャラリーにて8月3日に開催された。
このイベントで出展されたフィギュアやプラモデルは7月30日に開催された「ワンダーフェスティバル2023夏」に先行出展されたもので、各社の様々な新商品、新しい戦略を見ることができた。本稿ではマックスファクトリーの新しいプラモデルブランド「PLAMATEA(プラマテア)」と、従来の「PLAMAX」シリーズの進化について取り上げたい。
弊誌ではこのほかにもイベントに出展された注目作をピックアップしている。併せて読んで欲しい。
幅広いジャンルのキャラクターをプラモデルに! 「PLAMATEA」
「PLAMATEA」は、マックスファクトリーと、グッドスマイルカンパニーが共同で展開する美少女プラモデルシリーズとなる。「2023夏 ホビーメーカー合同展示会」では「PLAMATEA 初音ミク Happy 16th Birthday Ver.」の1体が展示されていたが、ワンフェスではさらに「PLAMATEA アンジェラ・バルザック」、「PLAMATEA レーシングミク 2023Ver.」、「PLAMATEA 時雨改三」も展示されていた。
マックスファクトリーはこれまであきまん氏のデザインによる「ゴッズオーダー」、Tonny氏との「ギルティプリンセス」といった"美少女プラモデル"を展開している。「PLAMATEA」がこれらと大きく異なるところはクリエイターとコラボして独自の世界観を活かした商品展開ではなく、アニメやゲームなど様々なキャラクターをモチーフとしているところである。
今回発表されたラインナップも、ブラウザゲームの「艦これ」から時雨改三、アニメ「楽園追放」からアンジェラ・バルザックと幅広いモチーフ。が提示されている。「次はどんなキャラクターがプラモデルになるかな?」という期待感こそが「PLAMATEA」の大きな魅力となるとのこと。
そのファンの期待を"保証"するのがマックスファクトリーの高い造型能力と、キャラクターをフィギュア化するノウハウだ。マックスファクトリーはアクションフィギュアブランド「figma」で様々なキャラクターをアクションフィギュアフォーマットで発売している。アンジェラ・バルザックに関しては「igma アンジェラ・バルザック」からのフィードバックもありそうだ。
会場に出展された「PLAMATEA 初音ミク Happy 16th Birthday Ver.」はその期待感を大きく後押ししてくれる。本商品は初音ミク16周年を記念したイラストをプラモデル化したものだが、流れるような髪、細かい意匠、少女らしい細い手足に、イラストならではの味を活かした複雑な楽器型の翼など、固定ポーズのフィギュアに劣らない繊細な造型を実現している。
より細かく見ると関節の分割などでプラモデルらしい工夫が見えてくる。PLAMATEAはよりシンプルな関節設計となっている。上腕の衣装と素肌の部分で回転軸を入れるなどきちんとポーズの自由度を高めるように設計もされている。
顔部分はfigma同様塗装済みのパーツを使い、誰でも組み立てるだけでキャラクターイメージに近い立体物を組み上げられる。また、プラモデルだからこそ、塗装や改修などもしやすく、手を入れられるところも注目ポイントだという。
繰り返すがPLAMATEAは「色々なキャラクターがプラモデルになる」と言うのが大きな魅力だ。そしてそれを支えるのが、「figma」でのキャラクターをアクションフィギュア化するノウハウであり、美少女プラモデルを開発したことで得たプラモデル化のノウハウ、繊細な造型を実現する成型技術なのだ。
現在、「美少女プラモデル」は大きな流行となっているが、オリジナルデザインのキャラクターが多い。「色々なキャラクターがプラモデルになる」という本シリーズのコンセプトは大きな武器となるだろう。PLAMATEAはこれからの注目ブランドとなりそうだ。
細かな色分け、塗装済みパーツでフィギュアさながらの仕上がりに! 「PLAMAX」
マックスファクトリーの「PLAMAX」はプラモデル技術を活かせるプラモデルシリーズとして展開しているが、フィギュアプラモデルとして「エヴァンゲリオン」シリーズは先行販売されているフィギュアをスキャンし、そのデータをプラモデルとして再構成している。
驚くべきはその色分け技術だ。今月発売となる「PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス」は、塗装しなくてもかなりキャラクターイメージに近い形で組み上げられる。カチューシャや首元、腰の青いパーツは青の成型色のランナーで統一。黒い部分も成型色で色分けし、組み立てるだけでしっかりと色分けが行われているのがわかる。
これを実現できているのがマックスファクトリーのパーツ設計と、造型の細かさだ。フィギュア技術の向上、成型技術、設計のノウハウなど、様々なメーカーが切磋琢磨する中でPLAMAXの色分け技術はやはり驚異的だ。
今回出展された「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 綾波レイ」の試作品は塗装されているが、塗装しなくてもイメージに近く組み上げられるという。フィギュアの重要な要素である"顔"に関しては、タンポ印刷による塗装済みのパーツが用意される。昨今フィギュアの価格も上がっているが、「PLAMAX」は自分で組み立てるとことでコストを削減、細かな色分けと、部分的な塗装を施したパーツで、高品質の表現を実現している。
さらに手を加えたければ髪の質感や、プラグスーツのモールド、プラグスーツのつやを出すためのクリアーのスプレーでの塗装などモデラー技術を活かしたアップグレードが可能だろう。さらに「PLAMAX 真希波・マリ・イラストリアス」では白一色の無塗装バージョンも発売された。こだわりのモデラー向けのバージョンも用意されているのだ。
「より多くのキャラクターをプラモデルに!」という動きは、ロボットプラモデル、合金フィギュアでグッドスマイルカンパニーの「メカスマ」ブランドがいち早く提示し、ファンから注目を浴びている。
キャラクターフィギュアやプラモデルは「超合金」など一部のブランド以外だと展開が難しい一面があった。キャラクター商品を販売するにはアニメ制作会社など様々な権利関係をクリアするノウハウが必要であり、商品単体でなくシリーズを支えるユーザーが必要だった。マックスファクトリーとグッドスマイルカンパニーは「figma」、「ねんどろいど」、「モデロイド」などで多彩なキャラクターの商品展開を可能にしてきた。
PLAMATEAは"美少女プラモデル"という新しいジャンルで多彩なキャラクターを展開しようという大きなプロジェクトになる。また、「PLAMAX」も色分けと表現力で固定ポーズの美少女プラモデルのユーザー層を広げようとしている。
これまで立体化されることのなかったキャラクター商品が手にできるかもしれない。大いに期待したいところだ。
(C)カラー