特別企画
ガンプラ「HGCE 1/144 フリーダムガンダム」を大改造。アニメ設定画に寄せるプロポーション変更
2023年10月12日 00:00
- 【HGCE 1/144 フリーダムガンダム】
- 発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:2015年8月8日
- 価格:1,980円(税込)
今回は2024年に劇場版最新作が発表された「機動戦士ガンダムSEED」より物語の中心的MSであるフリーダムガンダムのガンプラ「HGCE 1/144 フリーダムガンダム」の作例を紹介します。C.E.71年にロールアウトされたザフト軍のハイスペックMSを、アニメ設定画やセル画を参考にプロポーションを変更し、全塗装で仕上げます。
ザフト軍が鹵獲したGAT-Xシリーズを基に開発されたMS
今回制作するフリーダムガンダムは、2002年に放送された「機動戦士ガンダムSEED」にて主人公のキラ・ヤマトが物語の後半から搭乗したMSです。劇中において他を圧倒する性能を見せつけた本機は、最終決戦にて大破するものの修理され、続編となる「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の中盤に登場しています。本機は「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」にて撃墜されるも、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズを象徴するMSとなりました。
HG SEEDシリーズをリニューアルしたキット
今回作成するキットは2015年に発売されたキットとなっており、2003年発売の「1/144 HG フリーダムガンダム」からプロポーションや色分けが格段に進化したキットとなっています。本作のリニューアルにより、多色成形による色分け精度の向上、スタイルの現代化、可動域の向上が図られています。また、2003年版では再現されていなかったハイマットフルバーストも再現可能となっています。
「HGCE 1/144 フリーダムガンダム」をアニメ設定画に寄せたプロポーションへ改造
今回はフリーダムガンダムのプロポーション変更に重点を置いて制作していきます。アニメ設定画やセル画を参考とし、理想のバランスを目指します。塗装はアニメ設定に準拠したカラーリングとします。
まずは仮組を行ないます。
仮組が完了した所でプロポーションをどう変更するのか検討してみます。今回はアニメ設定画やセル画を参考に、本キットのスタイリッシュさを残しつつ、アニメの雰囲気を出す方向で検討を行ないました。
顎パーツの延長と頬パーツの成型で違いいた印象に
本キットの頭部パーツはヒロイックな形状にデザインされておりそのままでも十分にかっこいいですが、顎パーツがストンと切り落とされているように感じたため、プラ板による延長を行ないます。また、グレーとなっている頬パーツは厚みがあり、ふっくらとした印象があるため、薄く削りよりイケメンになるように仕上げました。
ハンドパーツの変更でよりリアルな表現に変更
腕は特に改造する必要性を感じなかったのでそのままの形状で行くこととしました。ハンドパーツはオプションパーツに変更することに。今回は「ビルダーズパーツHD-22 1/144 MSハンド03(連邦系・Sサイズ)」を使用しました。本オプションパーツにはビームサーベル等の武器持ち手がないため、ライフルの持ち手を改造して使用しています。
ウイングパーツは先端をシャープ化し、アニメの雰囲気を演出
背部ウイングパーツはサイズ、形状ともに改造の必要はないと思いましたが1点のみ気になる点がありました。ウイングの先端が安全性確保のため、角を落としてあります。この点に関してはプラ板を使用してエッジのシャープ化を行ないます。
プロポーション変更のため、身長アップと各部調整
下半身は今回の作例で特に大改造を行なった箇所になります。仮組状態のキットを見てみると今風のプロポーションに寄せるためか、太ももが短く、脛が長い形状となっています。アニメの設定画を見てみるとキットよりも太ももが長く、脛が短くなっています。設定画に寄せるためには、改脛を短くするか、太ももを長くする必要があります。今回の作例では現代版のスタイリッシュさを維持するために、太ももを延長する方向で改造を行ないます。ただし、太ももを延長するだけではフロントアーマーのサイズが小さく感じるので、併せてフロントアーマーの大型化も行ないました。
これにて改造は完了です。ここで一度キットを組み立てて、全体のバランスに問題がないかを確認します。
この後は塗装のためにパーツを分解しつつモールドの彫り直しとエッジ出しを行なって塗装に入っていきます。
グラデーション塗装にて全体をアニメ設定準拠のカラーリングで仕上げる
ここからは塗装に入っていきます。今回は下地色を吹いた上に仕上げ色を立ち上げてグラデーション塗装を行なっていきます。まずは傷チェックを兼ねてサーフェイサーを塗布していきます。サーフェイサーにはクアトロポルテの「Tipo G. プライマーサーフェイサー[グレータイプ]」を使用していきます。
ここからの各色は全て下地色を塗布し、上から仕上げ色を立ち上げていく方法にて塗装を行なっていきます。そのため、今回はホワイト部分を例に挙げてその塗装方法を紹介します。ホワイト部分の下地色にはクレオスの「Mr.カラー グレーFS26440」を使用しました。今回の下地色はパーツ全体にむらなく塗装を行なっていきます。
下地色の塗装が完了したら、仕上げ色を立ち上げていきます。塗料は通常のベタ塗よりも薄めにしておき、塗装を行なう際は細吹きにて面の中心から外側に向かって色を入れていきます。なおパーツのエッジ部分はあえて塗り残すことで下地色の色を透かしてやります。
以上の工程を全パーツに繰り返し、スミ入れ、トップコートをすれば塗装工程は完了です。
スタイルを筆者好みに変更したフリーダムガンダム
それでは早速完成したフリーダムガンダムを見てみましょう。
いかがでしょうか。今回行なった改造はなかなかにカロリーが高いため、簡単に行なうことは難しいでしょう。しかし出来上がった際の達成感と唯一無二のプロポーションは一度味わってみるのもいいかもしれません。この記事をきっかけにご自身のガンブラを好みのプロポーションに改造してみてはいかがでしょうか。
ニッパー | GSIクレオス Mr.シャープネスニッパー両刃タイプ |
ニッパー | ゴッドハンド アルティメットニッパー5.0 |
ナイフ | タミヤ モデラーズナイフ |
やすり | ピットロード PY09「フィルムスティックやすり 220番」 |
やすり | ピットロード PY07「フィルムスティックやすり 400番」 |
やすり | ゴッドハンド 神ヤス #400 |
やすり | ハセガワ モデリングファイル(精密やすり) |
やすり | ゴッドハンド かまぼこヤスリ 8mm 単目 細目 |
やすり | ゴッドハンド エッジ出しヤスリ 細目 |
接着剤 | クレオス Mr.セメントSPB(ブラック) |
接着剤 | クレオス Mr.セメントSPB(ブラック) |
接着剤 | 造形村 瞬間接着剤 高強度タイプ 「剛着」 |
パテ | ウェーブ パテ革命モリモリ |
パテ | フィニッシャーズ ラッカーパテ |
工程 | 使用塗料 |
下地 | クアトロポルテ Tipo G. プライマーサーフェイサー[ グレータイプ ] |
下地色(ホワイト) | クレオス Mr.カラー グレーFS26440 |
上塗り(ホワイト) | ガイアノーツ Ex-ホワイト |
下地色(ブルー) | ガイアノーツ バーチャロンカラー マーズディープブルー |
上塗り(ブルー) | クレオス Mr.カラー インディブルー |
下地色(レッド) | クレオス Mr.カラー あずき色 |
上塗り(レッド) | クレオス Mr.カラー キャラクターレッド |
下地色(イエロー) | ガイアノーツ ナスカカラー マンダリンイエロー |
上塗り(イエロー) | クレオス Mr.カラーGX キアライエロー |
下地色(ダークブルー) | ガイアノーツ EX-ブラック |
上塗り(ダークブルー) | クレオス Mr.カラー RLM66ブラックグレー |
下地色(グレー) | ガイアノーツ ブルーグレー |
上塗り(グレー) | クレオス Mr.カラー グレーFS26440 |
下地色(関節色) | ガイアノーツ ニュートラルグレーⅤ |
上塗り(関節色) | クレオス Mr.カラー 舞鶴海軍工廠標準色 |
センサー等部分塗装 | タミヤ タミヤエナメル スカイブルー |
レッド等部分塗装 | タミヤ タミヤエナメル レッド |
ブラック部分塗装 | タミヤ タミヤエナメル フラットブラック |
スミ入れ(ホワイト) | タミヤ スミ入れ塗料 ダークグレイ |
スミ入れ(ブルー) | タミヤ スミ入れ塗料 ブラック |
トップコート(光沢) | クレオス Mr.スーパークリアー光沢 |
トップコート(つや消し) | クレオス Mr.スーパークリアーUVカットつや消し |
(C)創通・サンライズ