特別企画

“デュエルターミナル”テーマが今蘇る! 「遊戯王」新パック「TERMINAL WORLD」の最強新規カードのパワーに震えろ……!

【遊戯王OCGデュエルモンスターズ TERMINAL WORLD】

11月25日 発売

価格:
242円(1パック)
3,630円(1ボックス)

 爆アドォォォ!アドえもんです!筆者は普段YouTubeにて「遊戯王」を中心にカードゲーム動画を投稿している愉快でうるさいオジサンだ。

 今回は11月25日に発売を予定している「遊戯王OCGデュエルモンスターズ TERMINAL WORLD(ターミナルワールド)」について紹介していこうと思う! いやァ良いねェ!!!

 あまりにも爺デュエリストを喜ばせる収録内容で筆者も涙が止まらないが、強化されるテーマが古の連中すぎてよくわからないプレーヤーも多いかもしれない。一番最近ストラクチャーデッキで強化された「氷結界」ですら3年前(!?)なことを考えると、「マスターデュエル」から「遊戯王」を始めたプレーヤーはその存在すら知らない可能性もあるだろう。

 今回はそんな人に向けて収録される一部のテーマの歴史と概要に触れつつ、最強新規カードでどんな暴れムーヴが可能になったかなどを紹介したい。どのテーマも昔同じテーマに触れてたプレーヤーが腰を抜かして泡を吹いてしまうレベルに強くなっているので、古のデュエリストもぜひ楽しんでいってくれ!

多くのデュエリストを虜にしたアニメとも異なる世界「ターミナルワールド」とは?

 まずは爺デュエリストの与太話として、今回パックの名前にもなっている「ターミナルワールド」について軽く紹介させてほしい。

 「ターミナルワールド」とは2008年にアミューズメント施設などで稼働を開始した「デュエルターミナル」というアーケードゲームで登場したカード達が活躍していた世界であり、アニメカードやOCGテーマとは毛色の異なる独特のテーマ性や効果、イラストと世界観から多くのデュエリストを虜にしていたのだ。当時は「デュエルターミナル」からしか「ターミナルワールド」に属するテーマカードはほとんど入手できなかったため、希少性の高さも相まってターミナルテーマを駆使するデュエリストはそれだけでクラスの人気者になれるほど価値の高い存在だった。

こちらがアミューズメント施設などに設置されていた「デュエルターミナル」の筐体。1回100円で、出てきたカードは「遊戯王OCG」でも使えるものとなっていた

 カードイラストを通じてストーリーが用意されていたのも魅力の1つとなっており、例として怒涛の展開で当然のように世界が何回か滅びかけたり、親子同士で殺し合いに発展するような黒い展開もあれば、種族を超えた結束の力で巨悪に立ち向かうような熱い王道展開もあったりなど、登場しているテーマカード達が様々なドラマを生み出しているのだ。

 「デュエルターミナル」の稼働が終了した後も同じ世界観でストーリーが続いているようなテーマが登場したり、今回のようなパックが登場する事からもわかる通り、プレーヤーの中で非常に長く愛され続けている世界観なのである。

「マスターデュエル」のソロモードでは一部のターミナルテーマのストーリーが実装されていて、物語を少しだけ見ることができるぞ!

“始祖の竜”顕現! ロック能力と展開能力がついに合致した「氷結界」!

 そんなデュエリストに大人気かつ、ターミナルテーマの中でも最初期から存在し続けているのが「氷結界」だ。「ターミナルワールド」のストーリーではとんでもない力を秘めた龍を開放するかしないかで内輪揉めを続け、最終的には最初の世界がズタボロになる元凶ともなった「氷結界の龍 トリシューラ」の封印を解除してしまった中々にロックな連中である。

 水属性統一テーマの中でも“相手の行動を抑制する”効果を持ったモンスターが非常に多いのが特徴で“封印”というワードに重きを置いていた設定ともマッチしているカードデザインとなっている。ただ「氷結界」のエースモンスターである「氷結界の龍 ブリューナク」をはじめとしたシンクロ3竜が当時最強すぎて様々なデッキで使われていた反面、「氷結界」のメインデッキに入るカードはシンクロ召喚に向いていないロック能力持ちが多かった。そのため、テーマ性とデッキのエースが噛み合っていない極寒の時代が長く続いていたテーマでもあるのだ。

【氷結界の龍 トリシューラ】「氷結界」といえばEXデッキにいるトリシューラやブリューナクの事だと思われてしまうほど昔の氷結界はパワー不足な状態だった
【氷結界の虎将 ライホウ】単体で見るとロック効果で面白いカードは多いが、自前のエースがどのデッキよりも出しずらい状況だったためやや統一感に欠けるデッキだったのだ

 そんな中で3年前の2020年に発売されたストラクチャーデッキ「凍獄の氷結界」の新規カードによって多くの展開カードを獲得。さらに、盤面を一気に荒らしまわる新エース「氷結界の還零龍 トリシューラ」が与えられた事でテーマとしての強さが格段にアップしたのは記憶に新しい。この段階だけでも十分に強かったが、今回さらに強化カードを貰えるという事を考えれば如何にこのテーマが愛されているかが良くわかる。

「氷結界」は投票企画で1位を獲得しストラクチャーデッキが2020年11月に発売された
【氷結界の照魔師】
【氷結界の依巫】ストラクチャーデッキで「氷結界の照魔師」を始めとした展開カードが揃ったことによって、長年出しづらかった「氷結界」のエースシンクロモンスターへのアクセスは非常に良好になった印象だ

 そんなノリに乗っている「氷結界」は今回もとんでもないカードが配られている。

 新たに登場したシンクロモンスターのエース「氷霊山の龍祖 ランセア」は相手のアクションに合わせて自分も「氷結界」を2度までリクルートする能力を持っており、これによって今まで出しづらかった各種モンスターを状況に合わせて呼べるようになったのだ。そしてこの恩恵を強く受けられるのが先述した“ロック効果を持ってるけど展開力の無い”古の氷結界モンスター達なのが何よりも嬉しいところ!

 「氷結界の虎将 ライホウ」等の上級モンスターはロック性能は中々だけど出す方法がないというデカすぎる問題を抱えていた。今回の新規カードによってシンクロ展開さえしていれば、どんな氷結界にもアクセスできるようになるというのは非常に大きい変化なのだ。

【氷霊山の龍祖 ランセア】今までの氷結界シンクロエースたちは盤面を荒らす能力には長けていたが相手ターン中の妨害性能は皆無なのがテーマとしてネックな部分だった。その中でランセアはテーマ内の妨害モンスターとしてのエースポジションを確立させつつ、古のモンスターが持つロック効果を上手く組み込めているデザインとなっているのが上手い作りだ

 さらには新モンスターである「氷結界の剣士 ゲオルギアス」と「氷結界の鏡魔師」が展開モンスターとして破格の性能を秘めており、ストラクチャーに登場していた「氷結界」と組み合わせると不遇時代があったとは思えない程カードパワーの高いテーマだと言える。何より素晴らしいのが今回の新規もストラクチャーデッキに登場したモンスター達も、メインデッキに入るモンスターが展開能力を持っていながらもしっかり何かしらのロック効果を持っているのだ。氷結界としてのテーマ性を忘れてないのである。

 特に新規の「氷結界の剣士 ゲオルギアス」なんかは自分を特殊召喚しながら墓地からも仲間を特殊召喚し「墓地効果を発動させない」というロック能力をオマケで持っているため非常にハチャメチャな性能をしている。一部の墓地利用テーマは勿論、今流行りの「賜炎の咎姫」などもコイツがいるだけで何もかも使えなくなってしまうのである。最強展開力と最強ロック能力の両方を併せ持ったまさに次世代のカードとなっているのだ。

 これまでエースモンスターとデッキの方向性が合致していない問題を始めとした多くの問題を抱えて来た「氷結界」だが、今回の新規によって「展開しながらロックする」という独自性を確立し、やっとテーマとして綺麗に1つに纏まったのではないかと筆者は感じている。

ゲオルギアスなどの次世代氷結界による展開力と、ランセアによる状況に合わせたロックによって現代でも十二分に戦えるテーマへと進化した。ここまで本当に長かったから感慨深い……!

絶対開発者にこのテーマのオタクがいる……! と思わせるほど理解度の高い新規が配られた「霊獣」!

 2つめに紹介したいのが「霊獣」だ。もし仮に"全国動きがややこしいデッキ選手権"があったとしたら、堂々の1位を飾れるほど独特すぎるムーヴが多いテーマとなっている。可愛らしい見た目とそれに反するような鬼のようなプレイ難易度に“良い意味で”脳をやられた決闘者も少なくないだろう。

 従来の「霊獣」を簡単に説明すると、盤面にいる「霊獣使い(乗り手)」と「精霊獣(動物)」を一緒に除外する事で特殊な融合召喚を行ない、メインデッキに入るモンスター全員が持っている「1ターンに1度しか特殊召喚できない」という誓約に注意しながら多彩な展開をするのが特徴となっている。重い誓約の代わりに大体のメインモンスターの効果には同名ターン1がついていなかったり、融合モンスター側にフリーチェーンで除外されている「霊獣」モンスター2体と入れ替わる能力がついていたりなど、独自の強みも多分に存在しているのが面白いポイントとなっている。

 フリーチェーンで使える効果が多数存在していたり、何を特殊召喚して誰にアクセスしてないかを常に意識しながらデッキを動かす必要があるため、回していて非常にやり応えを感じるテーマなのだ。

【聖霊獣騎 カンナホーク】
【霊獣の連契】「聖霊獣騎 カンナホーク」を何回もグルグル特殊召喚することでアドバンテージを稼ぎまくり、最強の妨害罠である「霊獣の連契」をタコ程セットする動きは知っている人も多いのではないだろうか?

 そんな「霊獣」デッキに与えられた新カードがあまりにも的確な効果を持っていて筆者は感動してしまった。わかりやすく強いと言える部分もあるが、全体的にどちらかと言うと痒い所全てに手が届いている感じの能力で気持ちが良いのだ。

 まず「精霊獣使い レラ」は書いてある能力が全て強く他のカードと噛み合っている。除外された際のリクルートは「精霊獣 カンナホーク」や「精霊獣 ラムペンタ」を単体初動へと進化させ、手札から捨てて召喚権を増やす能力は特殊召喚に回数制限のある「霊獣」にとってありがたすぎる能力である。加えて、墓地から自身を除外する事で耐える能力も最終的に展開の中で墓地に戻しやすい+相手ターン中でもリクルート効果を誘発させる事ができる可能性があるといった感じで、本当に無駄になる能力が何もない。“精霊獣使い”という「霊獣使い」にも「精霊獣」としても扱える最強の名前を貰っている点もグッドだ。

【精霊獣使い レラ】見た目だけでなく能力までもとんでも成長したレラ。追加召喚・デッキリクル・耐性付与とこのカード単体でできるようになった事が多すぎて書ききれない!!!

 新エースモンスターである「聖霊獣騎 レイラウタリ」は待望のリンクモンスターで盤面に残せると強い妨害テーマモンスターである。除外されたモンスターを回収して“召喚(ここメッチャ大事)”する能力も持ち、展開のサポートまで行なってくれる手厚さも嬉しい。今までは、テーマ内だけだとどうやっても「霊獣の連契」と「聖霊獣騎 ガイアペライオ」の妨害効果におんぶに抱っこだったので、展開カードでありながら最終盤面に残せるような妨害能力を持つこのカードの存在は本当に大きいのだ。イラストもセフィラ時代に仲良くなったかと思われる“竜星”モンスターと強力していて非常にエモく、新時代の霊獣エースとして文句のないデザインとなっていると言える。

 他にも墓地から自由なカードを除外して融合召喚できる「聖霊獣騎 ノチウドラゴ」や、墓地と除外の質を求められる霊獣デッキで継続的なサーチを行なえるようになった「霊獣の継聖」の2枚の新規カードによって展開力と安定性は格段に上がっている。従来のような「聖霊獣騎 カンナホーク」ループによるアドバンテージを行えながら、今回の新規はその展開ルートに自然に組み込めるようなデザインとなっているのだ。いたる所に「召喚する」って書いてあったり、1枚で爆発的なアドバンテージを生む新カードがある訳ではなく1枚1枚の効果の繋がりで細かくアドバンテージを稼いでいける感じが非常に「霊獣」らしさ全開で素晴らしいと感じた。

【聖霊獣騎 ノチウドラゴ】パッと見た時に書いてある能力のインパクトは他テーマのカードの方が大きいかもしれないが、霊獣の事を知っていれば知っているほど「これ欲しかった~!」と叫んでしまういぶし銀な能力が多い印象だ。使いこなすのは少し難しいが是非チャレンジしてみて欲しい!

残りの2つ「インフェルノイド」と「ジェネクス」もとんでもない暴れカード満載!

 今回は収録されるターミナルテーマの中でも新カードの最強ポイントがわかりづらそうな2つを中心に取り上げたが、残りの「インフェルノイド」と「ジェネクス」も、常軌を逸したとんでもない最強テーマになっている。

 というより残りの2つのテーマの新規カードは書いてあることがド派手過ぎる最強テキストなので筆者の解説が要らないレベルである。一気に墓地をとんでもない量肥やしたり、“無限”に召喚をしたりと派手な効果が満載で、ぜひ自分の目でチェックしてほしい。

「手札抹殺」と「異次元からの埋葬」レベル100みたいな能力が合わさった新魔法カードに加えて、メチャメチャ簡単に出せる融合モンスターに「おろかな埋葬」8回分ぐらいの墓地肥やしができるって書いてある。知っての通りインフェルノイドは墓地が超えると後手からも余裕で捲り返せる無敵のテーマ……にこいつぁ……やべぇぜ!!!
様々なエレメントで戦うというテーマ性がしっかり楽しめつつも、全ての「ジェネクス」が友好カードになるあまりにも良デザインのカード達! 「リペア・ジェネクス・コントローラー」の展開効果にターン1がついてない事で意味わかんないジェネクス達が大活躍できそうだ! 正直ジェネクスだけで1本記事書けるレベルでやっべぇぞ!!!

 このように今まで日の目がそこまで当たらなかったターミナルテーマ達がそれぞれ独自のテーマ性を尖りに尖らせて進化しまくっているのが今回のパックの面白い所だろう。各テーマに必要な古のカードがパックに再録されている事は勿論、一部のカードはイラスト違いで再録されていたりするなど新規プレーヤーにも既存プレーヤーにも嬉しい形でカードが収録されているのも素晴らしい。ぜひこの機会に現代遊戯王パワーを得て蘇ったターミナルテーマを遊んで見てくれ!それではグッッッッ爆アドォォォ!!