特別企画

コスパ最強の100均工具「ダイソー 精密ケガキ針」を使ってみた

タングステン鋼を採用したケガキ針。一工夫で使用感も一般品と遜色なし

【ダイソー 精密ケガキ針】

価格:110円

 ホビー界で密かに話題を集めているダイソーの「精密ケガキ針」。丈夫で耐久力のあるタングステン鋼を採用したケガキ針がたったの110円で購入できるコストパフォーマンスの高さに注目を浴びている。

 ケガキ針とは、プラモデル界隈では筋を掘るための道具として用いられており、凹凸の区切りをはっきりさせるために活用されたり、平らな表面に溝を彫り表情を付けるため用いられる工具である。

 今回ダイソーで販売されているケガキ針が実際にどの程度使えるものなのか、使い心地はどのような感じなのか、気になる人も多いと思うので、軽く使ってみた感想を紹介する。

コストパフォーマンスが高いケガキ針

 今回の「精密ケガキ針」は、標準価格の税込110円で販売している。一般的なケガキ針と比べ、針の部分が極端に短いのが特徴で、芯の太さも一回り程細い仕様となっている。

ダイソー「精密ケガキ針」。キャップが標準で付属するほか、持ち手の部分はプラスチック製となっている。
比較するのはミネシマの「TM-24 ケガキ針」。ミネシマに比べダイソーのケガキ針は細く短い針となっている。

 既存のモールドをスジボリする場合には、使用感は一般品と比べて遜色なく、難なく溝を深くすることができる。仕上がりもミネシマのケガキ針で掘ったパーツと比べて、どちらが100均のケガキ針なのか分からないくらいの出来栄えとなっている。

上がダイソー、下がミネシマのケガキ針で既存のモールドを深くした様子

 ただしダイソーのケガキ針は掘り具合は浅く、深く彫る場合には何度が繰り返す必要があるほか、新規で彫る場合には一般的なケガキ針に比べダイソーのケガキ針はラインの周りが白化し若干荒くなってしまうのが難点となっている。使用方法によって回避できる内容かもしれないが、一般的な手法だと荒さが若干目立つような仕上がりとなる。

上がダイソー、下がミネシマで新規でモールドを彫った様子。遠目から見た場合にはそこまで差を感じることは無い
より細やかに確認してみると、上のダイソーの方は荒さが目立つ

 彫りの荒さに関しては遠くから見た場合には大きな違いを感じることは無いため、既存のモールドに深みを持たせたい場合にはお手軽に使えて良い商品である。

 もし彫りを綺麗に仕上げたい、クオリティアップを図りたい場合にはミネシマのケガキ針のような一般品を別途用意すると良いだろう。

墨入れしてみても大きな違いは無く、モールドに深みを持たせることができる

針を支えるパーツに一工夫で彫跡も綺麗に

 彫りの荒さの原因として、ダイソー製は針を固定する部分が簡易的な構造になっているのが要因と考えられる。プラスチック製のキャップで支えているだけなので、作業中に針がぐらつき、その影響で彫跡に粗が出てしまうのだ。

ダイソーのケガキ針を分解。先端のキャップで固定する簡素な造りとなっている

 針のぐらつきを無くすため針を取りはずし、ピンバイスなどしっかり挟めるもので固定することで、一般品と遜色ないぐらいの仕上がりにすることができる。Xでは固定するものを別の100均商品を活用している例もあるので、色々と探してみてほしい。

ピンバイスにケガキ針から取り外した針を固定する
上段がダイゾーのケガキ針、中段がミネシマのケガキ針、下段がダイソーのケガキ針を改良したものの彫跡だが、上段に比べて下段の仕上がりが綺麗になっている

 ダイソーのケガキ針を使ってみて、そのままでも十分に使える良い商品であると実感した。100均でも一般的なケガキ針の機能を持っており、仕上がりも大きな差が無い。また少し改良することで市販品のケガキ針と遜色ない仕上がりとなる点も良い。

 本製品以外にも100均ではお手軽に使える工具が揃っており、こだわりが無ければコストパフォーマンスの良い商品を取り扱っている。

 お安くお手軽に使える便利な道具が揃っているので、興味があれば100均ショップに足を運んでみてはいかがだろうか。

「精密ケガキ針」と同様に刃にタングステン鋼を採用した「精密デザインナイフ」なども扱っている