特別企画

【無限邂逅メガロマリア】漆黒の武者姿にドレスアップ。作例「プリンシパル/夜香蘭」を作ってみた

【無限邂逅メガロマリア プリンシパル】

開発・発売元:コトブキヤ

2024年2月 発売予定

価格:5,280円

ジャンル:プラモデル

サイズ:全高約160mm

 2月に発売となる「無限邂逅メガロマリア」第1弾「プリンシパル」が発売する。

 弊誌では先行フォトレビューを2023年12月に掲載した。シンプルながら作り込まれた造形と可動と幅広いアクションが楽しめるキットとなっており、動かすほどに発見とポージングの発想を刺激させられた。人間的な体形を表現しつつ、メカの柔軟かつしっかりとした可動機構を備え、軽やかで繊細な動きの表現が可能となっている。

「無限邂逅メガロマリア プリンシパル」

 今回は「プリンシパル」のテストショット(試作品)を使用した作例を紹介していく。

テーマは‟漆黒の武者”。刀と鎧でドレスアップ

 今回の作例は‟漆黒の武者”。名前は「プリンシパル/夜香蘭」。「プリンシパル」の第一印象がくノ一的だったことと可動表現の広さを見て「殺陣のアクションが映えるかも」と考えた。

 刀は「ウェポンユニット47 日本刀2」、鎧は「メカサプライ23 エクスアーマーF(ロボット用)」を使用する。また、「メカサプライ13 ラジエートフィンA」を使用して、メカ的なギミックを盛り込む。

 その他、ジョイントやディテールアップのために「メカサプライ10 ディテールカバーA」も使用。

ウェポンユニット47 日本刀2
メカサプライ23 エクスアーマーF(ロボット用)
メカサプライ13 ラジエートフィンA
メカサプライ10 ディテールカバーA

 これだけでも侍らしいシルエットにできるが、「もう一工夫ほしい」と考えて100円均一ショップの素材、プラ板などを使ってパーツを自作していく。

 カラーリングも「プリンシパル」のライトグレーから黒を基調とした配色で、より攻撃的な印象に仕上げていく。

 使用した道具は追加分のキット作成を含めて、ニッパーやデザインナイフ、ヤスリなどの基本的なものからディテール追加用のスジボリ用ツールや穴あけ用のピンバイスを使用した。

左から「ヤスリスティック400番(SOFT、HARD細型)、800番(HARD4先細型)」、「パテスティック」、「ブラシつき瞬間接着剤」、「極細面相筆」、「デザインナイフ」、「スジボリ用超硬ブレード0.2mm」、「ニッパー2種」、「ピンセット」
「シャーペン 0.5」、「HGワンタッチピンバイスセット1.0/2.0/3.0mm」、「ピンバイスセット 0.5/0.7/1.0mm」、「マスキングテープ」、「スジボリ用ガイドテープ」、「定規」

素体を活かしつつ、武者という個性を盛り込む

 最初に手を付けるのは頭部パーツだ。

 額のアーマーにあるアンテナパーツは後ろ向きに流れているので、こちらを前面に突き出した鬼の角のように加工する。ちょうど反転した状態で固定できれば、前に突き出した形にすることができる。

 しかし、アンテナパーツは主軸となるパーツから左右に伸びる仕様となっているので、こちらを大胆にカットする。

【額のアーマー】
額のアーマーパーツ
アンテナパーツを反転した状態で差し込むと前に突き出た形に
この状態では頭部の軸受けにはまらないので加工
アンテナ部分を軸から切り離し、ヤスリで形を整える

 切り取ったアンテナパーツはこのままでは固定できない。また、隙間も生まれるのでラッカーパテを使用して、パーツの固定と隙間を埋めていく。

 ラッカーパテはペースト状なのでヘラで盛り、整えていく。そして、左右非対称にするため右のアンテナを切る。パテが乾燥してからヤスリで表面を処理。

ラッカーパテで形を作っていく。この状態では表面がデコボコなので400番、800番のヤスリで表面を整える
右のアンテナパーツは切り取り、ヤスリで整え左右非対称に

 次に後頭部にポニーテールを「メカサプライ10 ディテールカバーA」に封入されているスペーサージョイントと100円ショップのウィッグを使って作成。

 ウィッグを必要な長さに切り、スペーサージョイントの軸受けに接着剤で固定するシンプルな作りとなっている。差し込む際は一度ウィッグ側を接着剤で束を固めてからスペーサージョイントと合わせる。プラでは難しい滑らかな雰囲気が出しやすく、またスペーサージョイントを回転させることで表情付けもしやすくなっている。

【ポニーテールパーツ】
スペーサージョイントに100円ショップのウィッグを合わせる。塗装する場合は先にスペーサージョイントを塗装することをオススメする
簡単に髪の毛のような表現ができる

 フェイスパーツは‟口”の造形を加える。シャーペンでラインを描き、その線に沿ってスジボリをしていく。この部分は塗装時にスミ入れをしていく。

【フェイスパーツ】
シャーペンで‟口”を描き込み、これを目印にガイドテープを使いながらスジボリしていく

 手首アーマーには、攻撃的な印象を付けるために両手にパイルを装備させる。パイルパーツはランナーの切れ端を利用し、ヤスリで先端を整える。

【パイル】
手首アーマーのイエローのジョイント部分を外し、ランナーを成形したパイルパーツをはめ込む

 また、右腕には「メカサプライ23 エクスアーマーF(ロボット用)」で大袖型のアーマーを作成し、装着する。

【右腕 大袖】
「メカサプライ23 エクスアーマーF(ロボット用)」で大袖型のアーマーを作成し、肩アーマーの受け軸に差し込む

 腰部分は袴のような幅広のパーツを100円ショップの合成皮革で作成。腰に巻き付け、左右を覆うくらいの長さを測定、腰位置から足先より少しはみ出すくらいの長さに切る。

【腰パーツ】
100円ショップの合成皮革
一度「プリンシパル」の腰に当てて採寸
左右に巻くための2枚の合成皮革を作成

 この腰パーツを固定するために合成皮革の方で先端を折り、ワイヤーを通せる空洞を作る。

 そして、そのワイヤーを前後のパーツにピンバイスで穴をあけてワイヤーを通すことに。

【腰パーツ】
合成皮革に0.5mm径のソフトワイヤー
合成皮革は先端を追って接着剤で固定。ソフトワイヤーを通せるようにする
前面のアーマーパーツに0.5mmのピンバイスで左右に穴をあける
背後のパーツも出っ張り箇所を目印にピンバイスで穴をあける
1本のソフトワイヤーでアーマーの穴、パーツに通して腰をぐるっと回す形に整える

 ソフトワイヤーによる腰パーツの固定はできたが、ソフトワイヤーは動かしすぎると折れてしまうので、ポーズを取っているとふいに折れてしまう可能性が浮上した。

 そこで、アーマーに開ける穴を1mmに拡張し、100円ショップのレース糸(#20太)をソフトワイヤーと交換。

レース糸は質感の表現に加えて、結びやすい
レース糸でぐるっと輪を作る形に。(画像はパーツ塗装が済んだものとなっています)

 縁部分はプラ板を使用して鎧的な造形を加える。そして、「メカサプライ10 ディテールカバーA」に封入されているディテールカバーを使用して、ディテールアップ。

プラ板は目盛付きの厚さ0.8mmを使用
シャーペンと定規で形を描き、デザインナイフで切り取る
切り取ったパーツは2枚ずつ合わせて側面をヤスリで整える
合成皮革の縁をプラ板で挟み込み、接着剤で接着する。浮き上がってしまった部分はラッカーパテで埋め、ヤスリで整える
プラ板がしっかり接着したところでピンバイスで3mmの穴をあけ、ディテールカバーをはめ込む

 背面には「メカサプライ13 ラジエートフィンA」のラジエートフィン〈小〉を2個使用する。これをT字型のランナーの切り出しで連結させ、腰に装着できるようにする。

 ラジエートフィン〈小〉にある軸部分は切り取り、ヤスリで表面を整える

【ラジエートフィン】
ラジエートフィン〈小〉を2つ使用。軸部分は切り取る
軸を切り取ったことで整った外観に
T時に切り出したランナーをラジエートフィン〈小〉側面にある軸受けで連結

 最後に「ウェポンユニット47 日本刀2」を組み立て。こちらのキットは長さが調節可能なベルトパーツによって、刀を携行することができる。メカのハードポイントにマウントするのとは異なる人間が刀を下げている雰囲気が表現できる。

【日本刀】
「ウェポンユニット47 日本刀2」は「プリンシパル」の胴体に下げる形に

 これらのパーツを合わせた仮組状態を見てみよう。腰のパーツによってボリュームのある見た目となり、日本刀やアーマーによって武士らしい姿に変貌した。

【仮組状態】

 次のページから塗装について解説していく。