特別企画

ルール改定目前! 「ウォーハンマーAoS」をいま始めて特製コインを受け取らないか?

【ウォーハンマーストア「ドーンブリンガー征戦」】

開催期間:6月30日まで

 ミニチュアゲーム「ウォーハンマー」シリーズを遊んだことはあるだろうか。ミニチュアゲームでなくても、「Total War:WARHAMMER」シリーズや「VERMINTIDE」など、Steamで販売されているゲームを目にしたことがあるかもしれない。

 今回は「ウォーハンマー」シリーズの中でも中世ファンタジーをイメージした「ウォーハンマー:エイジ・オヴ・シグマー」(ウォーハンマーAoS)を題材に、全国のウォーハンマーストア(直営店)で開催しているキャンペーン「ドーンブリンガー征戦」に皆さんを導く。これを達成することで、「コイン・マレウス」という「ウォーハンマーAoS」に登場するアイテムを模したコインがもらえるのだ。

キャンペーン達成でもらえる「コイン・マレウス」。専用の巾着付きだ

 キャンペーンの進行に必要なのは「ミニチュアを作り、塗る」、「ゲームを実際に遊ぶ」こと。まだ遊んだことのない友達を連れて一緒に始めてもいい。今回は筆者が実際にミニチュアを塗り、ゲームを遊んだ風景とともに「ウォーハンマーAoS」の楽しさを伝えていきたい。

戦列歩兵「プレーグベアラー」を塗装したもの。小さな10体のミニチュアを塗り上げるのは少々大変だが、まとまりが出て非常にカッコいい
筆者は今回使用したミニチュアを全て組み立て、黒いスプレーを吹いて塗装している
実際に対戦する姿を後ろから撮影したもの。大平原に立つ姿を実際に撮影でき、ミニチュアたちの目線で観測したりして戦う

 筆者はこれまでスペースオペラ的世界観の「ウォーハンマー40K」をメインに遊んでいたが、このキャンペーンを機に本格的に「ウォーハンマーAoS」を始めた。というのも、今夏ルールの大幅な改定が予定されており、その前準備として「ドーンブリンガー征戦」が行なわれているからだ。筆者は現在のルールをたっぷり遊んでおくことで、新しいルールとの差分を楽しもう! と考えた。

「ドーンブリンガー征戦」ってどんなキャンペーン?

 キャンペーンとしての「ドーンブリンガー征戦」は、現行ルール(3版)のコアとなる「ウォーハンマーAoS」世界で繰り広げられている壮大な開拓と戦いの物語をモデルとしている。このストーリーでは、「ウォーハンマーAoS」の世界で8つに分かれた領域のそれぞれで様々な種族が入り乱れる戦いが起き、それをモデルとした専用のミニチュアセットも販売された。

 その物語になぞらえて、各ウォーハンマーストアが「都市の建設」を目指して義勇軍を召集する。これに対して「都市の破壊」を目指す破壊者たちが集い、どちらが目的を達するかを競うのが「ドーンブリンガー征戦」キャンペーンだ。

 キャンペーンの参加者は「召集カード」を受け取る。このカードには大まかに「ミニチュアを作って塗る」、「ゲームを遊ぶ」、「友達を誘う」の3種のミッションが設定されており、これをクリアすると個人用のポイントがもらえる。18ポイントを獲得すると都市の建設/破壊の目標を達成したとして、所属するストアにストア用のポイントが記録される。このストアのポイントの合計によって、最終的に勝利する勢力が決定される。

筆者の召集カード。5月1日現在、18ポイント中8ポイントを集めている

 個人ポイントを18ポイントためると「コイン・マレウス」がもらえるのだが、筆者はこれが欲しいのが第2目標で、「好きな軍のミニチュアをいっぱい塗って遊べる機会を得られる」というのが第1目標だ。

 個人ポイントはヴァンガードの完成で6ポイント、特殊ゲームの完遂で2ポイントの他は全て1ポイントで、項目が多めだ。友達と一緒に遊ぶ項目は全て2ポイントと獲得しやすいので、これを機に2人3人と一緒に始めるのがいい。今のうちに現行ルールを知っておけば、新しいルールになってもルールの把握が簡単になるだろう。

キャンペーン参加に必要なものは?

 キャンペーン参加に必要なものは「ミニチュア」、「筆」、「塗料」そして「ルールブック」となる。ただ、ゲームを遊ばず「ウォーハンマー」を遊んだことのない友達と参加するならルールブックは必要ない。とにかくミニチュアを作って思い思いに塗り、友達と楽しむ。これが重要だ。

 筆者が今回「ウォーハンマーAoS」を本格的に始めるにあたって、まず「マゴットキン・オヴ・ナーグル」の構築済みスターターキット「ヴァンガード」(現在は「スピアヘッド」という名前。18,700円)を購入した。ヴァンガードはミニチュアを集めるのに最適な構成で、さらに単品で全てを購入するより1万円程度安く購入できるためおすすめだ。ただこれだと「ミニチュアを作って塗る」項目の1項目しか埋まらないので、単品で戦列歩兵「プレーグベアラー」(5,500円)、たくさん配置して壁になる「ナーグリング」(5,000円)、突撃させるための騎兵として「ビースト・オヴ・ナーグル」(7,000円)、魔術を使って敵味方に大きな影響を及ぼす魔術師「ロットブリンガー・ソーサラー」(4,400円)を購入した。

 この他にもミュージシャンの魔神「スロッピティ・バイルパイパー」(5,000円)、戦列歩兵を指揮する「ロード・オヴ・プレーグ」(2,600円)と「ロード・オヴ・ブライト」(4,400円)を購入した。これでミニチュアを作る項目の「ベヒモス」と「アーティラリー」の項目以外は全て埋まる。

左から「ロード・オヴ・ブライト」、「ロード・オヴ・プレーグ」、「スロッピティ・バイルパイパー」、「ロットブリンガー・ソーサラー」。どれも単品で売っているもので、強力なパワーを持っている

 これに加えて、「アーティラリー」の項目を達成するために仲間の勢力「スケイヴン」から投石機「プレーグクロウ」が欲しかったが、折しもルール改定の際に目玉の勢力になってしまったため単品では売り切れており、「スケイヴン」のヴァンガード(18,700円)を買った。また背景設定をしっかり読み込みたかったのと、ゲームをしっかり遊びたかったので基本ルールと世界観を詰め込んだ「コアブック」(9,400円)、設定資料集である「バトルトーム」(7,000円)を購入。これでゲームを遊ぶ項目もクリアできる。

 筆者は購入していないが、ゲームだけを遊ぶなら「コアブック」の代わりに「ジェネラルズ・ハンドブック」(7,000円)を購入するという手もある。これは毎年刊行されるシーズンもののルールブックで、その年に応じた特徴あるゲームを遊べる。

 ミニチュアは塗装も必要なので、これを機に欲しかった色と筆をたっぷり買った。ウォーハンマーストアでは10本のシタデルカラーを買うと最も高価な1本が無料となるキャンペーンを常時実施しているので、これが10本で5,400円ほど。筆はこれ以前に実施していた「Carat3」という展示会で、フリージア・エンタープライズ製「ペイントテイマー」を3本ほど購入した(合計3,600円ほど)。このとき買った筆は毛先のまとまりも、塗料含みも、コントロールしやすさも最高なので重用している。

当時購入したシタデルカラー。「マゴットキン・オヴ・ナーグル」の内臓や表皮を塗る以外にも、「スケイヴン」の毛皮や皮膚を塗るためにいろいろな色を購入した
ヴァンガードでしか手に入らないヒーロー「スポイルポクス・スクリヴナー」を塗った姿。プラモデルとして組み、スプレーを吹き、15色くらいのカラーで塗っている

 こんなに買った理由はいくつかあるが、何より「前からミニチュアの造形が好きで好きで仕方なかった」から。「マゴットキン・オヴ・ナーグル」は疫病をつかさどる神のしもべたちが主役だが、その内臓がまろび出たり疱瘡で膨れていたりするのに、陽気に笑っている姿がたまらなく可愛らしいのだ。これが「ウォーハンマー」を始めた頃から気になっていたため、うっかり買いすぎた。「AoS」にはこの他にも特徴的なヒーローがたくさんいるので、ぜひ公式ECサイトやウォーハンマーストアをチェックしてほしい。

 ちなみにミニチュアはほとんどがプラモデルなので、ニッパーやデザインナイフに加えてパーティングラインを消したいならキサゲナイフなどもあるとうれしい。筆者はコトブキヤとゴッドハンドのコラボ製品「コトブキニッパー」(4,180円)、タミヤ製「モデラーズナイフPRO」(1,980円)、ウェーブ「HGキサゲナイフ」(1,738円)を使用している。どれも1度使うと手放せなくなる工具だ。

「ウォーハンマーAoS」の製品は基本的にプラモデルだ。古いものだと説明書が難解なこともあるが、今回作ったキットは全て簡単な説明書で済んでいた
組み立てたらサーフェイサーであるスプレーを吹いて、塗る準備をする
「プレーグベアラー」のうちの1体を塗ったもの。地面に泥(オプションで草)を置くことで、完全な「完成」となる。必要に応じてベースのふちを塗ってもいい
ヴァンガードのうちの「パスゴイル・ブライトロード」を塗った姿。目を宝石のように塗り込んだり、翅を混色で仕上げたりと実験的な項目が多かった
「スケイヴン」のカタパルト「プレーグクロウ」。3匹のネズミが運用する投石機で、疫病のもとを投げつける
「ビースト・オヴ・ナーグル」を塗ったもの。濃い色で下地を作り、中間色→明るい色→ハイライトと引き上げていく
疱瘡で膨れた人間「ピュートリッド・ブライトキング」。肌色をライトグリーン、パープルのフィルタリングで凶悪な疫病を体に溜め込んでいるイメージ

 ミニチュアの塗装は立体塗り絵のようなもので、造形に合わせて筆を押しつけたり、滑らせるだけだ。「これはトゲっぽいから鉄色に塗ろう」、「目は攻撃色だから赤くしよう」など、「マゴットキン・オヴ・ナーグル」は比較的配色が自由なので頭をひねりながら楽しめた。

 筆者の配色はウォーハンマーストアで教えてもらった「濃い色から始め、ハイライトへ持っていく」という配色例を参考にしている。一例として「プレーグベアラー」などの緑色でいえば「キャステラン・グリーン」で下地を作り、「デスガード・グリーン」が中間色。特に光が当たっている部分は「ナーグリング・グリーン」で仕上げ、肉が詰まっている部分や谷になっている部分は「コエリア・グリーンシェード」で深緑を足している。

 もちろんキチッとした配色を考えて楽しむ勢力もいる。「ストームキャスト・エターナル」や「ファイアスレイヤー」などがその例といえそうだ。これらは「バトルトーム」に大まかな配色例が掲載されており、ぜひそちらを確認してほしい。ただ最終的に近似色で塗られていればいいので、金色を作るために「リトリビューター・アーマー」1色を使ってもいいし、「ストームホスト・シルバー」の上に黄色のフィルタリングカラー「イヤンデン・イエロー」を塗ることも歓迎されている。

ゲームを遊んでみよう

 ミニチュアを組み立てて、スプレーができたくらいでいい。Xでハッシュタグ「ウォーハンマー」「AoS対戦募集」を付加して、所属する店舗で「750ポイントで遊びたい」、「1000ポイントで遊びたい」などと投稿しよう。ウォーハンマーストアを拠点とするユーザーは多く、また優しく外交的な紳士淑女が多いので親しみやすい。

 ゲームを遊ぶのであれば、先述した「コアブック」もしくは「ジェネラルズ・ハンドブック」と「バトルトーム」に加え、インチメジャー(公式から買うと1,430円)、6面ダイス20個程度(1,730円)、ダメージカウンター用に10面ダイスやメモ帳などが必要になる。「マゴットキン・オヴ・ナーグル」は多めな体力と専用のポイント管理も相まって、10面ダイス10個、12面ダイス3個、6面ダイス40個程度を使用している。

 「ポイント」の内容は、ウォーハンマー公式ページから日本語版の「ピッチバトル・プロフィール」をダウンロードして確認する。ヴァンガードであればおおむね600ポイント程度で、それに戦列歩兵1ユニットを足したくらいが750ポイントとなる。ただポイントが少ないとユニット1つあたりの価値が大きく上がり、一方的な戦いになりやすい。可能であれば1000ポイント以上の戦いをおすすめする。

 実際に1000ポイントで6戦したところ、ミニチュアをどう動かすか、取り囲んで戦うか……といった考えることが非常に多い! 頭がチリチリするほど考えて出した一手がうまくハマった瞬間が心地よく、ダイスを使用して戦うため、ダイスの目が大きく出たときも面白い。逆に1の目を大量に出した瞬間は笑いの種になるので、また面白い。

初めて遊んだ1戦。このときはまだ黒いスプレー状態のユニットばかりで、軍隊の動かし方もよく分かっていなかった
相手の「オールク」たち。きれいに彩られている

 「ウォーハンマーAoS」の戦いは剣と弓が主力だった時代の野戦に近い。そのため接近戦がメインで、接近戦を楽しむための隊列の維持や攻撃順の管理、どうやって騎兵にあたるユニットを突撃させて戦列を破壊するか、遠距離攻撃はどこへ撃つか、といったことを考える必要がある。

 これらの用兵術は、確かにファンタジーな兵士たちが並ぶが、史実における古代の戦略、戦術を参考にするとよい。ゲームであれば「Total War」シリーズを遊んでみるとよく分かるし、「用兵思想史入門」などの書籍も参考になるという。この点は銃器がメインの「ウォーハンマー40K」と異なり、学習のハードルがかなり下がっていると感じる。

「スポイルポクス・スクリヴナー」は部下の「プレーグベアラー」に攻撃を勘定することを命令し、強化する力を持っている。これは攻撃回数を増やして何度も攻撃している姿
このときの相手の方に様々なことを教えてもらった。「AoS」における基本的な兵士の扱い方や、ゲーム中で使えるスキルのタイミングといった基礎的なことまで
これは2回目の戦い。ナーグルと同じ「渾沌の大同盟」に所属する「スレイヴ・トゥ・ダークネス」のモンスターが大量に並ぶ相手で、「怪物的蹂躙」という特殊能力に翻弄される姿
「ディーモンプリンス」という強力な魔神が並ぶ。面白いほど攻撃が通らない
ナーグルも負けてはいない。自身が持つ疫病の力でモンスターを倒す
これは上記のお相手との2戦目。戦列を狭く厚く形成し、お互いに総力戦となる
激しい殴り合いと病魔に苛まれる魔神たち。両者のユニットがバッタバッタと倒れていく
魔神が倒れ、別の怪物に変えられてしまった

 「ウォーハンマー」はプラモデルであり、ボードゲームでもある。個人的にはプラモデルとして組み立て、塗った時点で100%満足していて、ゲームとして遊び始めると150%楽しめる、といった印象だ。手先を使う作業なので頭を使うし、ゲームをしようとすると他の人との関わりが強くなるため、社交性も鍛えられる。ゲームはせっかく自分と一緒に遊ぼうと集まってくれた人たちなのだから、楽しく遊びたいと思う。

 というわけでいかがだろう、皆さんも「ウォーハンマーAoS」、遊んではみないか?筆者は「ウォーハンマー」シリーズに身を投じて以来最大の深さでハマっていて、新ルールも全力で遊ぶつもりだ。

別のお相手との1戦。大量のゾンビが腐乱した魔神に襲い掛かる、ある種シュールな一幕
このとき「ウォーハンマー40K」で最悪に仲が悪い2勢力のダイスを使った
お互いにプレイミスがあり、相手の仲間を回復するユニットに襲い掛かる「パスゴイル・ブライトロード」
また別のお相手と2戦。1戦目は真っ正面からぶつかり合い、こちらが行う儀式を相手が妨害するもの
相手は爬虫類の種族「セラフォン」。噛みつき攻撃や星の力を得た武器がかなり強く、防御力も高い
2戦目は相手の監視塔を占領するミッション。こちらの移動力が低いので対応に時間がかかる
こちらの火力源だったユニットが相手の槍兵に囲まれ、動けなくなる
こちらのスキルで召喚した「ナーグリング」が大物に対する壁になる