特別企画

【ドローン空撮】ドローン「DJI Mini 2 SE」で海に浮かぶ崩れゆく小島を撮影! 対岸からは見えない“裏側”をドローンで見てみよう!

【夫婦岩(通称)】
場所:千葉県いすみ市岬町和泉

 空飛ぶカメラ「空撮ドローン」は人間の根源的な願い「空を飛びたい」という夢を叶えてくれるツールだ。鳥のように飛び上がり、その独特の視点から世界を見る。ドローンほど手軽に、空の散歩を楽しめるツールはないだろう。

 千葉県東部、九十九里浜から南の「津々ヶ浦」には海の上に浮かぶ"夫婦岩"という小島がある。昔から隠れた景勝地として地元の人に愛されていた。しかし、その島は波に削られ「いずれはなくなってしまう」運命にある。しかも2024年の千葉県東沖の地震で崩落し、大きな島側の右側が崩落しずいぶん小さくなってしまった。島がなくなってしまうという「いずれ来るかもしれない未来」が現実的になってしまった。

 自由に空を飛び映像を記録できる「空撮ドローン」ならば、現在の島の姿を記録し島を残すことができる。しかも普段見ることができる岸側だけでなく、沖側からの姿も撮影できるのだ。徒歩では行くことができない島の頂上だって撮影できるのだ。今回、筆者のドローン「DJI Mini 2 SE」で島を撮り、ドローンで空を飛ぶ楽しさ、空撮の可能性を紹介したい。

今回も筆者のドローン「DJI Mini 2 SE」で撮影を行った
津々ヶ浦の夫婦岩が見れる場所は地元では知られた名所だ。周囲には別荘も多い。この写真は2012年に撮影した筆者が持っている夫婦岩の一番古い姿だ
2019年の夫婦岩。冒頭に紹介した状況から、この頃すでに砂浜からは島に行くのが難しくなっている
そこから2022年。こちらは引いたアングルなので、右側に小さな岩が見えるだろう。この2つで「夫婦岩」なのだ
今回、2026年3月での夫婦岩の姿。びっくりするほど形が変わってしまった。他の写真と比べると左側半分がごっそりなくなっているのがわかるだろう。左のもう1つの島のように見えるのは、崩れた島の残った部分なのだ。今では右側の島とで3つの島があるようにも見える

 島を撮影するため、海岸を管理しているいすみ市の水産商工観光課の観光・誘客推進班に連絡を取り、撮影の許可をいただいた。撮影する場所を地図で指定し、企画書を提出して許可を取り、人が少ない平日の朝に撮影した。海に浮かぶ小島をぐるりと撮影、さらに島に迫ってみた。とにかくまずドローンの撮影映像を見てほしい。そこから動画のポイント、撮影に使ったドローンを紹介していこう。

【ドローン「DJI Mini 2 SE」で、千葉県いすみ市の「津々ヶ浦の夫婦岩」を空撮! 島の裏側を撮影】

ドローンを使えば、島の裏側から接近した映像まで、しっかりとその姿を撮影できる!

 早速映像のポイントを紹介していきたい。ぜひ動画を見ながら読んでほしい。タイムテーブルを入れたので目安にしていただきたい

冒頭~2分、島に近づき、時計回りに

 まずは陸地から島に近づいてみる。早朝で海から日が昇ってまだ1時間くらいのため、太陽の位置が低く、岸から島に向かう景色は逆光になってしまった。空撮ドローンのカメラでは島は黒いシルエットとして映ってしまっている。

黒く映し出される島。岸から離陸し近づいていく
岸側にカメラを向ける。島の端まで100mほどだ。現在砂浜はほとんどなく、2024年から立ち入りには許可が必要になった。筆者は白い車があるあたりから操縦している

 島の北側、時計回りにドローンを移動させていく。しばらくすると筆者が見たかった、「海側からの夫婦岩」が映し出される。ついに岸が正面に映るアングルとなる。そこから南側へ移動、北側は九十九里浜だが、崖の出っ張りで見えない。

夫婦岩の沖側からの映像。筆者が子供の頃から見たかった、40年以上の願いが叶った瞬間だ
小島全体を映し出すため、引いた視点での撮影。完全に岸側から反対方向だ。奥に緑のビルが見えるが、津々ヶ浦周辺は知る人ぞ知る観光スポットで、カラフルな建物や、貸別荘などが建っている
島を北側に捉える。北には九十九里浜が広がっているが、崖に隠れる形になる。

2分~3分 島に近づき、ディテールを楽しむ

 2分1秒からは島に近づく視点に。島に植物が生えている景色が楽しい。この島は海鳥が羽を休める場所で、映像でも何羽もの鳥が島にいるのが確認できる。さらに近づいた上でドローンを沖側に動かすと崩落しむき出しになった壁面が映し出される。この切り立った場所でも海鳥が羽を休めている。

 かつて大きかった夫婦岩は道が作られ砂浜から岩の頂上近くまで登ることができたという。崩落して小さくなってしまった夫婦岩の上部はびっしりと植物に覆われその痕跡も発見できない。今や鳥たちの格好の羽を休める場所となっている。巣などもあるかもしれない。

島に近づく。左上の木のてっぺんに鳥が止まっているのが確認できる
島の上は背の低い樹木がびっしりと生えている。
沖側は崩落し粘土質の壁面に。垂直に近い角度だが、ここにも海鳥がいるのが確認できる

3分15秒~5分 反時計回りで島を回る

 3分15秒当たりから今度は反時計回りに島を回っていく。画面の左下側、島の下に穴が空いているのがわかるだろう。これは地盤の弱いところが浸食され穴が開いたものだと思うが、ひょっとしたら島に人が上陸して遊べたときに洞窟が掘られた名残かもしれない

こんどは反時計回りで島を撮影。左下側に島に穴が開いているのが確認できる
島の南側から引いた視点で。この視点だと島の基部が見え、かなりの部分が崩落し消失しているのがわかる。この前の地震だけでなく、長年波に削られどんどん小さくなっているのが改めてわかる

5分20秒~6分 夫婦岩のもう1つを撮影

 5分20秒からは、「夫婦岩」のもう1つの島を撮影している。こちらはもうかなり小さくなっている。撮影中もずっと激しい波に洗われているのが確認できる。

小島の南側にある、夫婦岩のもう片方。こちらはすでに非常に小さい。波に洗われさらに削られているのがわかる

6分20秒~アングルを変えて撮影

 最後はドローンの高度を上げて、カメラを下に向けて小島を見下ろしてみた。DJI Mini 2 SEは飛行中カメラの角度を変更できる。この機能を使って、ドローンの下に広がる景色を撮影した。正面とはひと味違う映像が撮影できた。

カメラの角度を動かし、島を見下ろすアングルへ。視点を変えると印象が変わる

 ドローンは本当に「空を飛ぶ」という夢を叶えてくれるホビーだ。消えゆく海の上の小島、それを空中から撮影することができる。島に砕ける白波の迫力の映像を撮影できたのはドローンだからこそだ。今回ドローンの魅力をまた一段深く知ることができたと思う。ドローンを飛ばす楽しさ、空撮する楽しさは多くの人に体験してほしい。

初心者にオススメのドローン「DJI Mini 2 SE」

 今回筆者が使用したドローンはDJIの小型ドローン「DJI Mini 2 SE」だ。このドローンは「価格の安さ」、「機体は小さいが安定して飛行できる」というわかりやすい特徴で人気が高く、ドローン入門機としてぴったりの機体だ。

【DJI Mini 2 紹介映像】

 「DJI Mini 2 SE」は送信機「DJI RC-N1」をスマートフォンに接続し、このスマホのWi-Fi機能でドローンと通信することで、ドローンのカメラが写す映像がスマホの画面に映る。スマホでの通信だが郊外ならば理論値では伝送距離は6kmを超える。

 このため岸から100mを超える夫婦岩の撮影もしっかり行うことができた。風もない晴天だったため夫婦岩の姿を様々なアングルから撮影できた。ドローンを操作し、「こういう角度はどうだろう?」、「こんどはこう撮ってみよう」と思って操作するのはとても楽しかった。

「DJI Mini 2 SE」の送信機「DJI RC-N1」はスマホの機能を活用する
こちらは後継機の「DJI Mini 4K」。「2 SE」と変わらない飛行性能に加え、4K撮影が可能だ。これから買うならこちらがオススメ

 改めて動画でわかることも多い。島の基盤となっている黒い部分は島の上部と異なり波に洗われても浸食の少ないかなり固い岩のようだ。岸から見て右側にある小さな岩は今にも消えてしまいそうだが、ずっと残っているのはこの固い地盤でできているためだろう。他にも海鳥が切り立った崖で羽を休めていたり、島の下側はかなりえぐられているなど、島に近づけたからこそ、反対側を見られたからこそ様々な情報が得られた。ドローンで撮影するのは、新しい視点と、いくつもの気づきをくれる。空撮ドローンでの撮影の面白さを実感できた。

 ただ一方で、今回島の反対側にドローンを向かわせたため、距離として100m強までドローンを飛ばしたが、筆者の小型ドローン「DJI Mini 2 SE」では豆粒のようになってしまい、しかも逆光だったため、機体を見失いそうになった。もし、ドローンを見ずに操作する場合「目視外飛行」になってしまう。目視外飛行を行うには国土交通省に許可を取らなくてはいけないのだ。「DJI Mini 2 SE」そのものは数km先の撮影も可能とする能力があるが、この機体で安定して目視内撮影を行えるのは、50m位の距離が向いていると感じた。

空中に飛び上がり、海の上も自由自在! 皆の夢を叶えるドローン

 「自由に空を飛びたい」という夢を持っている人は多いのではないか? しかし現実ではアニメやドラマのようにスイッと空中に浮かび上がり、空を飛ぶことはできない。ドローンならば空中に浮かび上がり、空を移動できる。島の裏側、崖の壁面、島の頂上、現実では行くことができない場所をカメラを通じてみることができる。

 離陸操作をするだけで空中に静止する。2つのスティックで前後進、空中を上昇、下降する。ドローンは手軽に空を飛ぶことができるホビーだ。波の高い海の上を飛行し、大きな島に空から近づき、撮影する。筆者が波に洗われる島の迫力の姿を撮ることができたのは、ドローンだからだ。

 ドローンの操作は初心者でもわかりやすく、自由に空を飛べる。ルールを守れば誰でも楽しく空が飛べる。ぜひドローンを手に取って空撮に挑戦してほしい。「空を飛び、そこからの風景を楽しむ」という体験を多くの人にしてほしい。