特別企画

正しい知識を得て、ルールを守ってドローンで大空を飛ぼう!

DJI JAPAN政策ディレクターが語るドローンを飛ばすための注意点

 「鳥のように地上数十メートルの空を自由自在に飛び回りたい」。ドローンはそんな夢を叶えてくれる機械だ。RC飛行機のような滑走路も、RCヘリのような高価なハードや操縦技術が必要なく手軽に"空の散歩"が楽しむことができる。

 しかしその手軽さが思わぬ事件や事故に繋がりドローンを含む"無人航空機"は法律による規制を受けることになった。現在では「ドローンをどう飛ばして良いかわからない」、「ドローンは飛ばすルールが複雑そうで手が出せない」という感じで、ドローンに対してハードルが高くなっている現状があると思う。

 ドローンは無限の可能性を持ったホビーである。鳥のような視点で空を飛びその景色を撮影する「空撮」だけでなく、機体を自由自在に空を飛ばせるだけでも楽しい。ドローンに関する法律や規制を正しく理解し、安全に飛ばす方法を学べればとても楽しいホビードローンの世界が広がっているはずだ。その世界を紹介したい。今回の企画はその想いが原動力だ。

 ドローンを飛ばすために正しい知識を得るにはどうすれば良いか? ドローンを楽しむにはどういったことに注意が必要か? 今回、こういった疑問について、優れたドローンを多数開発しているDJIの日本支社(DJI JAPAN)を訪問し、普及のための活動や日本政府との調整を行っている標準化兼政策ディレクターの浦野靖弘氏に話を聞き、実践してみた。

今回お話を聞いたDJI JAPANの標準化兼政策ディレクター・浦野靖弘氏
今回、筆者はDJIのドローン「DJI Mini 2 SE」を購入した。今回学んだことを実践し、安全に飛ばしてみたい

 今回は「浦野氏のインタビュー」と「実践してのドローン飛行」の2部構成となる。まずは浦野氏に「ドローンを飛ばすために注意すること」と「何故ドローンは厳格な安全基準が求められるか」を聞いた。そこから「ルールを守ってドローンを飛ばすことで見ることができた世界」を紹介していきたい。

ドローンは国土交通省だけでなく、警察からも規制を受ける存在

――まず最初に浦野さんのお仕事、DJIでの役割をお教え下さい。

浦野氏:私の「標準化兼政策ディレクター」という役割は政策面の仕事が大きく、ドローンは様々な法規制があり、国土交通省や警察などとコミュニケーションをとり、弊社の製品で必要な対応を行っていくという役割を担っています。

 例としては「リモートID」があります。リモートIDは、ドローンの機体情報を電波で遠隔発信する装置で、機体重量が100g以上のドローンを国土交通省に登録する際に必須の装置となっており、このリモートIDにより、国は登録されたドローンがどのように飛んでいるかを把握することが可能になります。

 このリモートID機能を弊社製のドローンに搭載するためには、日本政府が決めた仕様に準拠する装置を製品に組み込む必要があります。この組み込みを行うために中国本社の政策部や開発部に説明する、といった業務も私が担当することになります。ドローンは国ごとにルールが異なるので、そういった各国のルールを把握し、本社へ説明する私たちのようなローカルの政策業務も重要となってきます。

――日本の法規制と言うことで、これは国土交通省が定めた法律、ということでしょうか?

浦野氏:実はドローンの規制には複数の省庁が関わっています。まず、ドローンは空を飛ぶ機械なので、「航空法」が適用されるのですが、ドローンは当初、航空法の適用対象となっていない存在でした。きっかけは2015年、首相官邸の屋上に放射性物質を搭載した小型のドローンが落下した事件が起きたことで、ドローンに対する法規制を求める声が高まりました。その結果、ドローンは航空法で「無人航空機」と定義され、規制の対象にすることが決まりました。こうしてドローンの飛行許可・承認制度が始まったのです。

ドローンは2015年に無人航空機として定義され、規制の対象となった

 一方で注意して欲しいのは、ドローンは「無人航空機」として国土交通省が所管する航空法の対象になるだけではなく、「小型無人機」として警察庁が所管する「小型無人機等飛行禁止法」という別の法律の規制も受ける存在であるということです。航空法の対象になるのは「100g以上の機体」ですが、小型無人機等飛行禁止法ではこういったドローンの重量に関する条件はありません。つまり、100g未満の玩具としての小型ホビードローンでも規制対象になります。あくまで、「重要施設や飛行場周辺、飛行禁止区域での運用」といった範囲での話ですが、ホビードローンでも対象になるので、注意が必要となります。

 このため、この小型無人機等飛行禁止法の対象施設に該当する場合には、航空法での飛行許可に加えて、対象施設の管理者などの同意を得なければいけません。もちろんホビーユースの方は重要施設などでは飛ばさないと思いますが、注意は必要です。また、ドローンが飛んでいるというのは知らない人にとって不安になる場合もあります。練習を頻繁にするような場合、あらかじめ飛行場所を管轄する警察署や交番に行って、「ドローンを飛ばします」と通知しておくことは有効です。

 まとめると、ドローンは国土交通省の「航空法」だけでなく、警察の法律の規制も受けかねない存在だ、ということは認識しておいてください。

――こう言った法律に抵触してしまうと、罰則を受けるのでしょうか? 罰則にはどのようなものがあるのでしょうか。

浦野氏:罰則はあります。どの法律の規定に違反したか、というところで程度は違いますが、「罰金10万円」といった違反金を支払ったり、前科がつく場合もあります。このためドローンを飛ばす場合は、正しい知識を学び、法律に違反しないように注意が必要です。

 以前は法規制がなかったのでドローンを自由に飛ばせましたが、今はルールがあります。このため、何に対して規制されているのか、どういったルールを守らなければいけないのかをきちんと学び理解した上で、ドローンを楽しんで欲しいと思っています。

――本格的なホビードローン、つまり航空法の規制を受ける100g以上のドローンを購入し、飛ばす場合、どういったことをやらなければいけないでしょうか?

浦野氏:まず、一番最初にやることは国にドローンの所有者情報と、機体情報を登録することです。

 ドローンを購入して一番最初にやらなければいけないことは「DIPS(ドローン情報基盤システム)」でのアカウント作成と、ドローンの登録です。使用者の個人情報を登録した上で、ドローンの機体登録が必要となります。「あなたはどのドローンを使っていますか?」ということを明確にします。登録には登録料が必要で、機体ごとに登録します。登録することで機体に「登録記号」が割り振られます。これは有人の航空機と類似のもので、アルファベットのJUから始まる「JU○○○」といった形になります。

・「DIPS(ドローン情報基盤システム)」のページ

100g以上のドローンを飛ばすには、DIPSへの登録が義務となる。登録番号はリモートIDと紐付けられ、どこで誰がドローンを飛ばしているか把握されることとなる

 割り振られた登録記号は機体の表面にきちんとわかるところに表示しなければなりません。万一ドローンが事故を起こしたとき、表示されている登録記号を元に所有者を照合することが可能です。小さいドローンだと貼り付ける場所などが難しい場合がありますが、これは義務となります。もし制御不能になって墜落してしまい、見失った場合でも、この番号で戻ってくることがあるので、必ず登録記号を機体に明示してください。

 そしてドローンには「リモートIDの紐付け」が必須となります。これは機体の登録記号や位置情報などを電波として外へ発信する装置で、国が「どこでどのドローンを運用しているか」を把握できる仕組みです。DJIの製品にはリモートIDが内蔵されていますが、古いドローンなどはこのシステムがないので、別途リモートIDを発する装置を搭載しなくてはいけません。

 DJI製品の場合、リモートIDは送信機で機体を制御する際の「DJI Fly」などのアプリを通じて、国交省のDIPSと連携し、機体のリモートID装置に登録記号を書き込むことができます。弊社製品に限らず、現在日本で販売されているリモートID機能が搭載されているドローンは、基本的に国交省のシステムと連携できるようになっています。

――ドローンを飛ばすために保険の加入も推奨されていると聞いています。

浦野氏:DJIの製品を新品で購入すると、無償の付帯保険が用意されており、三井住友海上系のドローン専門の保険会社「エアロエントリー」の保険に加入でき、購入者が申し込めば、1年間、対人対物の賠償責任保険が受けられます。ドローンが何らかの被害を与えた場合、保険で補填できます。現在は推奨なので、義務ではありませんが、保険に入っておけば安心な部分はあります。

 保険だけでなく、国への登録といったところも含め、今やドローンは自家用車と同じ感覚で考えていただく方が良いと思います。中古販売や譲渡の場合、機体の登録を適切に変更しなければいけません。例えば中古販売の場合は、前の所有者が販売業者へ譲渡するために登録変更し、その後、新しい所有者に業者が譲渡するために登録変更するという中古車のような手順が必要となりますが、ドローンはそういった手順がきちんと守られているか、といった問題も起きています。中古品の購入、登録には注意が必要です。

ドローンを飛ばすための注意事項

――ドローンを購入し、国土交通省への登録が済んだ次は、いよいよ実際に飛行ということになりますが、どういったところで飛行できるかを教えてください。

浦野氏:航空法は、基本的には飛行機やヘリコプターなど人を乗せて飛ぶことができる有人航空機の安全を確保することを主な目的として作られていて、無人航空機は、それ自身の安全確保とともに、有人航空機の安全運航に支障を来さないよう飛行させる必要があります。

 まず、航空法が定める「無人航空機の飛行の許可が必要となる空域」として、

・上空150m以上の空域
・空港周辺の上空
・人口集中地区の上空

 といった場所では許可なくドローンを飛ばすことはできません。このほか、特殊なものとして「緊急用務区域」があります。これは、山火事などの災害があったとき、有人のヘリコプターによる消火活動等を安全に実施するために緊急で指定されるので、事前に飛行の許可を取っていても、突然飛行できなくなる場合があります。

 そのため、最低限、飛行の前日などに緊急用務区域が指定されていないかを航空局のホームページで確認する必要があります。このほかにも「人又は物件からの距離が30m未満は飛行禁止」など、原則禁止されている飛行の方法が幾つかあります。

「無人航空機の飛行の許可が必要となる空域」の対象はかなり広い
飛行禁止区域はアプリでも確認できる。画像は「ドローンフライトナビ」の画面。赤が人口集中地区、緑の円が空港だ。筆者が住んでいる千葉の東南部は飛行禁止地域外が多い

――お話を聞いていると、ドローンを飛ばす場所はないのではないか? と思ってしまいますね。

浦野氏:「飛行可能な地域」はどこかと言えば、飛行禁止区域の対象外で、「土地の所有者や管理者の許可を得た地域」です。飛行禁止地域外の私有地、例えば自宅の上や、所有者の許可を得た場所、田んぼや畑などでその所有者から許可を得て飛ばすことは可能です。

 公園や河川、海岸などでもその場所の管理者から許可を得られれば可能な場合があります。条例などで禁止されていない場所であることを確認した上で、管理事務所などに問い合わせ、許可を得れば飛ばすことができます。

 許可を得た私有地の場合、基本的には建物があったりしても上空を飛ばすことが可能です。しかし気をつけなければならないのは、「電柱」と「電線」です。これらにドローンがぶつかると周辺が停電するような事故になりかねない。こういった障害物がないか、事前に確認が必要で、さらに消防や警察、許可を得た自治体の電話番号など、緊急の連絡先はすぐわかるように事前にリスト化してください。

 ほかにもドローンを練習する場所としては「屋内」もお勧めです。体育館など広い屋内施設を借りることができれば、屋内は航空法の適用外なので、登録していない機体なども飛ばすことができます。全くの初心者が初めてドローンに触る、といった場合は屋内は有用な練習場所と言えます。

――個人で公共の体育館をドローンの練習のために借りるということも可能なのですね。

浦野氏:各施設や自治体の管理者の考え方で変わってくると思います。自治体レベルでの温度差は大きいかもしれません。特に都心部ではドローンと言うだけでセンシティブな反応が返ってくる場合もあるかもしれません。場所によっては個人使用で体育館を使うというのも可能だと思います。いずれにせよ、まずは飛行場所を管轄する自治体や施設の管理者にきちんと連絡を取って確認してみる、というのが大事です。

 このほか、飛行可能な地域の知識や手続きのためのノウハウを持つ事業者が、ドローンを飛ばしたい希望者に代わって飛行に必要な手続きを行ってくれるサービスも出てきています。もちろん、料金はかかりますが、こういったサービスを活用するのも有用だと思います。

ドローンは「免許」ではなく「許可制」で飛ばせる自由度が上がる

――ドローンスクールの話が出ましたが、ドローンを飛ばすためにスクールに通って免許を取得する必要があるのでしょうか?

浦野氏:「無人航空機操縦者技能証明」という国が認定する資格制度は存在し、これを取得することで飛行許可・承認手続きにおける操縦者の要件確認が一部簡略化されます。この資格を取るための講習を実施することを国に認められたドローンスクール、すなわち「登録講習機関」は今増えています。

 一方でこういったスクールが増えてきたことで「ドローンを飛ばすためには免許が必要」といった誤解をしてしまう雰囲気が出てきていますが、決してそういうことではありません。「ドローンの免許」という言い回しが散見されますが、技能証明は「免許」ではなく「資格」です。この資格には二つの等級があり、免許に近い意味を持つのが、第三者上空を目視外で飛行させる、すなわち「レベル4飛行」を行うための操縦者の要件として必須となる「一等」の技能証明です。

 一方、「二等」の技能証明を保有している場合には、先に説明しました原則飛行禁止の場所や方法で飛行させる際に一部のパターンで飛行許可・承認の申請を免除されるメリットがありますが、このメリットを受けるためには、操縦者本人の技能証明だけではなく、飛ばす機体も「機体認証」を受けていなくてはいけません。

 このように、技能証明はそれ単体では今のところ大きなメリットがなく、持っていなくても飛行許可・承認が得られれば原則飛行禁止の場所・方法でも飛ばせるという状況です。ただし、例えば業務目的でドローンを飛行させる場合には、事業者の能力や信頼性を示す指標の一つとして有効となり得る資格だと思います。しかしながら、国としては技能証明は「資格」であり、「免許」ではないと説明しています。あくまでも、「この人はこれだけのドローン操縦技能がある」ということを証明する資格なのです。

・「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」

基礎として学びやすい「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」

・「無人航空機の飛行の安全に関する教則」

国交相が無料で公開している「無人航空機の飛行の安全に関する教則」。ドローンスクールはこの教則をわかりやすく学べるものだが、独学で資格取得を目指すことも可能

 先程お話した二等の技能証明を持っていると、機体認証を受けたドローンを飛行させる場合に、「人口集中地区での飛行」、「人又は物件との距離が30m未満での飛行」、「夜間飛行」、「目視外飛行」という4種類の飛行場所・方法について、許可承認の申請が不要となります。

 国交省はしっかりとした教本も出しており、資格を得るために必要な知識は独学で学ぶこともできます。ドローンスクールでは、資格習得に求められる知識や技能を国が定めた基準に基づくカリキュラムでしっかり学び、準備をすることができます。ただ、講習を受ける場合は費用が高いです。全くの初心者の場合、二等の技能証明を得るために講習を受けると、資格を取得するまでに総額で数十万円の費用がかかります。

 一方、先ほどお話ししたドローンの「機体認証」については、メーカーが「型式認証」を取った業務用の非常に高価なドローンだけが受けられる現状となっていて、ユーザーが技能証明を取得してもその技能証明のメリットを最大限に活かすドローンの入手が難しいです。

 「機体認証」では設計や製造過程などメーカーだけが持っているデータを提出しなくてはいけないため、メーカーが型式認証を受けていないと、メーカーにとっての機密情報となるこうしたデータをユーザーが提出できるはずもなく、機体認証を取得することはできません。業務用のドローンでは、型式認証を受けた機体は幾つか販売されていますが、未だその数は少ないです。弊社としては、DJIファンの皆様のご要望に応えられるよう、一般用・業務用のドローンについて型式認証への対応を検討しております。

――お話を聞いていると、法律での規制がかなり強く、ホビーユースのドローンでなぜここまで規制が多いのか、と思う部分があります。

浦野氏:実際のところ、現状は"整備しすぎている"という印象を受けるところもあると思います。気軽にドローンを飛ばすためにはクリアする条件が厳しすぎるところがあります。ドローンは新しい楽しさを提供する機器であり、業界的には本来、どういったことが良くてどうしてはいけないかを段階を追って少しずつ決めていくべきだったのではないかと思います。

 まさに有人航空機の世界では業界の発展と共に段階を追って規制が整備されてきました。最初は自由に飛べて、事故などの経験から安全性を求められ法整備がなされてきた。その成熟された有人航空機の規制の枠組みをある程度参考にして、ドローンの規制を作ってしまったところがあります。

 ですが私は個人的に現在のドローンに関する法体系は"最終形"として非常にしっかりしていて、理想的だと思っています。1つ1つ経験を重ねて法整備が進めば最後にはこのような規制の枠組みになる、そういった完成度の高い法令になっています。しかしながら、時間をかけて発展してきた有人航空機の世界と違い、元々ラジコンのようなホビーユースから急速に発展してきたドローン業界・ユーザーにとっては、いきなりこのような理想形を提示されても、なかなか追いつくことはできません。

 そのような状況の中で、ユーザーさんにとって「どこで飛ばせば良いかわからない」、「飛ばそうとすると法律を犯しそうで怖い」と思ってしまう傾向は改善していかなければなりませんが、まず大事なのは「自分が手にしているのは航空機で、自分はパイロットなのだ」ということをしっかり認識して欲しいと思います。

 ドローンは玩具のようなものもありますが、どんな種類・大きさでも元来危険性のあるものです。飛ぶときは大きな音も出るし、回転しているプロペラに触れるのは危険です。また落ちたら事故になりかねない。飛ばしている人がそのリスクを負っている、そういう自覚をきちんと持って安全に配慮して飛ばして欲しいと思っています。

――ドローンを飛ばす上で学びやすい資料はあるのでしょうか?

浦野氏:国土交通省が公開している「無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン」がお勧めです。ここには基本的なルールが書かれています。さらに先程も例に挙げた「無人航空機の飛行の安全に関する教則」があります。この教則は技能証明を得るための教科書で、ドローンスクールの座学はまさにこの教則の内容をベースにカリキュラムが作られています。教則そのものは無料で公開されているので、読むことで正しい知識を得られると思います。内容的には航空法に限らず、一通りの規制やドローンの基本的な技術に関する知識も学べます。ボリュームはありますが、ルール全般を知ることができるので読んで欲しいです。

浦野氏は国土交通省 航空局や海事局に所属した経歴を持つ、安全対策におけるエキスパートと言える人物だ

――最後にこれからドローンを飛ばしたいという人に向けてメッセージを。

浦野氏:色々ルールは厳しくなってきていますが、ちゃんとルールを理解し、正しい知識を学ぶことでドローンを楽しく飛行させることができます。なかなか難しい面もありますが、正しい知識を身につければ、飛行機や空中でしか見ることができない美しい景色をドローンのカメラを通じて見ることができますし、何よりもドローンを飛ばすこと自体が楽しいです。

 是非正しい知識を身につけ、安全な飛行への理解を深めて、楽しくドローンを飛ばしてください。

――ありがとうございました。


 話を聞くことで、ドローンというのは従来のホビーユースのRCカーなどとは異なる、立派な"航空機"として扱われており、だからこそ厳格な法律が適用されていることがわかった。国土交通省だけではなく、警察への配慮が必要ということもしっかり学べたと思う。

 一方で、厳格に決められたからこその許可制度と、商業使用目的での情報の複雑化もある。知識がない状態でドローンを飛ばし事故になってしまったら、ドローン業界そのものの大きなダメージになるということもあり、「ドローンは自由に飛ばせない」という雰囲気が確かにある。

 次ページでこれらの決まりを守った上で、飛行可能な地域、筆者の自宅と両親が管理する土地の上をドローンを飛ばしてみたい。ドローンから見る世界は美しく、ドローンを飛ばすことは楽しい。ぜひドローンの知識を深め、ドローン空撮の世界に飛び込んで欲しい。