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【エアガン施設探訪】航空支援あり!ロールプレイ楽しい軍事基地型フィールド「サバゲーパラダイス」特殊定例会
2025年3月11日 12:00
- 【サバゲーパラダイス】
- 場所:千葉県山武市大木470-1
- 営業日時:8時~17時50分(定例会)
- アクセス:
- JR総武本線「八街駅」から車で10分
- 東関道 佐倉インターから車で28分、酒々井インターから車で35分
- 圏央道 山武成東インターから車で9分
- 通常定例会参加料金:通常料金 4,000円(午後割 3,000円)
- 特殊定例会参加料金:通常料金 5,000円(午後割 4,000円)
- 貸切料金:メインフィールド 平日10名40,000円~/土日祝50名200,000円~
- タクトレ料金:5名15,000円~
- 夜戦貸切料金:メインフィールド・タクトレ 10名30,000円~
自衛隊車両や戦闘機、墜落機や沈没船など数多くのオブジェクトが設置され、森林と軍事基地をモチーフにした野外サバイバルゲームフィールドが「サバゲーパラダイス(通称、サバパラ)」だ。
ライバルフィールドがひしめく千葉県に2021年9月にオープンし、参加者からの評価が高く、リピーターも多いのが特徴。今回はそんな多数のサバゲーマーからの支持を集める“何か”を探るべく、筆者が実際に参加した「サバゲーパラダイス」の“特殊定例会”の様子をレポートしていく。
事前予約で無料送迎。最寄り駅はJR総武本線「八街駅」
「サバゲーパラダイス」に電車で向かう場合、公式ページから事前に予約することでJR総武本線「八街駅」から車で無料送迎してもらえる。
車で向かう場合は、東関道の「佐倉インター」から車で28分、「酒々井インター」から車で35分、圏央道の「山武成東インター」から車で9分となっている。
参加料金については通常定例会(通常料金4,000円、午後割3,000円)、特殊定例会(通常料金5,000円、午後割4,000円)、貸切料金(メインフィールド平日10名40,000円~/土日祝50名200,000円~)、タクトレ(5名15,000円~)、夜戦貸切(メインフィールド・タクトレ10名30,000円~)とそれぞれ異なる。
映画のワンシーンを体感!徹底的に作り込まれた世界観
森林と市街地を合わせた軍事基地を彷彿とさせる「サバパラ」。基本的に平坦なフィールドだが、櫓や監視所、邸宅、通信施設など様々な建造物が設置されており、立体的な戦闘が楽しめるようになっている。
なによりも、フィールド内には軍用車両や戦闘機の残骸、沈没船、土のう、トーチカなど、多彩なオブジェクトが配置されており、映画のセットのような雰囲気を醸し出している。他にも両サイドにキャットウォークがあったり、人工的に作られたであろう池と桟橋、このために建てられた簡易的な小屋、給油所、監視塔などが、異国のような特別な臨場感を生み出していた。
“異国のような”といったのは、「サバパラ」は中南米にあるという架空の国家「バルベルデ共和国」をイメージして作れられたフィールドなのだ。映画「コマンドー」や「ダイ・ハード2」、言葉だけで言えばアニメ「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」などでも登場した国である。この地に足を踏み入れた瞬間から、サバゲーマーたちは別国家の戦闘員となるのだ。
実際に中を歩いてみると、ただ特殊な世界観を演出しているだけでなく、射線をかなり意識したオブジェクト配置であることが分かる。一人で突貫して勝てるようなフィールドではなく、仲間と連携し、部隊として戦うことを大前提に作られたようなイメージを受けた。
なお、体感テニスコート8面分ほどの広さのフィールドは現在進行形で拡張工事が行なわれている。すでにかなりの完成度だが、これ以上進化するようだ。
特殊作戦を決行せよ!シナリオ型の特別ルールが楽しめる“特殊定例会”
ここからは、月に約一度開催の“ロマン”溢れる「特殊定例会」の様子を紹介していく。定例会と聞くと、多くの方は週末にサバゲーマーたちが集まり戦う大規模戦をイメージするだろう。「サバパラ」では、その大規模戦に世界観に没入させる仕掛けがふんだんに用意されており、それが“ロマン”を生んでいる。
午前8時にゲートがオープンしたあとは、受付を経て弾速チェックを含めた準備を始める。9時30分に全体ミーティングが行なわれ、基本的なレギュレーションが説明。10時からゲームスタートとなる。
筆者が訪れた日は最初にフィールドに慣れるために、赤&青の2チームによる「カウンター戦」が実施された。ここまでの流れとしては一般的なフィールドと同じだが、「特殊定例会」では一部レギュレーションが特殊仕様となっている。例えば、ヒットしたあとは速やかにセーフティポイントに戻るのが普通だが、特殊定例会ではその場で仰向けとなって倒れていることもできる。倒れている場合には一切の行動は不可だ。ゲームを続けていくと、どんどん参加者たちがノリ始め、 あちこちで人が倒れている状況に。これが結構な“味”になっており、「あそこで人が横たわっているということは……」と、戦況把握の一助になる場合もある。
なお、ヒット後に横たわるやられた演技については強制ではない。あくまでもうひとつの選択肢として、映画のようなやられた演技をしたい方が任意で楽しんでいる。
また、フィールド内には「地雷」が設置されており、特定の地点に足を踏み入れると爆発音が発生。地雷に引っかかったプレイヤーはヒット扱いとなる。音もあるなんともリアルな仕掛けだ。
なお、ここまでのルールはウォーミングアップ的な「カウンター戦」後に行われたもの。次の「特殊ゲーム」からがサバパラ「特殊定例会」の真骨頂だ。ここから参加者たちは、用意されたシナリオに沿って、ただの赤・青チームではなく、架空国家「バルベルデ共和国」と「アメリカーノス」の戦闘員として戦うことになる。
シナリオには、たとえばこの日午前中に行なわれた「トーチカ攻防戦 アレスアルファver.」がある。これはバルベルデ共和国側が装甲車両(タイガー1)を利用しながらすべての目標の撃破を狙うもの。対するアメリカーノスたちは防衛側として、攻め入るバルベルデ共和国の大隊を迎え撃つこととなる。
このシナリオでは、攻め側は無限復活かつ、目標到達で復活ポイントが前線に随時切り替わる。そしてフィールド西側にあるトーチカまで到達すれば勝利となるため、攻め側はとにかく押せ押せで戦えるのがポイントだ。実際に装甲車両に乗り込んで戦うこともできる。至るところに発煙筒が焚かれ、その光と煙が臨場感をさらに高めてくれていた。
防衛側はヒット後、先着15名のみ最終防衛ラインにて復活が可能で、制限時間まで耐え忍べば勝利。なかなかに苦しい状況ゆえに、チーム内の状況共有および防衛ラインの後退のタイミングが非常に重要となる。
続いて午後から行なわれた「航空支援あり フラッグ戦」では、無線を用いた偵察、爆撃、機銃掃射ができた。プレイヤーは無線で「HQ」に連絡し、エリア指定と行ないたい行動を伝える。するとスタッフが該当エリアに急行し、偵察であれば敵の有無を連絡、爆撃や機銃掃射であればエリア内の人物すべてヒット判定とする。
フィールド内に設置されたスピーカーからは絶えず爆撃やヘリの旋回音が鳴り響き、隠れていても必ずしも安全ではない特殊な状況と相まって、特別な臨場感を生み出していた。
また、細かな部分だが、支援を要請する際に「HQ、支援爆撃を要請する。座標はH・24、変電所だ!」など、映画で見たことがあるような無線が絶えず入ってくるのも非常に面白い。ほかにも対空兵器「スティンガー」を持っていれば航空機を撃墜できるなども要素もあり、通常の撃ち合いには見られない攻防戦が楽しめる。無線を持っている人は是日持って行ってほしい。無線機のレンタル(500円)も行なわれているので借りるのもいいだろう。
このようにゲームそのものが1つのシナリオとなっており、参加者たちは陣営に応じたプレイが楽しめる。
中には「自分はロールプレイが苦手だ……」という方もいるだろう。その気持ちはよく分かる。筆者も照れが先に来てしまうため、この手のロールプレイはあまり得意ではない。しかし、そんな自分でも、周りの楽しそうな様子に感化され、いつしか「自分もやってみたい!」という気持ちが強くなり、嬉々としてロールプレイをするようになった。
もちろん、普段通りのサバゲーとして楽しむのもアリだが、一度ロールプレイを始めると、もう一段階「サバパラ」でのサバゲーが楽しくなることは間違いないと断言できる。
スタッフの“楽しむ&楽しませよう”という気概が素晴らしい
フィールドやゲームルールの特異性に加えて、感動すら覚えたのがスタッフの本気度。例えばバルベルデ共和国側になった際は戦闘開始前に最高司令官であるドン・ディノス将軍なる人物が現れる。
この手のロールプレイが非常に素晴らしく、映画で見られるような味方に口悪く激を飛ばす“横暴な指揮官”を演出していた。とにかく存在感が“将軍”そのもので、戦闘員である参加者たちもその様子を見て、自然とロールプレイができるようになっていく。
また、将軍を迎える際には形式的な儀式もあり、筆者もいつの間にかバルデルデ言葉(スペイン語)も覚えてしまった。「シ、コマンダンテ!(はい、司令官!)」。
他にも、なぜかフィールドに民間人が紛れ込んでしまったというシチュエーションの際には、「デイリーバモス(架空新聞社)」記者と、8年間BB弾を手作業で拾い続けるセリア人が登場。民間人を撃たないように細心の注意を払いながら戦うという場面もあった。
世界観を大切にするスタッフの気概。なにより自分も楽しみつつ、参加者たちをサバパラ独自の世界に誘おうとする姿勢が素晴らしかった。レギュレーション説明も丁寧で、今回サバパラに初参加、サバゲー自体も初めてという方もいたが、こちらで見えた限りは全員存分に楽しんでいる様子だった。
150人収容可能な屋内セーフティを完備! 昼ご飯にはキッチンカーも
ここからは各種設備も紹介していく。屋内セーフティは、150人収容可能な大規模なもの。簡易的なテーブルと椅子のみならず、バーカウンター風の場所も用意されている。BGMは陽気なサバパラオリジナル楽曲が流れており、クセになる。
他にも電源、扇風機、冷蔵・冷凍庫、自動販売機、マガジンウォーマー、修理・カスタマイズ用の工具コーナー、ロッカー、男女別の更衣室、シャワールーム、個室トイレなども用意されている。さらに、コミュニティルームでは、ダーツやビリヤード、TVゲーム、漫画、楽器が用意されており、まさに至れり尽くせりだ。
特に驚いたのが、昼ご飯の時間には駐車場横にキッチンカーが登場すること。今回は「豚角煮丼」や「沖縄そば」「タコライス」などが用意されており、満足感のある昼飯が楽しめた。
そのほか、今回は使用しなかったが、メインフィールドに併設する形で、タクティカルトレーニング(タクトレ)専用のフィールドも用意されている。こちらは貸切利用時はサバイバルゲーム利用も可能とのことだ。
予約必須! 他所では味わえないサバパラ独自の非日常
一般的なルールでのサバイバルゲームはもちろん好きだが、今回「特殊定例会」に参加したことでシナリオ型のゲーム&ロールプレイの面白さを心から知ることができた。この楽しさは、たしかに他のサバゲー仲間にも勧めたくなる。
今回取材させて頂いた「特殊定例会」の総参加者は130名。公式HPから予約可能(貸切予約も可)となっているが、その人気の高さゆえに早期に満員御礼、キャンセル待ちとなる場合が多い。早めの予約をおすすめする。
ちなみに現在、筆者は「あー! 次はもっと最初からロールプレイしたい!」という気持ちでいっぱいだ。この記事から少しでも興味を持たれた方。絶対に一度参加したほうがいい。