インタビュー

「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」企画担当者インタビュー

新規造形のガンダムフェイスとともにデモンストレーションカラーのディジェが立体化

【ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ】

4月12日(金)16時より魂ウェブ商店にて予約開始

9月 発送予定

価格:15,950円

 BANDAI SPIRITSよりメカデザイナー・カトキハジメ氏がプロデュースするフィギュアブランド「Ka signature」から「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」が魂ウェブ商店にて4月12日16時より予約受付を開始する。

 「Ka signature」シリーズでは「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」など様々な機体が立体化されてきた。

 今回は2017年に発売された「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」から約7年の時を経て、アムロ専用機として「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」が登場する。

ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ。今回は試作品とともにインタビューをお届けする

 今回、試作品を前に本商品の企画担当であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の宮邉優希氏に話を聞いてみた。「アムロ・レイ専用ディジェ」の魅力に迫っていきたい。

本商品の企画担当であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の宮邉優希氏

アムロ専用機として新たに生まれ変わったディジェが立体化

――「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」立体化の経緯をお聞かせください。

宮邉氏:今回の「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」に関しましては、カトキハジメさんとお話をしつつオリジナルにデザインした機体となっています。

――「ディジェ」と聞くとアニメ『機動戦士Zガンダム』のアムロ・レイの搭乗機であり、マンガ『機動戦士ムーンガンダム』でも宇宙用に改修した「リック・ディジェ」が登場していますね。

宮邉氏:設定としましては「リック・ディジェ」が宇宙戦用の機体になりますので、「地上用としてのアムロ・レイ専用機があってもいいのでは?」ということでアムロをイメージしたカラーリングの「ディジェ」となっています。アムロ・レイが「ゼータプラス」のテスト機パイロットをしているところからも着想を得て、デモンストレーションカラーとしてカラーリングを決めていきました。

「ゼータプラス テストカラー」を彷彿とさせる赤と白のカラーリング

――シルエットも通常の「ディジェ」はもちろんですが、バックパックが元の機体である「リック・ディアス」を連想させます

宮邉氏:バックパックは特に意識していて、バインダー部分を装着しています。一方で通常の「ディジェ」が装備していた大きめの放熱フィンから改良型の放熱フィンを装備しているのもポイントになっています。「ディジェ」のシルエットがありつつ、全体的なシルエットやカラーリングも合わせて、新鮮さを感じていただければと思っています。

バックパックの左右のバインダーは「リック・ディアス」を連想させる
内側には小型の放熱フィンを装備

――今回の機体は赤と白の目を引くカラーリングですが、彩色でのこだわりポイントはありますか?

宮邉氏:設定を考えるうえで「アムロ・レイ専用ディジェ」と「ゼータプラス」のデモンストレーションカラーの赤を並べた時に同じようになるイメージで決めていきました。また、単色の赤と白だけではなく、赤は2色使用しています。

――なるほど。遠目から見ると赤は単色に見えますが、近くで見ると2色に分かれていますね。

宮邉氏:遠目から見ると一体感のある赤の色合いなのですが、近くで見た時に「実はこんなに色分けされているんだ」というニュアンスをカトキさんと話して設定していきました。

赤は2色使用され、近くで見るとデモンストレーション機らしい派手な印象になる

――アムロ機のマークなどマーキングもびっしり施されています

宮邉氏:アムロ機マークやカラバのロゴなど全体に施しています。なので、アムロ機のマークを見て「アムロ・レイの機体だ」と伝わるかなと思います。

「νガンダム」などにもあったアムロ機のマークが各所に施されている
「エゥーゴ」の地上支援組織「カラバ」のロゴも施されている

――ここまでのポイントを含めて、カトキハジメさんと特にこだわったポイントをお聞かせください

宮邉氏:色々こだわりポイントはありますが、一番のこだわりポイントは頭部になっています。本製品では「ディジェ」タイプの頭部と「ガンダム」タイプの頭部が付いています。実は2017年に発売された「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」を販売した時に「ガンダムタイプのようなツインアイ頭部が欲しかった」という要望もありまして、今回2種類の頭部が付属しております。

「ディジェ」タイプのモノアイとチンガードを備えた頭部
「ガンダム」タイプのツインアイを備えた頭部。「Zガンダム」を彷彿とさせるシャープな印象

宮邉氏:2種類の頭部の付け替えて遊ぶことができるのはユーザー様にも喜んでいただけると思っています。こちらもカトキさんとすごくこだわりました。

「ガンダム」タイプの頭部を装着した状態

宮邉氏:実は細かいところで今回の「アムロ・レイ専用ディジェ」の頭部は「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」と共通のものとなっておりまして、よく見るとツインアイのディテールが入っております。以前に「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」を購入された方は「ツインアイのディテールがある」と気づいていただけたかと思います。そして、こちらはただ塗っているのではなく、‟モノアイの時にカッコいい顔”と‟ツインアイの時にカッコいい顔”としての造形をカトキさんとお話をして決めていきました。

宮邉氏:2種類の頭部はほとんど同じように見えますが試作品段階からモノアイの出っ張り具合を調整して、「ディジェ」タイプの頭部ではモノアイが目立つように0.(零点)何ミリ単位で調整をかけています。「ガンダム」タイプの頭部ではツインアイが目立つようにモノアイがあった部分を違和感ない程度に後ろに詰めています。マスク部分もカッコ良さに影響してくる部分だと思いますので、チンガードを取った状態と違和感がないように「チンガードを付けたら隙間が空きすぎず、カッコよく見える」顔をうまくカトキさんと追求していきました。ちょっと変えただけに見えますが、各頭部それぞれのカッコ良さにこだわっています。

試作品の段階からモノアイ部分が目立つように少し盛り上がっている。その左右にはツインアイのディテールも確認できる
ツインアイ部分が目立つように中央のモノアイがあった部分は低く造形されている

――「ディジェ」タイプの頭部もひっくり返してみると「ガンダム」タイプの頭部造形になりそうな構造が見えますね

宮邉氏:その部分もあえて残していまして、「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」からの繋がりを感じられるようにしております。

「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」(魂ウェブ商店限定) 2017年2月発売

――「ガンダム」タイプの頭部にするとよりマッシブさが増しますね

宮邉氏:頭部変えるだけでもかなり印象が変わると思います。頭部そのもののサイズは変わっていないのですが、マスクがない分小さくなった印象になり機体が大きく感じられるかと思います。

頭部の変更で印象が変化

――「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズでもハイザックが出るので、それらと並べても面白そうです。

宮邉氏:そうですね。今回タイミングが良くて、『機動戦士Zガンダム』の機体が気になる方にも手に取っていただけると嬉しいです。

『機動戦士Zガンダム』に登場したハイザックをはじめ、グフ飛行試験型、ジム・キャノンが「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」で商品化

――立体化にあたり苦労された点はありますか?

宮邉氏:「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」でもハイパー・メガ・ランチャーがありましたが、本製品でも付属しておりまして、本製品では「アムロ・レイ専用ディジェ」本体の赤に合わせたカラーリングにするのは念頭にありつつ、マーキング部分をどうするか特に悩みました。見覚えのある方もいらっしゃると思いますが、過去に発売しました「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> Zガンダム 3号機」のマーキングラインと合わせて、色味を変更したカラーリングとなっています。

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> Zガンダム 3号機」(魂ウェブ限定商品) 2023年10月発売。「Zガンダム 3号機」は「アムロ・レイが搭乗していたのでは?」ともあり、施されたマーキングからも繋がりが感じられる。

――これまで「Ka signature」シリーズで様々な機体が立体化されてきました。今回「アムロ・レイ専用ディジェ」というこれまでにない新しい機体が立体化され、ブランドとして目指している世界観などは有りますか?

宮邉氏:難しいですね。みなさまのおかげで「Ka signature」のブランドでコアな機体を立体化させていただいております。その中でユーザー様の「こういうものも欲しい」、「こんな機体がありそう」というところも立体化をしていきたいという想いもあります。カトキさんともお仕事をさせていただく中で「ガンダムの世界観」の中で様々な機体が商品化されておりますが、各機体で豊富なバリエーションがあります。「そうしたバリエーションもちゃんと立体化していきたい」という意識はカトキさんをはじめ、私も意識しております。今回の「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」は挑戦的ではありますが「こうしたコアな機体もしっかり立体化していきます」という想いもあります。

ガンダムフェイスの「アムロ・レイ専用ディジェ」

宮邉氏:「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> Zガンダム 3号機」が発売されて、購入されたユーザー様からご好評をいただきました。そこからユーザー様やファンの方の声を聞いたうえで、「アムロ・レイ」にフューチャーして展開していくのも面白いよねという話にもなりました。アムロ・レイがこれまで乗って来た機体を横並びに飾れたらいいよねという話もカトキさんとしておりまして、「Zガンダム 3号機」があり今回の「アムロ・レイ専用ディジェ」を見ていただいて、ユーザー様に「この先もしかしたら?」というワクワクするような想像を膨らましていただければと思います。

――イベントでは「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> シャア専用ディジェ」の展示もあり、もし商品化され一緒に並べたら「宿敵同士が同じ機体に乗っているけど全然違う」という面白さもありますね。

2023年11月17日~19日開催のイベント「TAMASHII NATION 2023」にて参考出品された「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> シャア専用ディジェ」

宮邉氏:まさに他の機体と並べた時や「Ka signature」ブランドではテーマをしっかり大事にして商品化をさせていただいておりますので、皆様の「今後どうなるのだろう?」からの発想力は僕らも参考にさせていただいておりまして、「TAMASHII NATION 2023」などのイベント展示でラインナップを見ていただき、ワクワクドキドキで一緒に楽しみながら商品化をしていけたらと思っています。

――可動についてお伺いしたいのですが、「アムロ・レイ専用ディジェ」は腰回りなど厚めの装甲に覆われています。装甲の可動などはありますか?

宮邉氏:そうですね。フロントスカート部分は左右分割で可動して、脚部もがっつり動かすことができます。また、脚部のパイプも可動に合わせて、根本と連動して動くのでポーズが取りやすくなっています。

――パイプ部分は軟質素材になるのでしょうか?

宮邉氏:脚部のパイプ部分は軟質素材を使用しています。

脚部も柔軟に可動。太ももから伸びるパイプ部分もしっかり可動

――バックパックのバインダーや放熱フィンなどの付け替えはいかがでしょうか?

宮邉氏:もちろんできます。放熱フィンなどを付け替えることで『機動戦士Zガンダム』に登場した「ディジェ」のシルエットも再現できます。通常の「ディジェ」とカラーリングも違いますので、新鮮な印象になっているかと思います。

バックパックの放熱フィンなどを付け替えることで通常の「ディジェ」のシルエットも再現できる

宮邉氏:また、今回もバックパックには武装のラックが備わっていますので、クレイ・バズーカやビーム・ライフルをマウントできます。また、バインダーを付けた状態でもつけることができますし、肩へのマウントもでき、武装を盛り盛りにすることができます。

バックパックや左肩に武装を付けた状態
左肩はハイパー・メガ・ランチャーをつけた状態からさらに側面部にビーム・ライフルなどを懸架ができる
バックパックにも「Ka signature」ブランドで採用されているラックでマウントすることができる
他にもビーム・ナギナタが付属し、ビームを展開した状態も

――「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」から変わった点はありますか?

宮邉氏:変わった点はまずは頭部が2種類になったところ。あと、バックパックは新規造形となっています。

バックパックは新規造形となっている

宮邉氏:それに合わせて、バックパックの武器を懸架するラック部分も変わっておりまして、こちらが懸架できる部分が2段になっています。

バックパックの武器のラック部分。手前と奥の2カ所があり、武器のマウント位置を調整可能。バインダーや大型の放熱フィンを付けた状態でも武器が見えるような距離感を演出

宮邉氏:これによってちょっとした装備時の距離感の調整ができます。このラック部分も違和感がないようにバックパックのデザインに落とし込みつつ、2カ箇所付けられるように新造しています。

――右肩のアーマー部分は可動などのギミックがありますか?

宮邉氏:はい。「ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS> ディジェ」から引き続き、可動を備えつつ裏面にエネルギーパックを付けることができます。

右肩アーマーにはエネルギーパックを装備することができる

――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします。

宮邉氏:今回皆様のおかげで「ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> アムロ・レイ専用ディジェ」を商品化することができました。今後の展開として「アムロ・レイが乗っていた機体」という展開もできたらいいなと僕は思っていますので、本製品を手に取っていただき、「アムロの乗っていた機体なら次これが来るのでは?」と想像してお待ちいただければと思います。今後も皆様がワクワクするようなラインナップを考えていきますのでご期待ください。

――ありがとうございました。