インタビュー

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」企画担当者インタビュー

【METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改】

3月1日16時より魂ウェブ商店にて予約開始

8月 発送予定

価格:24,200円

 BANDAI SPIRITSのフィギュアブランド「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」シリーズより「フルアーマー百式改&百式改」が立体化する。

 メカデザイナー・カトキハジメ氏プロデュースによる「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」シリーズでは「量産型νガンダム」や「プロトタイプZZガンダム」などが商品化されてきたが、今回「M-MSV」シリーズで登場した攻撃型試作機「百式改」と強化プランとなる「フルアーマー百式改」が満を持して登場。

 イベントなどで参考出品がされており、2024年に商品化が決定した。

「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」のフルアーマー百式改
「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」の百式改

 「百式改」は「機動戦士Zガンダム」にてクワトロ・バジーナが搭乗した試作モビルスーツ「百式」の改良型であり、特徴的なゴールドの塗装を引き継ぎつつ、火力を強化した機体。そして、増加装甲にメガ粒子砲、炸裂ボルトなど武装を追加したのが「フルアーマー百式改」となる。

 「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」シリーズでは「百式改」の状態にアーマーを装着していく形で「フルアーマー百式改」を再現することができる。

 今回、試作品を前に本商品の企画担当であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の宮邉優希氏に話を聞いてみた。「フルアーマー百式改&百式改」の魅力に迫っていきたい。

本商品の企画担当であるBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の宮邉優希氏

‟百年戦えるMS”を目指した百式。「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」でも長く愛される立体化へ

――「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」立体化の経緯をお聞かせください。参考出品や2022年に「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」が発売され、満を持しての商品化ですね。

宮邉氏:経緯としてかなり練り込んだ商品となっていまして、「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」ブランドも長く商品展開をさせていただき、いろんな機体を立体化してきました。また、「MSV」などのコアな機体も立体化しているブランドだと思っています。「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」は当時私の担当ではなかったのですが、この商品の段階から「今後の‟百式シリーズ”を展開していくか?」、「ちゃんとコンプリートしたい」という想いは、カトキハジメさんとも話していました。

「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」2022年6月 魂ウェブ商店限定発売

宮邉氏:その中でどういう順番で展開していくかが難しい部分ではありました。以前に紹介させていただいた「METAL ROBOT魂(Ka signature) プロトタイプZZガンダム」の際も、あえて「‟プロトタイプZZガンダム”を商品化しました」、「いきなりメイン機体を出すのではなく今後の展開や連動を考えてワクワクしていただき、ユーザー様と一緒に楽しんでいける」ところを考えて商品化の順番を考えています。

――「フルアーマー百式改」も‟ガンダムタイプ”としてはかなりインパクトのあるデザインになっていると思います。その中でも注目ポイントはどこになるでしょうか? 「百式改」を含めて登場媒体によって設定の解釈の違いが見られるのも特徴かと思います

宮邉氏:「フルアーマー百式改」からお話すると、基本は設定画を元に立体化しています。そのうえで今まで再現出来ていなかった部分も再現することも考えています。その中でも注目ポイントの一つ目として腕部の炸裂ボルトです。その展開ギミックを本商品では再現できるようになっています。

前腕部に装備された「炸裂ボルト」はナックルガードのように展開が可能

宮邉氏:ゲームなどで見るマニピュレーターを覆って殴り掛かるアクションで印象的な動きも表現できます。このギミックを仕込むのが大変でした。可動軸も3個ほど入っていまして、これによってギミックを再現することができました。

――差し替えなしで展開できるのは、フィギュアとしての作り込みが伺えます

宮邉氏:この部分はカトキさんとも「絶対やりたいポイント」と話しておりまして、「METAL ROBOT魂(Ka signature)」ブランドでやるなら「ここは付け替え無しで展開ギミックを入れよう」と決めて設定通りにできたのがキーポイントかと思います。

――なるほど。その他のカトキハジメさんのこだわったポイントなどはありますか?

宮邉氏:たくさんありますが、一つは頭部ですね。今回の商品では頭部を2種付属しておりまして、ツインカメラアイありとなしの状態があります。

ツインカメラアイなしのバイザー型の頭部
バイザー下にダミーのツインカメラアイが入った頭部も付属

宮邉氏:設定画でもツインカメラアイ部分があるのですが、媒体によってはツインカメラアイなしのバイザーだけのデザインもあり、ユーザー様によっては持っている印象は違っているかと思います。なので、両方楽しめるように2つの頭部を付属したのもキーポイントとなっています。2つ買って各頭部の状態、さらに「フルアーマー百式改」、「百式改」で並べて遊ぶこともできます。

――背面のビーム・キャノンなどの武装面ではいかがでしょうか?

宮邉氏:ビーム・キャノンも砲身の展開、前面のリフレクターパネルの展開が可能となっています。リフレクターパネルの裏面もしっかり彩色されています。

リフレクターパネル内側にも彩色が施され、ゴールドも複数色仕様されている

宮邉氏:ビーム・キャノンに関しても砲身部分が伸びるギミックを盛り込んでいます。砲身を倒すだけなら簡単にできるのですが、「彩色済み完成品フィギュアとしてもっといいものにするには?」と考えた時にサイズが許すギリギリまでギミックを入れました。

ビーム・キャノンは砲身の伸縮ギミックを搭載
「ZZガンダム」を彷彿とさせるアクション

――武装のロング・メガ・バスターは新規造形でしょうか?

宮邉氏:はい。新規造形となっておりまして、こちらも銃身とストック部分が展開します。またスコープもフレキシブルに可動し、ゴールドの色分けもしっかりしています。

ロング・メガ・バスター
銃身とストック部分が展開。柄の部分も展開する。
スコープ部分のゴールドは色分けがされている。

宮邉氏:また、バックパックに背負わせる際には一つのアタッチメントパーツによって、左右どちらにも付けられるようになっています。

――バックパックの密度感も見ごたえがありますね。サイズの調整で苦労された点などはありますか?

スラスターなどが集まった密度の高い造形

宮邉氏:バックパックに限らず、いろんな部位を大きめに出力して確認をしています。一番わかりやすいのが顔のパーツで、ツインカメラアイや形状が「これがカッコいい顔になっているか?」が小さいとわかりづらいので大きめに出力して、形状などの調整を行なっています。こうして商品として出す際に様々な出力し、検討・調整をしております。

――次に特徴的なゴールドの塗装部分についてお聞かせください。

宮邉氏:そうですね。「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」も手に取っていただいたユーザー様からゴールド塗装でもご好評いただき、今回も見劣りしないように箱を開けた瞬間からも豪華さが伝わるようにしています。フルアーマーによってゴールドの体積も増えているので、ゴールドも複数使用してメリハリをつけています。

眩しいゴールドの塗装は光によってその色合いも違った見えるのが魅力的

宮邉氏:ここはカトキさんのこだわり部分でもありまして、基本的に金色は1色のイメージですが、立体物として差し色に別の金色を入れることで立体的に見せられるようにしています。より細かいところまでこだわって作り込んでいます。

――フルアーマー百式改のアーマーデザインも密度があって、見ごたえばっちりですね。

密度感ある重装甲。百式改のマーキングもしっかり再現されている
横から見た際のボリューム感もばっちり
バックパックのスラスターモジュールもぎっしり詰まった濃密さが魅力
胸部部分も細かい色分け
赤いマーキングもしっかり表現されている
後ろに伸びた脚部のスラスター

――本体に関してですが、「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」が発売されて、そこからアップデートがされた部分はありますか?

宮邉氏:これに関しては「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」の企画時点で、カトキさんと一緒に今後の機体を出すことを考慮して企画しております。「フルアーマー百式改&百式改」はもちろん、参考出品で出させていただいた「百式」まで考えてこだわっています。

――可動に関してはいかがでしょうか? アーマーが付いている分「フルアーマー百式改」の可動は難しかったのでは?

宮邉氏:可動部分も「フルアーマーだから動かない」ということはないように、例えば膝裏のクリアランスや肩のアーマーの可動もしますのでアクションポーズもしっかりとれます。

――「フルアーマー百式改」ですが、「百式改」にアーマーを付けている状態で装着はどのようになっていますか?

宮邉氏:アーマー外した「百式改」の状態で、アーマーを付けていた穴を目立たなくすることにこだわりました。アーマーを付けるジョイント穴が露出した状態もできるのですが、「百式改」としても一つのフィギュア商品として違和感のないようにジョイント部分を隠すようにしました。サイドスカートも引っ掛ける様にしてアーマーを取りつける形にして、ジョイント穴を作らないようにこだわりました。

バックパックは背面のジョイント部分を隠せるようにパーツの配置を変更できる
肩のジョイント部分も専用のパーツで目立たないようにジョイント部分を隠せる
アーマーを半分装着した「百式改」の表現も楽しめる

――続いて「百式改」についてお聞かせください。特徴であるムーバブルフレームの露出などのデザインについて教えてください。

宮邉氏:「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」の時にもムーバブルフレームの表現はやっていますが、中のフレームが見える者なので造形や彩色は細かいところまでカトキさんと話して決めていきました。外装面でも「量産型百式改」とは異なるようにデザインしていきました。

「百式改」の状態

――ダイキャストの使用はいかがでしょうか?

宮邉氏:ダイキャストは関節部分やスネなど、あと腰などの内部にも使用しております。また、「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」同様に脚部のムーバブルフレームに塗装を施して質感の統一感を表現しています。

脚部は中のムーバブルフレームが見えるようになっている。こちらは塗装が施されている

――頭部もツインカメラアイのものになると一気にキャラクター性が出てきて、同じ機体でありながら受ける印象が変化して面白いですね。

宮邉氏:頭部は大事な部分だと考えていて、全体としては小さい部類のパーツではあるのですが、頭部関わるだけで違った機体に見えたりするので、頭部ひとつで遊びの幅が広がるのもこだわりポイントです。

ツインカメラアイがある頭部で違った個性が現れる

――アタッチメントパーツも特殊な形状になっていますね。

宮邉氏:「METAL ROBOT魂(Ka signature) 」ブランドで使われている規格になっています。ですので、別商品の武器をマウントすることも可能です。

――過去の商品との組み合わせ遊びができるのも魅力的ですね。

宮邉氏:そうですね。バックパックにもハードポイントが複数ついておりまして、ビーム・ライフル、ロング・メガ・バスターはもちろん「量産型百式改」のクレイ・バズーカを付けたてんこ盛り状態にすることもできます。

宮邉氏:「METAL ROBOT魂(Ka signature) <SIDE MS>量産型百式改」を購入されたユーザー様にも本商品を手に取っていただいた際に、一緒に遊んでいただけたら嬉しいです。

――「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」一つでもギミックや可動などが詰め込まれていますが、「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」ブランド商品と合わせて遊びの幅が広がっていくのは立体物ならではの遊びですね。

宮邉氏:そこは「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」ブランドを、カトキさんとやらせていただく中で一番こだわっています。商品ひとつをいいものとして作ることはもちろんですが、そこで終わるのではなくて‟フィギュア玩具”として過去に発売された商品と一緒に遊べる面白さ、プレイバリューの両立を常に追及しています。

「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」ブランドで並べた時の迫力はもちろん「もしものこの機体にこのキャラクターが乗っていたら?」などの想像が膨らむ

――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします。

宮邉氏:「METAL ROBOT魂 (Ka signature)」ブランドで様々な機体を展開させていただき、ユーザーの皆様の応援のおかげで続いています。そのおかげで今回「METAL ROBOT魂 (Ka signature) <SIDE MS> フルアーマー百式改&百式改」を出すことはできました。今後も皆様がワクワクするような商品展開を考えておりますので、ぜひ今後もご期待いただければと思います。

――ありがとうございました。