インタビュー
「PROPLICA ゼルダの伝説 マスターソード」企画担当者インタビュー
PROPLICAシリーズの造形・演出技術を集約。『ゼルダの伝説』のリンクの活躍を追体験できる
2024年6月5日 00:00
- 【PROPLICA ゼルダの伝説 マスターソード】
- 9月発売予定
- 価格:22,000円(税込)
“本物感”を追求する大人のためなりきりアイテムブランド「PROPLICA(プロップリカ)」にて、任天堂のアクションRPG『ゼルダの伝説』シリーズに登場する剣「マスターソード」が9月に一般店頭にて発売される。価格は22,000円(税込)。
『ゼルダの伝説』シリーズの“退魔の剣”として登場するマスターソードを、大人が持てる全長約105cmのサイズで立体化し、PROPLICAシリーズならではのサウンドギミックを内蔵。飾るだけでなく、実際に手に持って楽しめるアイテムとして完成した。
今回この「PROPLICA ゼルダの伝説 マスターソード」の企画開発を手がけたBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部の担当者に、その開発経緯やこだわりのポイントなどについて伺った。
『ゼルダの伝説』シリーズに登場するマスターソードを、全長約105cmの大人が持てるサイズで立体化
『ゼルダの伝説』におけるマスターソードは、シリーズ第3弾『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』で初登場し、以降リンクが手にする最強クラスの剣としてたびたび登場している。最新作『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』では、物語の冒頭で破壊され、後にその存在が失われてしまうが、誰もが思いもよらない形でリンクの手に戻るシーンがプレイヤーの心を揺さぶった。
サイズは全長105cmで、大人が持っても短いと感じない長さがあり、マスターソードを抜くときのポーズができるよう、柄も大人の両手が収まる程度の長さで設計されている。
青く輝く刀身の刃の部分と、根元に彫刻されたトライフォースの紋章は光沢のある仕上げで、側面は刃入れしていない荒れた金属のような仕上げとなっている。マスターソードの特徴的な意匠の翼のような装飾や、皮の帯が巻かれたような柄も成形と塗装で表現している。
商品には専用の鞘も付属。こちらも各所モールドは立体的に成形されていて、塗装によって要所の質感を変えてあるのも見どころだ。上部の革ベルトもパーツの一部で、この部分はグラデーション塗装されているなど、芸が細かい。もちろんマスターソードを収めることも可能で、内部には本体の塗装が傷ついて剥がれないような工夫が施されているそうだ。
サウンドギミックは、柄に備えられた3つのボタンで再生する。再生モードは2種類あり、電源スイッチで切り替える仕組みだ。「SEモード」はゲーム中で使われている効果音を再生。剣撃(連続可)、剣撃タメ、覚醒モードの効果音も収録。さらに特殊アクションの剣撃ラッシュや、マスターソードを引き抜いた時のBGMなども用意されている。これら効果音の再生時は振動演出が伴うのもいいところで、本体サイズに負けない強めの振動が手元で感じられる。ただし商品はあくまでディスプレイ用なので、劇中のように振り回すのはNG。手に持って静かに楽しもう。
そしてもう一つの「BGMモード」は、その名の通り『ゼルダの伝説』シリーズのメインBGMが再生される。収録されているのは『ゼルダの伝説』、『神々のトライフォース』、『夢をみる島』、『時のオカリナ』、『風のタクト』、『スカイウォードソード』、『ブレス オブ ザ ワイルド』、『ティアーズ オブ ザ キングダム』の8作品で、それぞれ1ループ分が再生される豪華仕様だ。BGMの切り替え時は再生中のサウンドがフェードアウトされるなど、演出面も抜かりがない。
商品には剣と鞘を飾ることができる専用のディスプレイ台座が付属している。前に鞘を、後ろに剣本体を飾る仕組みだが、剣を鞘に収めた状態で飾るときに見栄えが悪くならないよう、後ろの台座の上部を取り外せる工夫がされている。
“本物感”をとことん追求し、おもちゃであることを感じさせない設計を心がけた
――造形もかなり力を入れて開発されたそうですが、設計のポイントをお聞かせください。
企画担当者:これまでのPROPLICAのコンセプト通り、“本物感の追求”には強くこだわりました。実際には誰も手にしたことがないマスターソードが現実にあったらどうなるだろうと考えて、例えば刀身の表現なら、刃の部分はピカピカに磨かれているけど、中心の部分は磨かれていない金属としてシボ加工にしようとか、単に形だけではない質感の表現にも力を注ぎました。
企画担当者:また装飾に関しても野暮ったくならないよう、可能な限りシャープな造形を心がけています。こうして立体化してみると、マスターソードのデザインって、本当に格好良かったんだなと改めて思いましたね。
それともう一つ、PROPLICAとして強くこだわったところとして、ネジ穴を絶対に見せたくないことがありました。ネジ穴って見えた瞬間に、急におもちゃっぽくなってしまって、手に取ったユーザーさんが現実に戻されてしまうんです。サウンドギミックの音を出すスピーカーにしても、本体に複数の穴を開ける仕様は避けたかったので、装飾の一部分に音を出すための隙間を設けているんです。
企画担当者:“おもちゃとして仕方のないところ”をできる限り“仕方なくないようにする”工夫は、コレクターズ事業部として10年PROPLICAを手がけてきたノウハウが生きていて、これまでの設計技術がこのマスターソードに集約されているといって過言ではないですね。
――専用の鞘が付属することも驚きました。
企画担当者:実は企画の段階では、鞘はなかったんです。開発を進めていく段階で、ユーザーさんが本体をどう飾るのかという話が出て、もちろん本体だけで飾る人もいるだろうけど、収納してホコリが被らないようにしたい人がいるかもということで、鞘はあっていいのではないかという結論にたどり着きました。
鞘自体もマスターソードの一部分とみなしていいものですし、実際に剣をしまうための付属品としても、ユーザーさんの満足度はきっと高くなるだろうということで、用意することにしたんです。
『ゼルダの伝説』シリーズのアクションや歴史を追体験するサウンドが満載。収録曲数もシリーズ最大の8曲に
――PROPLICAシリーズらしいサウンドギミックも満載ですね。
企画担当者:はい、サウンドについても『ゼルダの伝説』シリーズのファンの皆さんが納得できる内容を目指しました。SEモードは、リンクの攻撃アクションを手元で追体験できる演出として、サウンドとともに振動による演出を加えています。
Nintendo Switchでゲームプレイをしているときの手元で感じる振動って結構重要な演出で、PROPLICAでも過去に振動を取り入れた商品がありましたので、このマスターソードにも振動ギミックを追加したんです。攻撃のサウンドに合わせて振動を手元で発生させることで、ゲームと同じような没入感を味わっていただくことを追求しています。
――効果音はどのようなものが入っているんでしょうか。
企画担当者:剣撃は4段階ありまして、あとは剣撃タメですね。剣撃タメはタメの音ももちろん入っていて、タメの途中で繰り出すこともできます。その他、「マスターソード破損」や「覚醒モード」などもサウンドも収録してあります。
――結構たくさん入っているんですね。
企画担当者:さらに、剣撃ラッシュを繰り出したときや、発表時にユーザーさんから多数お声をいただいた“マスターソードを引き抜いた時のBGM”も入れました。
――曲の切り替えや止めるときにフェードアウトする演出もいい感じですね。
企画担当者:音の始まりや終わりはフェードさせたり、音割れがしないように音量を微調整したりという、サウンドにおけるポイントは抑えました。またPROPLICAシリーズでは最も大きなスピーカーを採用して、できるだけ音がクリアに聞こえるようにしています。
――サウンドや振動以外に、発光ギミックなどを採用する案はなかったんでしょうか。
企画担当者:はい、今回は採用していません。理由としては、光らせるためには光源を外側から見えるようにしなければならず、例えば刀身を光らせるならクリア素材を使う必要があって、それではマスターソードの金属的な美しさが表現できなくなってしまうんです。刀身が光る演出は、マスターソードの特徴として優先度は低めなので、金属的な見た目の美しさを優先させていただきました。
――それでは最後に、発売を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。
企画担当者:このサイズのマスターソードの迫力を是非お手に取って感じていただければと思います。我々としても造形やサイズ感といった部分にはかなりこだわって開発しましたので、『ゼルダの伝説』シリーズのファンの皆さんがゲームの中でしか見ることができなかったものを、実際に手に取ってその感触を味わっていただきたいです。実物として存在する感動はもちろん、サウンドや演出など、ゲーム中のリンクの活躍を追体験できる付加価値もありますので、全てを楽しんでほしいですね。
――商品の発売を楽しみにしています。ありがとうございました。
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※画像は試作品を使用しています。実際の製品とは若干異なります。ご了承ください。