インタビュー

ゾイド「AZ-10 シーパンツァー」開発者インタビュー

【AZ-10 シーパンツァー】

9月下旬 発売予定

価格:6,050円(税込)

 タカラトミーの「ZOIDS(ゾイド)」ムービングキットシリーズ「ADVANCED Zi」(AZ)シリーズに、ゼネバス帝国の水陸両用ゾイド「シーパンツァー」がラインナップし、2月13日より予約受付が開始された。

AZ-10 シーパンツァー

 同社ハイターゲット向けホビーレーベル「T-SPARK(ティースパーク)」にて展開されているゾイドごとに設定したテーマを元に、「再構築」・「洗練」・「練磨」が内包されたムービングキットの最高峰ブランド「ADVANCED Zi」。

 帝国軍の大型ゾイド「デスザウラー」をはじめ、「ジェノザウラー」が展開。そして、帝国軍の小型ゾイド「モルガ」も商品化されている。

 「シーパンツァー」は1987年にキット化した、架空戦記「ゾイドバトルストーリー」に登場したヤドカリ型ゾイド。アニメシリーズには未登場だが、2008年に発売された「月刊ゾイドグラフィックス」にて復刻版が商品化されている。

 「ゾイドバトルストーリー」では重装甲にビームキャノンや12連装小型ミサイルランチャーなどを搭載し、ゼネバス帝国の水陸両用ゾイドとして活躍した。

 今回ゼンマイからモーター駆動となり、動きはもちろんさらなる駆動ギミックを備えて「ADVANCED Zi」シリーズで再登場する。

 本稿では「AZ-10 シーパンツァー」の試作品の写真を交えつつ、本商品の開発を担当しているタカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部のU氏に本商品の魅力を聞いてみた。

全長約125mmに詰め込まれた駆動ギミックとこだわりの造形

――「AZ-10 シーパンツァー」の立体化の経緯をお聞かせください

U氏:「AZ-07 デスザウラー」を開発している最中、「AZ-01 ブレードライガー」から始まった「ANNIVERSARY ZOIDS」から「AZ-07 デスザウラー」からの「ADVANCED Zi」にブランド引き継がれる中で、「何かしら面白い動きがあり、インパクトがある機体」という理由から「シーパンツァー」が選ばれました。

 平成では「月刊ゾイドグラフィックス」で復刻という形で出ていますが、リメイクという形では立体化されていないことや動きが特徴的なのも決め手になっています。

ヤドカリ型ゾイド「シーパンツァー」

――アニメシリーズでは未登場のゾイドなので、アニメから入った方にはかなり新鮮に映るゾイドかと思います。「ゾイドバトルストーリー」を知っている方には「これが出るか!?」という驚きがあったかと思います。

U氏:ゾイド公式Xアカウントでもパッケージをオマージュした画像を公開させていただいたところ、想定よりも盛り上がりまして、開発側も驚きました。





――今回「ADVANCED Zi」シリーズでの立体化にあたり、ゼンマイ動力からモーター動力に変わりましたが、造形やサイズ感は昔のキットから変化はありますか?

U氏:過去に発売されたムービングキットから一回りちょっとだけ大きくなった感じですが、イメージは変わらないようなサイズ感でおさめています

 ディテールに関しては細かいパネルラインなど元のキャラクターイメージを損なわないレベルで追加させていただき、全体のフォルムは過去のものと大きな変更はしていません。

装甲のパネルラインなどより濃密なディテールになっている

――武器のビームキャノンに12連装小型ミサイルランチャーもありますが、右側面の3連装魚雷ポッドは全方位超音波ソナーと付け替えが可能となっているのでしょうか?

U氏:そうですね。3連装魚雷ポッドは取り外しが可能で、3mm径仕様で付け替えることができます。

 実は右側は装着箇所が2つありまして、基本的に後ろ側に3連装魚雷ポッドを装着して、手動で角度をつけたりカバーの開閉などが楽しめます。

 今回AZ化するにあたって、過去に発売されたムービングキットを超えたいところがあり、前側の軸は回るようになっています。そこに全方位超音波ソナーを付けることで、ソナーが回転するようになっています。前側の軸に魚雷ポッドを取り付けることもできるようにはなっているので、お好みで遊んでいただけばと思っています。

右側には武装を装着できる軸が2つ用意されている
後ろ側に3連装魚雷ポッドを装着
カバーの開閉を手動で行なうことができる
前側には全方位超音波ソナーを装着でき、モーターとのリンクで回転する

【タカラトミー「AZ-10 シーパンツァー」の動きをひとあし先にチェック!【ゾイド】】

――スイッチの位置ですが、こちらはどこになっていますか?

U氏:「AZ-10 シーパンツァー」では中央の12連装小型ミサイルランチャーのパーツがスイッチになっており、スライドさせることで前進、後退の切り替えができます。

 過去商品では片側のファン部分にゼンマイのリューズが出ている仕様でしたが、今回はスイッチそのものも隠してしまいました。

 12連装小型ミサイルランチャーは初代の商品と同様にカバーで覆っています。そのためスイッチを操作するにはこのカバーを開閉する必要がありますが、「ギミックを毎回操作してもらう」というのを1作業加えることで、自分がパイロットとしてシーパンツァーを少しずつ起動させていく没入体験ができないかと考えています。

12連装小型ミサイルランチャーのパーツがスイッチとなっている

U氏:モーター動力以外にも手で動かして遊ぶ部分として、ハサミや脚の部分が過去商品では1パーツでしたが、今回は2パーツで構成し、少しだけ動くようになっています。

 飾る時にポージングに表情を付けたり、動く際にはよりヤドカリらしい動きになるようになっているかと思います。

 また、ハサミの先も少し開くようになっていまして、ある程度は物を持たせることができます。1パーツではどうしても肉抜きも目立っていたので、今回はそうした部分も目立たないように造形しています。

ハサミや脚もパーツ分けされ、可動や動きを追求

U氏:コックピットハッチの開閉も手動ででき、カバーを上げることで中にパイロットフィギュアを乗せることができます。ここはゾイド伝統のギミックですね。

コックピットハッチの開閉ギミックを搭載

――コックピットの周囲や目などクリアパーツもかなり使用されていますね。

U氏:目の部分のサーチライトは、過去の商品では顔の部分と同じ赤の成型色だったのですが、今回はクリアパーツで表現させていただき、光に当てるとキラっと反射するような表現ができればと思います。

――マーキング部分はシールなのでしょうか?

U氏:はい。こちらはAZシリーズで使用しているシールタイプのものとなっています。基本的に過去の商品に収録されていたマーキングも入れておりますので、「昔見たシーパンツァー」を手元で再現できるようにしています。

ゼネバス帝国のエンブレムや髑髏のマーキングなどが付属する

――オプションパーツは顔につくものなのでしょうか?

U氏:そうですね。本物のヤドカリにあるような脚や触角の意匠を元に作っておりまして、顔下にジョイント穴がり、ここに取り付けることができます。

 つけていくと本物らしい造形となって、印象も変わってきます。また、自由に付け替えてオリジナルのデザインにすることができます。軸可動で角度調整もできるようになっています。

オプションパーツを付けることで違った印象の顔つきとなる

――“ヤドカリらしい動き”を表現するにあたって意識したところはありますか?

U氏:実はヤドカリって前に動くだけでなく、後ろにも動く生き物なので、「AZ-08 モルガ」にもあります前進、後退もできるようになっています。

 動きもタイヤと脚部のつま先が連動して、地面をかくような動きになっています。

――「ADVANCED Zi」では側面のファンやビームキャノンも動くようになっていますが、一つのモーターから連動しているのでしょうか?

U氏:1つの小型モーターで動いています。モーターは胴体に収まっているギアボックスに1つ入っていて、ボックスにユーザー様の手でギアをはめ込んでいただきリンクを組み立てていく形になっています。

 なので、中の空間が少なくて設計するのが大変でした。

 ビームキャノンの動きもAZ化で追加している部分で、過去の商品では別の位置にあったのですが、動力を伝達するために位置を調整し、電動で動くようにしております。

 また、砲身には伸縮ギミックを備えております。スライドして伸びるようになっていまして、少し隙間ができてしまいますが、後ろのディテールと合わせて一体感あるデザインで目立たないようにしております。

ビーム砲は伸縮ギミックを搭載

――成型色としてはこちらの試作品に近い色合いなのでしょうか?

U氏:そうですね。色合いもメタリックというよりは落ち着いた彩色で、ゼネバスカラーを再現しております。

――ちなみに使用する電池は何になりますか?

U氏:こちらは単5電池となっております。それもあって、リンクのスペースを確保できた部分でもあります。すこしなじみの薄い電池かと思いますが、通販サイトや家電量販店でご購入いただくことができます。おそらく皆さんのご自宅にはストックがないかとおもいますので、ご購入いただく際には、合わせて準備頂けますと幸いです。

――続いて、こだわりのポイントを教えてください。

U氏:こだわりポイントとしましては、コックピットの下にゾイドコアの造形を入れております。

 アニメや「ゾイドバトルストーリー」でもゾイドの中核となる部分で描写はされていますが、過去のタカラトミー商品ではあまり立体化されていなかったので、AZシリーズでは可能な限りどこかにゾイドコアを造形するようにしております。

コックピットブロックを外すと、その下にゾイドコアの造形が入っている

――苦労された点などはありますか?

U氏:一番苦労したのは、ひとえにこの小さいサイズにモーターやリンクなど、すべて収めるというところですね。小さいとどうしても入るモーターのサイズや部品のサイズも限られてくるので。

 過去商品ではあった空洞部分もいっぱいに使っておりまして、電池やモーターの重みもありますが手で持つとズッシリくる重みもあります。

――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします

U氏:「ADVANCED Zi」の小型ゾイド第2弾とのことで、今回は変化球の「シーパンツァー」が商品化させていただきました。

 「AZ-08 モルガ」とはまた違った新しい動きを体験できるかと思いますので、ぜひ手に取って遊んでいただければと思います。

――ありがとうございました。