インタビュー
一番遊べるレイズナー! 「HI-METAL R レイズナー」企画者インタビュー
カッコ良さを最大分析、目が発光、V-MAXハッチ開放を再現!
2026年4月30日 00:00
- 【HI-METAL R レイズナー】
- 9月 発売予定
- 価格:29,700円
BANDAI SPIRITSが9月に発売するフィギュア「HI-METAL R レイズナー」は、1985年のアニメ『蒼き流星SPTレイズナー』の主役機・レイズナーを立体化した商品だ。4月3日より予約受付が行われている。
『レイズナー』は『太陽の牙ダグラム』、『装甲騎兵ボトムズ』などを手掛けた髙橋良輔監督作品であり、地球とグラドス星という2つの異なる文明の衝突を描いている。主人公アルバトロ・ナル・エイジ・アスカは、グラドス星人と地球人の間に生まれた少年であり、地球に対し侵略をしようとするグラドス星の脅威を地球人に伝えようとレイズナーを駆る。
レイズナーは頭部にコクピットを持つ。頭頂部がキャノピーとなっており、中にはコクピットに座るエイジの姿が見える。物語の序盤は宇宙での戦いが中心となるが、上下が逆さまになるような激しい立体機動、独特の射撃線を描くレーザードライフル、コンピューターとパイロットの会話が交わされるコクピット描写など、従来のロボット作品以上に様々な意欲的な演出が取り入れられており、強い印象を放っていた。
レイズナーのデザインと劇中の魅力をどのようにフィギュアで表現したか? 今回は企画担当者であるBANDAI SPIRITS コレクターズ事業部の加納竜司氏に話を聞いた。なお、本商品の彩色見本が5月1日より秋葉原のTAMASHII NATIONS STORE TOKYOで展示予定となっている。こちらもぜひ見てほしい。
目が発光! レイズナーのデザインをしっかり立体化
――「HI-METAL R レイズナー」はファンにとって待ちに待った商品と言えます。商品化の経緯を教えてください。
加納氏:「HI-METAL R」シリーズはこれまで様々なサンライズ作品を商品化しています。いよいよアニメ『蒼き流星SPTレイズナー』の主役機・レイズナーを立体化することができました。企画者である私も、協力してくださった皆様も気合いを込めた商品となっています。企画協力は『機動戦士ガンダム』の「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」シリーズや『聖戦士ダンバイン』の「ROBOT魂 <SIDE AB>」シリーズなど様々なフィギュア商品をご担当されているアーミック様にお願いしました。
今年は『蒼き流星SPTレイズナー』の40周年に当たります。これまでレイズナーは様々な商品が販売されてきましたが、その中で「HI-METAL R レイズナー」をどういう商品にするかということを考え、プラモデル、完成品フィギュアなど過去の商品を見つつ、新しくどのようにするかに腐心しました。
その中で特に近年の商品は「劇中のスタイリッシュなレイズナー」を再現する方向にあるのではないか? と感じました。もっとアニメの設定画、大河原邦男さんが描いた設定画のレイズナーで立体化し、アクションフィギュアにしたい、というのが「HI-METAL R レイズナー」のコンセプトなんです。
――「HI-METAL R レイズナー」は頭部が大きく感じますね。
加納氏:頭部がコクピットになっていて、透明なキャノピーに覆われ、パイロットの姿が見えるというのは『蒼き流星SPTレイズナー』に登場するSPT(スーパーパワードトレーサー)共通の特徴です。
頭が大きく相対的に体が小さく見える。昨今の頭が小さく足が長いロボットデザインから見るとバランスが悪く感じるかもしれません。しかしそれがめちゃくちゃカッコイイんです。だから「大河原邦男さんのデザインしたレイズナー」を立体化したいと思ったんです。40周年だからこそ出せる、インパクトのある商品を目指し、素立ちは本当に設定画のままの姿を再現できるようにしました。
そしてもう1つ、強いこだわりで実現させたギミックが「発光ギミック」です。胸部にLEDユニットがあり、首を通してレイズナーの目が発光します。
レイズナーは目が奥まっていて、キャノピーが覆い被されるデザインになっています。このため立体物だとぱっと見ても目が印象に残りにくい。しかしアニメだと光った目の印象が強いため、劇中の印象を再現できるよう発光ギミックで目を光らせました。
目のインパクトを表現する商品にしたかったんです。発光というのは「HI-METAL R」シリーズの初の挑戦となりましたが、目を印象づけたいという想いから発光ギミックの搭載に至りました。
――次は手足のバランス、スタイルに関してはどのように調整していったのでしょうか?
加納氏:「設定画は何でカッコイイのか?」というのを研究したんです。カッコ良さの理由の1つに「パースによる効果」があると感じました。脚部が大きく太ももから胴体は小さめという、「ダイナミックな描き方」がされていると感じました。
私が感じている「レイズナーのカッコ良さ」をどうしても再現したい。言語化が難しい私の想いを、アーミック様は形にしてくれました。これまでの経験を活かし「ここはこうしたらこうカッコ良くなる」、「ここはこう表現しよう」と各ポイントを1つずつ分析して提示してくれたのです。
例えば肩から上腕のデザインは、単純に作るとただ四角く表現してしまいます。それだと肩の側面につく装甲はその形に沿ってピタリとくっついてしまうんです。しかし、ごくわずかだけ外側に膨らませることで装甲が外側に膨らみ、さらに装甲を少しだけ浮かせるとシルエットがより大きくカッコ良くなる。こうしたこれまでのノウハウの蓄積の上で、設定画の魅力を分解し立体物に構築してもらいました。
今回の商品では何度も試作を繰り返して私たちが望んだバランスを実現しています。すねから先は素立ちでは大きく見えますが、膝に引き出し関節を設けることで、ポーズをつけるとスタイリッシュに見えます。キャノピーの形から始まり、つま先まで、すべてのデザインバランス、そして可動部にこだわりと設計者の技術が詰まっています。
――レイズナーといえば特に顎を上げ、上を向く飛行ポーズが印象的です。頭部コクピットと胴体でのラインが、まるで戦闘機のようなシルエットに見えます。劇中で非常に印象的なポーズですが「HI-METAL R レイズナー」では首の二重関節などで表現するのでしょうか?
加納氏:今回はそのように上を向かせると、胴体から光を流す導線が切れてしまうため、首パーツそのものを差し替えて上を向かせています。こうすることで上を向いたポーズでも目の光がきちんと出るようにしました。
こちらはもう一度デザインの話ですが、キャノピーの曲線も注目してほしいです。丸みを帯びながらしっかり開閉するキャノピーの造形も調整を重ねました。「HI-METAL R レイズナー」ではコクピットに主人公のエイジを乗せられます。キャノピーとエイジの距離が離れるとコクピットが大きくなりすぎてしまうためキャノピーとの距離は近くしつつ、窮屈すぎないように調整しました。この絶妙なバランスも見てほしいです。コクピット内のパネルも彩色する予定なので、楽しみにしていてください!
「一番動くレイズナー」を実現! V-MAX発動後の演出も
――フィギュアの可動域に関してはどうでしょうか?
加納氏:これまで出ているレイズナーフィギュアの中でも「一番動くレイズナー」を目指しました。肩を引き出すだけでなく、手首の下にも曲げられる関節が入っていて、より自然に両手でレーザードライフルを構えることができます。関節の設計に関してはこれまで培ってきたロボットフィギュア技術の集大成といえる商品となっています。何より触っていて楽しいんです。時間を忘れてポーズを付けて遊んでしまう、そんな商品です。
可動のテーマの1つが先ほどの「飛行ポーズ」です。頭を上に向かせるために首の差し替えパーツまで用意しています。上を向かせるためにはお腹、腰、といったところもしっかり可動しなくては自然な飛行ポーズはとれないのですが、「HI-METAL R レイズナー」は胸ブロックに発光のためのLEDと電池ボックスが収まっています。
このため「HI-METAL R スコープドッグ」で用いたちょうつがい状のパーツを腰に配置し、上半身の柔軟な可動域を実現しています。動かしたときも隙間を隠すパーツも連動し、見た目に違和感が出ないように工夫しています。
他にも、飛行ポーズを取った際に、バックパックが干渉することを避けるため、バックパック下部にも関節を仕込むなど細かな調整をしています。
――他にもどのようなギミックがあるのでしょうか?
加納氏:手首のギミックも注目して頂きたいです。レイズナーの手首は前腕から動力パイプのような細いケーブルが手首に接続されているため従来のアクションフィギュアのように交換用手首を使用できませんでした。そこで「HI-METAL R レイズナー」ではデザイン通りに手首とケーブルをつないだ上で、可動指を採用しました。
ケーブルは前腕に収納されているため手首をひねった際にケーブルが追従し、デザインと可動の両立を実現しました。可動指も表情付けが可能で、主武装である「レーザードライフル」もちゃんと保持できます。交換手首パーツをなくしたことが結果的に「遊びやすさ」に繋がりました。
また、こちらはデザインの話ですが「HI-METAL R レイズナー」は、設定画に近づけるため、太ももなどの“白い部分”にパネルラインなど情報量を増やす演出を抑えめにしています。
このほか、腰の前面装甲中央の可動域が広いのも特徴です。太ももが当たる側面装甲が動くロボットフィギュアは多いですが、「HI-METAL R レイズナー」は中央部分も動くように設計されており、片膝をついたときや、レイズナーに多い下を向いての射撃ポーズもこの機構でより自然なポーズにできます。
――次はパイロットフィギュアについてお聞きしたいです。主人公アルバトロ・ナル・エイジ・アスカのパイロットスーツ姿のフィギュアはきちんと彩色され、雰囲気がありますね。
加納氏:彩色は細かく行い、作中の雰囲気を表現する予定です。パイロットフィギュアはコクピットに座る姿と立ち姿の2種を付属させます。立ち姿はレイズナーの肩に載せたり、ワイヤーの昇降装置で降りてくる姿も再現可能となっています。
エイジがレイズナーの肩に乗る姿はキービジュアルなどで使われた姿ですし、乗り降りする姿も印象的でディスプレイ映えします。またレイズナーの胸のパネルを開けて昇降機を差し込む箇所は、レイズナーの機能を再現しており商品の魅力の一つです。エイジの立ち姿のフィギュアはあえてこの1ポーズに限定しました。こうすることで「エイジとレイズナーの関係性」を前面に出せると考えました。
――すねの後ろ、ふくらはぎの所に「カーフミサイル」を装備しているのもレイズナーの特徴ですよね。巡航ミサイルのような大型ミサイルを装備しているのが当時のロボットとして珍しかったです。
加納氏:もちろんカーフミサイルは取り外せて、翼を出す変形を再現しています。もう1つ面白いギミックがあって、レイズナーの膝を深く曲げると膝裏にふくらはぎのカーフミサイルが当たってしまいますよね? このとき腿の裏側が沈み込むことでミサイルがぶつかる部分をめり込ませ、膝を深く曲げたポーズを可能にしました。これは「ROBOT魂 ver. A.N.I.M.E.」などで培った技術を取り入れています。
――そして作中のレイズナーの目玉ギミックとしては「V-MAX」があると思います。レイズナーは青いフィールドを張り巡らして敵のビームなどを無効化、さらに出力も大幅に向上させ圧倒的な力で敵を殲滅するV-MAXという隠された能力を持っていますが、こちらに関してはどのように表現なさったでしょうか。
加納氏:初期案では台座から青い光を出すといった方法も考えていましたが、商品が高額になってしまうこともあり、今回は青いフィールドをまとう姿は見送りました。しかしV-MAXが終了した直後に、排気と冷却を行う機構は、ハッチの開閉で表現しました。
具体的にはふくらはぎの両側面、腕の側面、肩の装甲のハッチ、設定されているハッチはすべて開きます。もちろん内部の表現にもこだわりました。そして「ハッチの開き方」にもぜひ注目してほしいです。ハッチ部分は細かい部品となるので一軸で開くのが通常のやり方です。その場合、開く部分の上端が内部にめり込んでしまいます。
「HI-METAL R レイズナー」では、現実の戦闘機のメンテナンスハッチの開き方を参考に、クランク状に開く機構を取り入れることで解決しました。非常に細かい部分ですが、クランク状に少し本体から離れて持ち上がるような動きをさせています。こうすることで「メカとしての説得力」が増したと思います。こうした細かなディテールを再現することで、実際のスケール感を感じられるような商品に仕上がりました。
――「HI-METAL R レイズナー」が出たからには次は何のSPTが出るか、気になりますね?
加納氏:今のところは未定です。「グライムカイザル」、「ザカール」、夢は広がりますが、決まっていないというのが正直なところです。「HI-METAL R レイズナー」がお客様にどう受け入れられるか、すべてはここからです。
何より今回、「HI-METAL R」のシリーズでレイズナーを商品化できたのが今は本当にうれしいです。『ダグラム』、『ザブングル』、『エルガイム』など他のサンライズ作品の「HI-METAL R」商品と「HI-METAL R レイズナー」を並べて立たせるととても見応えがあります。ぜひお客様にも手を取っていただき、この感動を味わってほしいです。
――ありがとうございました。
レイズナーは頭部にキャノピーに覆われたコクピットを持つロボットだ。アニメ『蒼き流星SPTレイズナー』を手掛けた髙橋良輔監督は、『太陽の牙ダグラム』の「ダグラム」でも頭部にコクピットを持つロボットを描いている。陸戦兵器であったダグラムに比べ、レイズナーは涙滴型のキャノピー、飛行ポーズ時のシルエットなどで戦闘機のイメージが重なるデザインとなっている。また、キャノピーに覆われたコクピットがそのまま頭部となっているダグラムと、“顔”を持つレイズナーのキャラクター性の違いも比較をすると面白い。
「HI-METAL R レイズナー」は立体物にするとキャノピーで隠されてしまう目をLEDで発光させ強調するというギミック、しかもそれをレイズナーの象徴的な飛行ポーズでも表現できるように光の導線を仕込んだ専用の首パーツまで用意しているところに開発スタッフの思いの強さを感じた。
そしてV-MAX演出である。正確には「V-MAX発動後の放熱演出」であるが、体中のハッチが開いた姿というのは、当時のロボットプラモデルの人気の改造作例だったが、それをアニメの演出として取り入れたのは衝撃だったし、この「HI-METAL R レイズナー」はこのギミックを再現しているところがとても魅力的に感じた。
話を聞くことで、加納氏とアーミックの担当者の思いがぎゅっと詰まっているのが実感できた。多くの人に手にしてほしい商品だ。
(C)サンライズ



































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