インタビュー

「トイライズ ガオガイガー」開発担当者インタビュー

変形、アクションなど“遊び”を追求した勇者王が満を持して登場

【トイライズ ガオガイガー】
2026年9月下旬 発売予定
価格:28,600円

 タカラトミーのハイターゲット向けホビーレーベル「T-SPARK(ティースパーク)」は、タカラトミーが持つ豊富な経験と知識を注ぎ込んだプロダクト「トイライズ」シリーズで、「ガオガイガー」を商品化。2026年9月下旬に発売を予定し、価格は28,600円。

 TVアニメ『勇者王ガオガイガー』よりガイガーと三機のガオーマシンが合体(ファイナルフュージョン)した最強の重機動メカノイド「ガオガイガー」が立体化。これまで「トイライズ」シリーズではOVA『ガオガイガー FINAL』から「ジェネシックガオガイガー」、「ガオファイガー」が商品化され、今回満を持して「ガオガイガー」が登場する。

 さらに、物語中盤に登場したステルスガオーの宇宙仕様「ステルスガオーII」と合体した「スターガオガイガー」にすることも可能。

「トイライズ ガオガイガー」(スターガオガイガー)。

 「トイライズ ガオガイガー」では各ガオーマシン「ライナーガオー」、「ステルスガオー」、「ドリルガオー」の各形態はもちろん、ライオン型の「ギャレオン」から人型の「ガイガー」への変形ギミックを搭載。

 そして、「ガオガイガー」形態でも様々なアクションポーズを取ることができ、かつてタカラトミー(当時:タカラ)から発売された「DX超人ガオガイガー」から約30年の時を経て再びタカラトミーからぼくらの勇者王が蘇る。

 本稿では試作品の写真を交えて、タカラトミー ホビーキャラクター事業室コレクター事業部の開発担当者に「トイライズ ガオガイガー」の魅力を聞いてみた。

【TOYRISE:トイライズ ガオガイガー 商品プロモーションビデオ公開!】

合体・変形・アクション、“遊び”を追求した勇者王が登場

――「トイライズ ガオガイガー」の商品化・開発の経緯をお願いいたします。

開発担当:商品化開発の経緯につきまして、実はバンダイナムコフィルムワークスさんにお話をさせていただいた時から「ガオガイガー」、「ガオファイガー」、「ジェネシックガオガイガー」の3つを作りたいとご提案しておりました。

 元々「ガオガイガー」も多くのメーカーさんが商品化しているIPですので、キャラクター玩具としてやってないことは、実はあんまりないと思っていましたので、このアイディアが企画の核になっていました。

――確かに色々な立体物が出ていますよね。

開発担当:弊社が最初に「トイライズ ジェネシックガオガイガー」を発表させていただく直前や同じタイミングでも、他社さんから様々な商品が発表・が発売され、『勇者王ガオガイガー』シリーズは、ほぼ隙間がないような商品展開がされていました。

 そこで、まず弊社からの提案としては換装合体ができること、そして、玩具らしくかっこいいガオガイガーを打ち出していきたいという点が、そもそも企画の発端でした。

 そこから、いろんなアイデアが増えていき、「ジョイントをいっぱいつけましょう」などがトイライズシリーズのコンセプトがまとまってきた段階で、『勇者王ガオガイガー』シリーズの第1弾として「トイライズ ジェネシックガオガイガー」を発表させていただきました。商品の展開もタカラトミーらしく、ユーザーの皆さんに遊んでいただくために順番を決めていまして、おそらくファンの方々は、「ジェネシックガオガイガーから部品を変えて、早速ガオガイガーが出るだろう」と予想されていたかと思います。

 ただ、いい意味で裏切りたくて第2弾に「トイライズ ガオファイガー」を商品化し、そして満を持して「トイライズ ガオガイガー」を出したいという想いがありました。

「トイライズ ジェネシックガオガイガー」(2025年8月下旬 発売)
「トイライズ ガオファイガー」(2026年2月下旬 発売)

――ちなみに今回のガオガイガーを立体化するにあたってのコンセプトは何でしょうか?

開発担当:一番のコンセプトは“遊び”です。これは「トイライズ ジェネシックガオガイガー」、「トイライズ ガオファイガー」にも共通することでもあります。

 弊社はおもちゃ会社として創業当初からやれせていただいており、時の勇者シリーズの玩具を作らせていただいた、タカラトミーとしてそこ大事にしたいところでした。

 また、最近のホビー商品は造形面を突き詰めたものが多いので、「遊びを突き詰めた商品」が少ないと思い、そこを突き詰めてみようと思ったのが元々トイライズの企画コンセプトで、我々もそれに倣う形で遊んでみよう、遊べる要素が多いものを作っているという感じで企画が詰められています。

 そのため、大事な関節部にクリック関節を採用したり、換装合体をして全体のバランスが悪くなる状態を考慮して、きちんと立てるように踵パーツをしっかりつけようと考えたりと、遊びやすさを意識して設計しています。

 また、余剰パーツを極力出さないようにしたのもこだわりです。

 変形合体して遊ぶので、毎回余剰がポロポロ出たら遊びづらいだろうと思い、差し替え手首になるところなどは可動を頑張って仕込み、完全なポージング再現はできないけれども、ユーザーのイメージで補って楽しく遊べるという商品を目指していきました。

“遊び”を追求したガオガイガー
宇宙仕様のスターガオガイガー

――造形面についてですが、過去にタカラトミー(当時:タカラ)から「DX超人ガオガイガー」が発売されているのもあり、どのようなアプローチがされているのか気になるところだと思います。

開発担当:当時品は、玩具としてはガイガーの時はよく可動しますが、合体すると一気に可動に制限が出てしまっていました。これは当時のターゲットがまだ小さいお子さんだったので、合体してもしっかりと遊べる頑丈な商品が目指されていたからだと思います。

 トイライズのガオガイガーでは、この頑丈な商品という考えは大事にしつつ、完全変形合体を踏襲して、動かしたかったところは基本的に動かせるようになっています。細かいところでは指先も動きます。

 また、完全変形にしたかったので、頭のヘルメットはちゃんとステルスガオーからアームを伸ばしつつ、可動軸を仕込んで、頭部を左右に振れるようになっています。

 余剰パーツや別パーツにならない仕様になっています。アームは機構の都合上どうしても目立ってしまうので、アニメの設定をベースにしっかりと造形を入れております。

ガオガイガーのヘルメットパーツはステルスガオーから伸びて合体する仕様となっている

開発担当:ほかにも当時品を意識した部分が大きく2箇所あります。

 1つはライナーガオーの合体です。劇中でもライナーガオーがガイガーの胴体を貫通する合体を見せており、商品画像を公開した時もそれを再現しているのか気になっている方も多かったと思います。

 ライナーガオーのこの合体機構は当時の担当者が作った時からこだわっていた部分で、「簡単な変形でライナーガオーが貫通しているだけに見えないようにする」というアイデアを踏襲しています。そのため、変形状態の軸に工夫がしてあります。

 じつは、ライナーガオーの変形は左右がそれぞれ1軸で上に持ち上がってロックしているだけなのですが、その曲がる位置が工夫されており、合体すると肩がいわゆる怒り肩になるように設計されています。

――個人的に気になっているのが、ガイガーの胴体を貫通する合体なのでパーツの擦れが気になりますが、そこの対策などはされていますか?

開発担当:その点については、ライナーガオーの形状を少し工夫しており、擦れを極力減らすようになっています。

 例えば、天面は隙間を少し作るように造形し、側面の窓部分も実は触っていただくと分かりますが、1段くぼんだ造形となっています。これで隙間が空くようにしており、基本的には当たらないようにクリアランスを設計しております。

肩となるライナーガオーは天面や側面を工夫し、クリアランスを設けた造形となっている

開発担当:さらに、ライナーガオーは当時のこだわりで、ちゃんと転がし走行ができていました。

 「トイライズ」でも、転がし走行できるように車輪がついています。腕を引き出すための引っ掛けが別パーツで出てくる。ガオガイガーは、肩を貫通する狭いエリアの中に腕が入っているという都合上、二の腕が非常に出しづらい構造になっています。

 そこで車輪の引き出し機構があり、そこに爪を引っ掛けることでまず車輪が出てきて、転がし走行ができます。さらに、ここが爪の引っ掛けになるので合体する時に二の腕を出しやすい構造になっています。

ライナーガオーには車輪の引き出し機構があり、二の腕も引き出しやすくなっている

開発担当:本体のディテールに関しては「DX超人ガオガイガー」にあったディテールも盛り込んでいます。

 今回塗装はしていませんが、例えばステルスガオーは「DX超人ガオガイガー」では赤いライン部分に白縁が施され、白、赤、白という2重の線になっていました。それをディテールで採用しています。

 当時品を持っている方は「これは!」と思っていただけるようになっています。

「DX超人ガオガイガー」から引き継がれたディテールも盛り込まれている

――ちなみに今回のギャレオン/ガイガーですが、こちらは新規造形でしょうか?

開発担当:大まかなデザインは「ジェネシックガイガー」と共通しています。

 ただ、ジェネシックギャレオンがTVシリーズのギャレオンとデザインが変わっているので、そこは異なる部分はしっかりと作り直し、ガオガイガー専用のギャレオン/ガイガーになっています。

――ドリルガオーでこだわった部分などはありますか?

開発担当:ドリルガオーは側面のライトパーツですね。こちらはクリアパーツを使用しております。

 また、ドリル部分は取り外しが可能で、5mmジョイントになっているので「トイライズ」オリジナルの遊びとして好きな箇所に着けることもできます。

 「トイライズ」では組み換え遊びも楽しんでいただけるように意識しておりまして、「トイライズ ジェネシックガオガイガー」などと合わせて遊んでいただければ嬉しいです。

ドリルガオーの側面のライトパーツはクリアパーツを使用
「トイライズ」シリーズで組み換え遊びが可能

――「トイライズ」であれば『勇者王ガオガイガー』シリーズ以外との組み合わせて遊ぶ楽しさもありますね。

開発担当:5mmジョイントが多いので、自由に遊べますが、ユーザーの皆さんは我々の想像以上の組み合わせや遊びをされているのを見て「これは想定外」と思いましたね。さまざまな合体の例を楽しく見させていただいています。

――ステルスガオーについてですが、こちらはパーツの差し替えでステルスガオーIIにできるのでしょうか?

開発担当:そうです。最低限の差し替えで、ステルスガオーIIにすることができます。

 差し替えは翼端の赤いパーツを取り外して、ブースターポッド内に可動軸がありますので、これに接続する形になります。ブースターポッドが付いたことで自重も増えるので、踵部分がさらにもう一段階展開することで安定したディスプレイができます。

翼端パーツを取り外して、ブースターポッドを取り付ける
踵のパーツが展開し、スターガオガイガーの状態でも安定してディスプレイができる

開発担当:また、機体の基部はステルスガオーII用パーツを被せる形になります。固定には、ガオガイガーがヘル・アンド・ヘブンを放つ際に露出するスラスター部分を用いるのですが、ここが可動式になっており、展開することでジョイント穴が現れるようになっています。

ステルスガオーのスタスター部分が展開し、ジョイント穴が現れる
カバーパーツを取り付けることでステルスガオーIIにすることができる

開発担当:さらに、「ガッツィー・ジオイド・ガード」版のゴールドと「ガッツィー・ギャラクシー・ガード」版のグリーンのロゴがそれぞれあるので、差し替えることで宇宙仕様のステルスガオーIIを完全再現することができます。

 また、ブースターポッドもウルテクエンジンを起動していない状態と起動したクリアグリーンのパーツを差し替えで表現できるようになっています。中にあるウルテクエンジンのGSライドの造形も入っていて、デザインの外から中まで楽しめるようになっています。

ブースターポッド内も作り込まれている

――スターガオガイガーといえば、ファントムリングとプロテクトリングも気になるところですが、こちらはどのようになっていますか?

開発担当:ファントムリングとプロテクトリングはブースターポッドから取り外すことができます。ジョイントでつながっていて、それとは別にそれぞれ内側にクリアの5mm棒があります。

 これによって手に装着することができます。手のひらも親指パーツがジョイント穴になっているので、右腕のブロウクンファントムはもちろん、左腕のプロテクトウォール状態も再現できます。

 ここはシリーズ共通なので、「トイライズ ガオファイガー」のエフェクトパーツを付けることも可能となっています。

ファントムリング、プロテクトリングを手に付けてポージングができる
ツールの「ディバイディングドライバー」を装備

――続いて、可動についてお伺いできればと思います。ガイガーからガオガイガーに合体する際に腰が180度回転するので、膝関節がどのようになっているのかが気になります。

開発担当:ガオガイガーの状態では脚を伸ばした状態で、そこから前後に曲がるようになっています。

 また、ガイガーの状態だと実は下側にも関節が入っています。これはギャレオンに変形するための関節なのですが、ガオガイガー状態になると、そちらは中に入ってしまって動かなくなります。なので腿側の関節が180度程度まがるようになっていて、この部分で可動を両立しています。

 膝関節にはクリック関節を採用しているのでガオガイガーやガイガーの状態でもしっかりと自立できるようになっています。ドリルニーのような片足立ちも製品版ではできるように開発を進めています。

――腕周りの可動はどのようになっているのでしょうか?

開発担当:腕には特殊な機構を入れるのではなく、どちらかというと軸の配置を工夫しています。

 ジェネシックガオガイガーの時から変形しなくても、ヘル・アンド・ヘブンができるようにしようと考えていました。ガオガイガーはどうしてもデザイン上、胸周りのタテガミが干渉してしまうので、肩の関節が内側になると当たってしまいます。

 「トイライズ ガオガイガー」は、遊びやすくするために肩の関節がタテガミより外に来るようにして成立するように作っています。そうすることで、腕を前に出しても干渉しません。あとは腕の長さを調整することで、手は組めるように工夫しております。

 ここもやはり余剰パーツを出したくないというのもありました。

――「トイライズ ガオガイガー」を開発していく中で苦労した点などはありますか?

開発担当:本商品というより「トイライズ」シリーズになるのですが、ジェネシックガオガイガーを最初に作る段階が実は一番大変でした。

 当時のOVA『ガオガイガー FINAL』では、おもちゃ化をしない前提でデザインが組まれているので、大なり小なり“アニメならではの嘘”があり、それを真面目にやろうとすると、玩具で再現するのは困難でした。

 なので、「トイライズ ジェネシックガオガイガー」の段階でどこまで割り切って完全変形させるかを考えるのが大変でした。

 その後、ガオファイガーを開発する時にも同じようなことが起き、ガオファイガーは一旦変形しやすく、それらしく見えるようにするにはどうすればいいかと悩みながら構造を作り、商品化しました。

 一方で今回の「トイライズ ガオガイガー」は基本的には元々おもちゃとして成立していたものだったので、それをどこまでブラッシュアップできるかを加味していきました。シンプルなので、パーツの配置などでごまかしにくい部分があり、そこは苦労しましたね。

 そのため、「肩の関節をどこに置こうか?」、「どこで変形させたら物として成立するか?」など地道な戦いを繰り広げながら、形にすることができました。

――『勇者王ガオガイガー』シリーズの3体がトイライズで商品化されますが、今後の展開などはありますか?

開発担当:まだ明言することができませんが、「T-SPARK」全体でファンの方々の熱量をすごく感じているので、今後もご期待いただければと思います。

――最後のユーザーへのメッセージをお願いいたします。

開発担当:先ほどトイライズの組み替え遊びのお話もありましたが、トイライズのコンセプトが想定以上に皆さんに楽しんでいただけているようで、嬉しい限りです。

 今回の「トイライズ ガオガイガー」にも、お客様に楽しんでいただける共通ギミックが多く盛り込まれているので、ぜひ手に取って遊んでいただければと思います。そして、これからもトイライズシリーズを何卒よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。