インタビュー

京商、「ワイルドスピード」、1/18ダイキャストミニカーインタビュー

北米ユニバーサルで"本物"を取材! ここでしか見れないボディを外した姿も

【1/18 ダッジ・チャージャー 1970 "Fast & Furious" (ブラック)】
8月下旬発売予定
価格:38,900円
全長:294mm
重量:1,080g
【1/18 トヨタ スープラ ターボ 1994 "Fast & Furious" (オレンジパール)】
7月下旬発売予定
価格:38,900円
全長:254mm
重量:710g

 京商は6月末から映画「ワイルド・スピード(The Fast & Furious)」関連の製品を展開していく。今回はその中から、ダイキャストモデルのミニカー「1/18 ダッジ・チャージャー 1970 "Fast & Furious" (ブラック)」と、「1/18 トヨタ スープラ ターボ 1994 "Fast & Furious" (オレンジパール)」に関して、開発者にその魅力を聞きながら深掘りしていきたい。

 「ダッジ・チャージャー」と「トヨタ スープラ」はシリーズ1作目となる映画「ワイルド・スピード」において主役と言える存在だ。ダッジ・チャージャーは1970年の古い車だが、ボンネットからは空気を取り込んでエンジンに送り込む「スーパーチャージャー」が突き出している。トヨタ スープラは後部に「ニトロ」を搭載。速さのためだけに安全性をかなぐり捨てている。ミニカーはその車としてのリアリティだけでなく、映画のキャラクター性を細部まで精密に再現している。

 ミニカーと言うが、その全長は約254mm、重量感もあり所有感を満たしてくれる。製品ではドアに加え、ボンネットやトランクも開けられる。内部までぎっしりと再現されている。これらは米国のユニバーサル・ピクチャーズまで取材に行っただけでなく、映画自体を何度も見直して作り込んだという。今回は本商品のプロモーション担当である竹川禎寿氏と開発担当の足立喜代顕氏に話を聞いた。

【Fast & Furious KYOSHO Miniature Car】
今回話を聞いた本商品のプロモーション担当である竹川禎寿氏(左)と、開発担当の足立喜代顕氏(右)

北米ユニバーサル・ピクチャーズでの綿密な実車取材、映画を何度も見直しての設計

――まず、この製品が生まれた企画の経緯を教えてください。

竹川氏:2026年は「ワイルド・スピード」の第一作が公開されて25周年になるんです。昨年から今年にかけて各社から様々な商品が出ています。弊社としては他社の製品に負けない、最高の商品を生み出そうと、一昨年から準備を進めていました。

 今回は「1/18ダイキャストモデル」と、「1/12レジンモデル」の2種類のシリーズで展開します。1/18モデルは海外でも人気の高い弊社のフラグシップと言えるシリーズです。ダイキャストモデルではドアやボンネット、トランクなどがフルオープンでき、内部も含めた詳細な表現に力を入れています。レジンモデルは昨今特に人気が上がっている商品で、やはり大きさとレジンでの精密な表現が魅力です。

 1/18ダイキャストモデルは世界的なミニカー業界の中でスタンダードといえます。だからこそ京商ならではのクオリティを出したい。そう考え、2年という他の製品と比べて長い時間をかけて開発しました。

ボンネットからスーパーチャージャーが突き出した「ダッジ・チャージャー」。映画ではもう1人の主人公ドミニク(ドム)の父親の遺品であり、レストアしてクライマックスで活躍する

――ミニカー開発のノウハウを京商さんはしっかり積み重ねています。しかし今回は、「映画に登場する車を再現する」という実車とは異なるアプローチが必要になったと思います。

竹川氏:R/Cもそうですが、弊社の強みは「実車メーカーとのつながり」にあります。商品化する車種に対して、詳細な写真やデータをいただけるだけではなく、実車に触れて取材ができます。

 そこで今回は「ワイルド・スピード」を配給する北米のユニバーサル・ピクチャーズ、もっと正確に言えば映画に使う車を製作しているところに行って、撮影に使われた車を取材しました。10日くらいの期間をかけて綿密に取材しています。

足立氏:実車を3Dスキャンするとともに、各部の詳細な写真撮影を行っています。しかし、やっぱり見て触れないと、その造型を深く理解できないんです。

 表面の塗装の感じや、ドライビングシートの触感などもそうなんですが、特にボディの"線"なんです。車を構成する線は車種ごとに特徴があります。特に側面の前方から運転席に流れる線の感触は、触れてみることでしっかりと自分の中で製品化へのイメージに繋げることができます。

 ……そして、今回の取材では3台の車を取材しなくてはいけなかった。10日というと長いように聞こえますが、取材に夢中になっているとあっという間でした。

主人公ブライアンが乗るトヨタ スープラ。後部にニトロのタンクを積む。ブライアンは実は潜入捜査官だったが、その立場もかなぐり捨ててレースにのめり込んでいく

竹川氏:開発者が実車を触る意味は、実は「模型化するための正確なデータ収集」だけではないんです。ミニカーというのは、例えばノーズの長さや、車体とタイヤのバランス、細かいシルエットなどがほんの少し実車と異なる場合もある。

 実車をそのまま縮小するわけではなく、それぞれのサイズやモチーフによっても、ほんの少し“デフォルメ”とも呼べるアレンジをします。その時に開発者は実車を触ることで、どう表現するかを五感で感じた上でイメージする。そういう作業も行っています。

――製品に触らせてもらいます。見た目は非常に精密で、ずしりと重いですね。ボディはダイキャストで作られていて、内装や底面は樹脂製という感じでしょうか? 底面までしっかり作られていますね。

竹川氏:ボディをダイキャスト、シャーシをABSで作っています。ダイキャストモデルの魅力はやはり重さと金属感ですよね。目で見て眺めて、その精密さを楽しんでから、手で持つとボディの金属の質感と持ち上げたときのずしりとした重さが、ユーザー様に「俺はすごい物を手に入れてしまったぞ」と感じさせる。その効果はとても大事だと思います。

――ダイキャストは重さや質感という魅力がある一方、加工の難しさ、そして薄すぎると強度が足りなくなるといった、厚みに対しての問題があるかと思います。現実の車より厚くなったりするのでしょうか?

足立氏:強度を持たせることを考えた上で、できるだけ薄く作っています。薄く作りながら、ボンネットやトランクなどにはリブ(折り返し)が入るので、そこは厚くというように、現実の車の”薄さ”を再現し、金属のボディを仕上げています。

前方が今回取材した1/18のダイキャストモデル。後方の3台は1/12のレジンモデル。今回、この5商品が6月から8月まで展開していく