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「宇宙世紀」の「ガンダム」がこれからの人類の宇宙進出に果たす役割とは?
「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION(GUDA)」発表
2021年6月16日 12:04
- 6月15日発表
バンダイナムコグループは、「機動戦士ガンダム」シリーズに関する施策を発表する「第1回 ガンダムカンファレンス」をオンラインにて実施し、ガンダムを活用したサステナブルプロジェクト「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION(GUDA)」の始動と、その一環となるプログラム「ガンダムオープンイノベーション」を発表した。
サステナブル(Sustainable)とは、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味する。今回のカンファレンスではビジネス面での「ガンダム」IPの活用だけでなく、今後社会の変化、より積極的な宇宙進出をしていこうという時代において"宇宙世紀"という宇宙に人々が生活の場を移した「ガンダム」と言う物語が、現実社会において役割を果たせるかの問いかけをしていこうというものだ。
発表会ではバンダイナムコエンターテインメントCGO藤原孝史氏が登壇し、同プロジェクトの内容やガンダムの事業戦略に関する最新情報を解説した。
世界により広く「ガンダム」の認知を! 「ガンダムプロジェクト」発足
2019年のガンダム40周年、2020年のガンプラ40周年における国内外の周年事業により、2020年のバンダイナムコグループのガンダムシリーズの売上推移は950億円まで成長したことを報告。この4月以降は同グループの組織改変に伴い、グループ横断での展開を強化すべく「ガンダムプロジェクト」を発足し、ガンダムとガンプラが45周年を迎える2025年には、グループ売上1500億円を超えるIPへと成長させていく計画だ。
ガンダムをグループ最大級のIPに成長させるための戦略について、2つのプロジェクトが提示された。ひとつは「グループ横断によるガンダム戦略強化」。「世界規模での話題創出」、「国内活性化戦略」、「ターゲット別&MD連動型作品展開戦略」といった戦略を掲げ、国内外のガンダムIPのさらなる強化をはかっていく。
「ガンダム」で提示されたSFアプローチを現実社会で活用する「GUDA」
続いての戦略が、本日の主題となる「ガンダム×サステナブル」だ。IP軸戦略のもと、ファンとともにグループが向き合うべき社会的課題に対応したサステナブルな活動に、ガンダムを通じて取り組んでいく。
既にグループ4社による共同プロジェクト「GUNPLA RECYCLING PROJECT」を今年3月よりスタート。ガンプラを組み立てた後に残るランナーを、ファン協力のもとに回収し、新しい商品として発売する「マテリアルリサイクル」、他社との協力のもと最先端のリサイクル技術で新たなプラモデル製品に生まれ変わらせる「ケミカルリサイクル」、リサイクルしたときに出る熱エネルギーを電力に変える「サーマルリサイクル」の3種類のリサイクル活動を行なっていくというものだ。現状の回収量は年間10t程度で、この活動をさらに推進し、リサイクルの座組みを構築していきたいと述べる。
そしてガンダムを社会に還元していくプロジェクトとして立ち上がったのが、冒頭でも述べた「GUNDAM UNIVERSAL CENTURY DEVELOPMENT ACTION(GUDA)」だ。ガンダムが地球をその手に乗せたビジュアルが美しいこのプロジェクトは、来たるべき現実の宇宙世紀の開幕に向け、ガンダムを使ったサステナブルな活動を行なっていくというもの。
今後加速するであろう宇宙への進出において、宇宙における様々な問題を描いたガンダムのメッセージ(人口問題・地球環境問題)は、これからの人類にとって価値のあるものであり、リアルな宇宙世紀の幕開けに向け、フィクションのガンダム世界の宇宙世紀を教訓として、よりよい世界を目指し、バンダイナムコグループがガンダムを旗印に、ファンや外部パートナーと手を組み、未来の子供達のために様々なアクションを行なっていく。
その一環として発表されたのが、「ガンダムオープンイノベーション」だ。2018年よりバンダイナムコホールディングスが進めていた「バンダイナムコアクセラレーター」を次のステージへとリニューアルして実施するもので、ガンダムを使った人口問題や環境問題への新しい活動や技術を幅広く募集するというもの。
「機動戦士ガンダム」という作品は40年以上前に、増加する人口や悪化する地球環境に対して警鐘を鳴らしていた。さらに宇宙進出と人類の関係を密接に描き、我々が宇宙や未来、平和を考える作品となった。フィクションであるガンダムの世界からインスパイアされた技術やアイデアがあるからこそ、現実に活用できる新しいアイデアがあるのではないかと、このプロジェクトに期待を込めていると藤原氏は語る。
バンダイナムコグループは、世界の未来のために貢献できることは何かを本気で考え、ガンダムを世界の未来のために役立てたいと宣言。これまでのキャラクターとしての「IP(Intellrctuall property)」を、社会的アイコンの「SP(Social property)」へと成長させる思いで取り組み、そのためにガンダムを愛する人々の知恵と力を借りて、一緒にガンダム・ガンプラ45周年、そしてその先へ歩んでいきたいことを述べた。
2019年から2020年にかけての40周年で盛り上がりを見せたガンダムシリーズだが、国内外のファンに向けた今後の新しい取り組みにも大いに期待がかかるところだ。また今回発表されたガンダムオープンイノベーションは、かなり壮大なプロジェクトとなりそうで、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の動くガンダムのような、これまで誰も考えもつかなかったガンダムの未来を楽しみに、その展開を見守っていきたい。