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【WF2022冬】ソフビでレイズナー!? 新しいソフビの表現に挑戦し続けるビックワンクラフト
2022年2月7日 14:06
- 【ワンダーフェスティバル2022[冬]】
- 2月6日 開催
ビックワンクラフトはレジンやプラモデルが繊細な表現を突き詰めようとする現代において、あえてソフトビニールでの表現にこだわったメーカーだ。
ソフトビニールのフィギュア、もっと乱暴な言い方をすると「ソフビ人形」は、大量生産しやすいがディテール表現は苦手で、「子供の玩具」というイメージが強い。1970年代まではキャラクターフィギュアと言えばソフビ人形で、その造型技術が未成熟であり、制作側の思いや都合もあって、特徴のある頭が大きな、頭身としてずんぐりむっくりなデザインが多かった。
ビックワンクラフトの代表を務める阿部亨氏はその"ソフビ人形の味"をあえて現代に持ち込む頭が大きな、ディテールを抑えたソフビフィギュアをメディコムトイで展開していたが、そこからさらに「ソフトビニールの評言をさらに突きつめる」ために会社を興してビジネスを開始した。
その最新作が、「レイズナーレガシー」である。「青き流星SPTレイズナー」の主役メカレイズナーをアニメ放映当時の設定画に近いバランスで再現しているため、頭身としては頭部が大きいが、「これがソフビ製か」と思うほどにディテール表現がしっかりしていて、パーツ構成も細かい。発売日は未定だが、価格は19,800円(税込)。
本商品は彩色済みの完成品だけでなく、半額の価格8,800円(税込)でのキットでも販売予定、こちらは無彩色となる。本商品はフィギュア内部にインナーフレームを仕込み、ソフビの部品をかぶせるように組み立てていく。ダクトなどが別パーツになっていたり、フレームから出っ張るような設計になっており、彩色のしやすさも考えているとのこと。パーツ構成、クリアパーツの使用、細かい表現など「ソフビ」という概念そのものを壊すような意気込みでの商品となっているという。
阿部氏は「ダグラム」や「バイファム」も「レガシーブランドで展開している。さらに「マジンガーZ」や「ゲッターロボ」も。どの商品もソフビならではの味がありながら、従来のソフビでは出せなかったディテールを実現している。
会場でファンとの話で盛り上がっていたのが「デスタン」のソフビ。デスタンとは「太陽の牙ダグラム」に登場するキャラクターで、最初は主人公と同じ植民星デロイアの独立を願うゲリラの小規模なリーダーだったのだが、権力や情勢に翻弄され、密告屋にまで落ちぶれてしまう。しかしそんな彼が反独立を影で操ろうとするラコックとの出会いの中、デロイアの歴史に重要な役割を果たすようになるのだ。
阿部氏は「太陽の牙ダグラム」は主人公クリンに加え、ラコック、デスタンをソフビ化している。「どうしてもソフビ化したかった」と阿部氏はこの2人のキャラクターへの愛着を語った。「ダグラム」ファンなら思わずうなずいてしまうのではないだろうか。ソフビという独特の表現素材を武器に、阿部氏が今後どのような世界を構築していくか注目したい。