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「モデラーズクラブ合同作品展」で、大きさと想いに圧倒された「1/24 ダンバイン」と、「1/2 ブルーティシュドッグ」【#静岡ホビーショー】
2024年5月12日 08:58
- 【第62回 静岡ホビーショー】
- 開催期間:5月8日~12日
- 会場:ツインメッセ静岡
- (静岡県静岡市駿河区曲金3-1-10)
- 入場料:無料
静岡ホビーショーの一般日は、各メーカーの新製品に負けない"目玉"がある。それが「モデラーズクラブ合同作品展」である。この日のために日本全国のモデラーが新作や自信作を持ち寄り出展を行うのだ。
本稿ではその会場から"大きさ"と表現力に強い魅力を感じた「1/24 ダンバイン」と、「1/2 ブルーティシュドッグ」を紹介したい。どちらも強い思い入れを感じさせる作品である。なお、別校では会場で展示された作品をできるだけ多く写真で紹介するので、そちらもぜひ見て欲しい。
ボックスアートを再現! エポパテを削って作る「1/24 ダンバイン」
塚原克典氏は背景も含む圧倒的なボリュームのジオラマで「1/24 ダンバイン」を制作。この構図はアニメ放映当時発売されたプラモデル「1/72 ダンバイン」のボックスアートを再現したものだ。ダンバインはアニメ「聖戦士ダンバイン」の主役機であり、主人公ショウ・ザマと、後半ではマーベル・フローズンが搭乗する。
構図を設定するにあたり塚原氏はプロジェクターにボックスアートを映し出し、ポーズや配置を決めていったという。「1/72 ダンバイン」のボックスアートは現在でも人気が高く、空中を浮遊するオーラバトラーならではの魅力を描き出している。塚原氏はその絵を立体で、しかも大スケールで表現したのだ。
「1/24 ダンバイン」は実はかつてバンダイ(現:BANDAI SPRITS)から発売されていたプラモデルが存在する。塚原氏はこのプラモデルを原型とし、内部にエポパテを充填させた上で理想のダンバインを表現すべく削り込みを行っていったとのこと。
中空のプラモデルから、内部をパテで埋めたモデルにした場合、各パーツは重量が増す。この重量をカバーしポーズを保つため、アルミの"芯"を使いポーズを安定させている。羽根の基部にはマグネットを使い保持させている。各パーツは持ち運びのため分解可能になっており、今回実際に取り外したところも見せてもらった。
また、プラ板の加工には「ハンダごて」を使用したという。プラモデルの改造に熱を利用した工具「ヒートペン」が使われることが多いが、大サイズのプラ板の加工にはヒートペンでは熱が足りず、ハンダごてによる熱量が必要だったとのことだ。大型モデルならではの話はとても面白かった。
全高2m! ダンボールで表現された「1/2 ブルーティシュドッグ」
会場入り口近くに展示され、圧倒的な存在感で来場者の目を引きつけていたのが魔天郎氏の「1/2 ブルーティシュドッグ」だ。アニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場するヒロイン・フィアナが登場する機体だ。ブルーティッシュドッグの全高はおよそ4m、2mほどの巨大な立像はダンボールで作られている。
この巨大な、「1/2 ブルーティシュドッグ」は、かつて販売されていたペーパークラフトを拡大したものがベースになっている。紙でどのように肩や頭が丸いブルーティッシュドッグのディテールを再現するか、そのテクニックを活用したとのこと。それでも拡大すると紙の角は目立ってしまう。魔天郎氏は肩や頭など丸みが必要な部分には紙粘土を使い曲線を表現したという。
ダンボールはうまく組めば驚くほどの強度を発揮する。きちんと組み上げることで立体物として大きなものを表現できるが、「1/2 ブルーティシュドッグ」では、会場で展示するため、運び込むためにも強度と分解する機構を盛り込んでいる。下半身には木の骨組み、腕にはパイプを通し、強度と分解しやすさを実現している。
さらに機体の前にはパイロットであるフィアナがダンボールで立体化されている。こちらは海外製のペーパークラフトを参考にしているとのこと。女性らしさを出すため、機体以上に紙粘土を多用し、フィアナをしっかり作り上げていた。