レビュー
次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」レビュー
アサルトライフルを両手に握り、反動を実感しながら連射する楽しさ!
2020年10月20日 00:00
- ジャンル:次世代電動ガン
- 開発・発売元:東京マルイ
- 価格:69,800円(税別)
- 発売日:2019年2月
- 全長:715 mm / 790 mm(ストック伸長時)
- 重量:3,210 g(空マガジン、バッテリー含む)
- 装弾数:82 発
ついに次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」を手にした。電動ガンとはモーターにより空気を圧縮して撃ち出すエアガンであり、“次世代電動ガン”とは銃内部で重りを動かすことで、本物の銃が弾丸を撃ち出すことで生じる反動を再現する東京マルイの電動ガンブランドである。射撃を行なうとリコイル(反動)が生まれる。この感触が楽しい商品だ。
筆者はガスブローバックガンである「ハイキャパ D.O.R」が初めての本格的なエアガンとなった。15m離れた距離でも的にしっかり当たる正確性、ガスブローバックガンならではの反動、ドットサイトである「マイクロプロサイト」を使うことでの狙いやすさ……1つのハンドガンで色々なことが実感できた。その後もエアガンを調べる時や、単純に的を撃つ楽しさを味わいたくて「ハイキャパ D.O.R」を楽しみ、興味がふくらみ、次は“長物”を手にしたいと思ったのだ。
「長物」とは、アサルトライフルやスナイパーライフルなどの大きな銃を指す。さらにガスガンではなく電動ガンを手にしてみたい。こういった理由から次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」に決めたのだ。今回は外観や撃つ感触を楽しんでみた。その体験を語っていきたい。
なお、次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」はインタビューも行なっている。加えてガスガンの「Mk18 Mod.1」も先日発売されており、現在進行中の「エアソフトガン超入門」第2回で詳しく扱っているので、併せて読んでいただければ、一層楽しめると思う。
東京マルイが初めて実現した、反動が楽しめる電動ガンの面白さ
まずは次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」の概要を少し語ろう。モチーフとなる「Mk18 Mod.1」とは、特殊部隊で使用されている「CQB(クロース・クォーターズ・バトル/近接戦闘)」向けのカスタムで、ベースとなるM4A1カービンのバリエーションとなる。「Mk18 Mod.1」という名称は特殊部隊向けのマニュアルで確認できるが、特殊部隊の装備なため公式発表された資料は少なく謎な部分も多い。
本商品はそういった謎めいたモチーフを得られた資料から再現している。大きな特徴は銃身を覆うダニエル・ディフェンス社製のレイルハンドガード。ここに様々な装備をつけ多彩な任務に対応できるカスタマイズ性の高さが魅力だ。
「次世代電動ガン」というのは東京マルイが打ち出した電動ガンのブランドで、銃内部に重りをスライドさせるメカニズムを内蔵することで、実銃を撃つ際に生じるリコイルを擬似的に再現したシステムだ。この“演出”は大いにうけ、今では様々なメーカーが反動を感じられるエアガンを販売している。
電動ガンとはその名の通りバッテリーでモーターを駆動してピストンを動かし空気を圧縮してBB弾を打ち出す。エアガンには他にガスを噴出して撃ち出す「ガスガン」と、1回1回手でスプリングを縮め空気を圧縮して撃ち出す「エアコッキングガン」といったカテゴリーがある。
ガスガンはガスを気化させることでエネルギーを生むシステムなため、火薬を爆発させ弾を発射する実銃の雰囲気を再現できる。内部のパーツ配置などもできるだけ近づけることが可能で、さらにピストンを内蔵することで火薬の爆発力でスライドを動かし次弾を薬室に送り込む「ブローバック」の感触もガスを使って表現できる。一方でガスを気化させるシステムは低温に弱い。寒くなると想定するガスの圧力を出すのが難しくなるため、秋から冬に特に屋外での使用に制限がかかる場合がある。サバイバルゲームなどの場合で、冬はガスガンを使わない(使えない)ユーザーも多いという。
一方電動ガンはオールシーズンで安定して動作するのがセールスポイントだ。しかしモーターで空気を圧縮し撃ち出すので「射撃の感触」はガスガンと違ったものとなる。また反動を表現するためにはガスガンと違ったアイディアが必要となった。内部に重りを動かすシステムでユーザーにアピールした東京マルイのシステムは大いにウケた。だからこそ東京マルイの次世代電動ガンを体験してみたかったのである。
そしてモチーフである「Mk18 Mod.1」を選んだのは、米軍で使われており、取り回しがしやすいM4カービンのバリエーションモデルであり、サイズを抑えた近接戦向けのカスタマイズであることだ。この銃の大きな特徴が拡張性の高い「ハンドレイル」。このレイルにより様々なオプションパーツをつけられる。どんなカスタマイズをするか、というところがワクワクさせられる。今回はこのカスタマイズにも挑戦してみた。
特殊部隊の装備ならではの“本物感”が味わえるディテール
次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」のディテールを見ていこう。大きな特徴であるハンドレイルはやはりそのアルミを削り出した重厚感と感触が良い。安全性は考慮されているがレイルは素手で扱っていると皮膚を切ってしまいそうなほどにエッジが立っており、無骨な軍用兵器の雰囲気がある。
「Mk18 Mod.1」では射撃を切り替えるセレクターや、弾を撃ち尽くした時ボルトの動きを止めるボルトキャッチャーが銃の左側にある。セレクターは右手で銃のグリップを握りながらでも親指で操作できる様になっている。セレクターは引き金が引けなくなる「セフティ」、引き金を一発撃つと弾が1発出る「単射」、引き金を弾いている間、弾が出続ける「連射」が選択できる。これらのスイッチは右側にはついていない。
右側には薬莢を排出する排莢口があり、これを保護するポートカバーがある。エアガンは薬莢を使わないが、次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」は銃を撃つための準備としてマガジンを装着し、初弾を薬室に送り込むためにチャージングハンドルを引くと連動してポートカバーが開く。開いた排出口からは射撃に合わせてスライドが激しく動くのが見える。実銃の雰囲気が実感できるところだ。ちなみに弾に逆回転をかけて飛距離を伸ばす「ホップ」を調整するダイヤルは薬室内にあり、チャージングハンドルを引くことでこれを露出させ調整することが可能だ。
右側にはこの他にマガジンを外すためのマガジンキャッチボタンがある。このボタンを押すとマガジンは自重で落下する。映画の様にマガジンを捨てて供弾するのはカッコイイが、マガジンを落とすと傷がつくし、足に当たると危ないので、しっかりとマガジンは手で押さえておきたいところ。もう1つトラブル時に薬室を手動で押し戻す「フォアードアシストノブ」がある。
銃後方にはチャージングハンドルがある。給弾してからこれをガチャリと引くことで初弾が発射位置にセットされる。実銃を撃つ動作を再現できるのが楽しい。さらに後部にはストックがある。このストックは射手の体型などに合わせ長さを細かく調整できる。またストックは次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」の場合バッテリーの収納スペースでもあるため、実銃のようにストックが取り外せない。バッテリーはかなり長く持ち数千発分撃てる。ガスガンのように頻繁にガスの補充がいらないところはメリットだが、充電には数時間かかる。筆者は念のため予備のバッテリーも購入した。
銃の上方にはフロントサイトとリアサイトがある。リアサイトの丸い穴の中からフロントサイトを見て照準するのだ。この無骨な照準器がいかにも軍用らしくて良い雰囲気である。このサイトをのぞき込み照準を定め、対象を撃つのである。
鍋を撃って弾道を見る? 的に弾を当てる楽しさ
いよいよ射撃である。今回は15m離れた場所から射撃ができる環境を用意できた。BB弾は「ベアリングバイオ」というい東京マルイのものを使用している。このBB弾は植物由来の素材やミネラル成分で構成された生分解素材であり、屋外で回収できなくても分解されるのが良い。
15m離れると的はかなり小さく見えるが、ガスブローバックハンドガンである「ハイキャパ D.O.R」でも弾を的に当てることができる。このきちんと的に当てられる精度というのは東京マルイの商品の人気の理由の1つだ。次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」はさらに遠い距離を正確に当てられるという。
ところが弾速が速く、弾が見えないためどこに弾が飛んでいるかが見えない。こうなると照準の狙い方もわからない。とにかくまず、弾がどこに飛んでいるかを見定める必要がある。そこで思いついたのが「音」だ。農作業で使っている使い古した鍋と発泡スチロールで即席の大きな的を作ってみた。
弾が鍋にあたると、「カーン」という高い音で教えてくれる。これによりどう撃てば弾が当たるかを把握でき、照準器をどう見れば良いかわかってくる。単射だけでなく連射でも弾は的に集中する。バラバラと弾がばらまかれ的に連続に当たる感触は爽快だ。
大体狙い方がわかってきたところで、紙の的を狙ってみた。今回アップで撮影したものの後にもう1度離れて撃ったものを撮影している。15m離れると的のどの部分に当たったかわからなかったので、それを確認した後狙いを少しだけ下げて弾を当ててみた。改めて次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」の命中精度が実感できる。筆者は子供の頃、友人のエアガンを撃ったことがあるがこんなに正確には当たらなかった。東京マルイの製品の精度の高さが改めて実感できた。
今回自分でも驚いたが、長物はBB弾の消費がすごい。「ハイキャパ D.O.R」では30発以上の弾を3マガジン用意し、的にちゃんと弾が当たるのを楽しみながら撃っていると結構満足してしまったが、「Mk18 Mod.1」の場合82発のマガジンをあっという間に使い切り、2マガジン目も思ったよりずっと速く消費してしまった。ペースとしては倍以上速い。この後マガジンに給弾し射撃を楽しんだが、持ってきたBB弾があっという間に尽きてしまった。ハンドガンではなかったペースである。
両手でしっかりと銃を握り重い反動を感じながら撃つハンドガンに比べ、構えるとしっかり射撃姿勢に固定され、引き金を引くだけでどんどん弾が出る「Mk18 Mod.1」は射撃そのものが楽なのだ。連射ではさらに1発1発の感覚が希薄になる。アサルトライフルは弾をばらまき敵を威圧する武器であることが実感できた気がする。ハンドガン以上に「戦場向き」の武器である、そのことがわかった。
より取り回しがしやすく、狙いやすいカスタマイズ
もう1つ、「カスタマイズ」もエアガンの大きな楽しさである。Twitterでは様々なユーザーが自分のカスタムガンを紹介している。特に“長物”はカスタムパーツが豊富だ。遠距離の狙撃を可能とするスコープ。ポインティングを容易にするドットサイト、暗いところでも前を照らすライト。エアガンにおいても有効なサイレンサー……外見をドレスアップするパーツもある。
筆者も少しだけカスタムをしてみた。「Mk18 Mod.1」は「スリングプレート」が装備されており、ここにスリング(肩掛けヒモ)を装備できる。これがあるとないとは大違いで、特に今回は撮影時銃から手を離してぶら下げてカメラなどを操作できた。肩に掛けているとやはりとても使いやすい。
「Mk18 Mod.1」の重量は3.2kg。戦場を駆け回るサバイバルゲームでこのスリングは役に立ってくれるはずだ。ハンドガードの下につけたグリップも取り回しやすさを考えてのこと。こちらも行動中や素早く銃を構える時のために取り付けてみた。
もう1つ、今回の射撃撮影の時には間に合わなかったが、「マイクロプロサイト」も取り付けた。これは「ハイキャパ D.O.R」でも使用しているドットサイトで、スクリーンに映し出された光点が狙いをサポートしてくれる。「ハイキャパ D.O.R」で使いやすかったため「Mk18 Mod.1」でも使おうと考えていたのだ。
ところが「Mk18 Mod.1」で使うためにはマイクロプロサイト本体に加え、「マイクロプロサイト用 ミドル/ハイ マウント」が必要となる。これを取り寄せるのに時間がかかってしまった。ようやく購入できたので搭載してみた。ここから射撃を重ねて調整していきたいと思う。
次世代電動ガン「Mk18 Mod.1」はズシリと重く、かっこいいエアガンだ。照準で狙えば風がある場合でも弾がまっすぐ飛び、的を射貫く。反動が楽しく、特に連射の場合はダダダと銃が震え照準がぶれるところがリアルだ。的に当てるため短い連射で的に弾を集めていくコツを掴んでいきたい。この銃を持ってサバイバルゲームに参加したらどんな感触が得られるだろうか。これからも長く使っていきたい。