レビュー
「MODEROID AV-98イングラム&ブルドッグセット」レビュー
2021年1月23日 00:00
菱井インダストリーのベストセラー汎用レイバーが、イングラムと同スケールでキット化
続いては「ブルドッグ」を見ていきたい。菱井インダストリー製「HL-97ブルドッグ」は、バビロン・プロジェクトでも多数使用されている作業用レイバーのベストセラー機だ。航空機の技術を転用したコクピットは広い視界を確保し、オプションの防水キットを使用すれば、5~10mでの水中作業も可能という特徴も持っている。
こちらはイングラムよりも簡易的なキットで、腕や脚は多くが左右共通のパーツで構成されていて、組み立ても簡単だ。足裏の肉抜きやスネの合わせ目などが多少気になるものの、要所のディテールはしっかり施されていて、キャノピーや警告灯にはクリアパーツを採用している。イエローの成形色は劇中でもポピュラーなカラーで、アクセントとなる赤黒のストライプはデカールではなく、シールで表現している。
何より、立体化の機会が少ない作業用レイバーのプラモデル化は個人的にも心が躍った。今後もシリーズが続くのであれば、篠原のボクサーや菱井のレックス、SEEのグラウベアなど、ガレージキットなどでしか見られなかった機体の登場にも期待してしまう。
“ホビーユーザー向け”と説明があったが、組み立て自体はさほど難しくなく、2機とも素組みの状態で高い完成度を誇っている点に感動する。成形色を生かしたピンポイントの塗装とスミ入れ、デカールを貼るだけで、劇中にかなり近い機体を作ることができるかと思う。またプラモデルなので、塗装や小改造でレイバーならではのバリエーションを楽しめるのもポイントだ。既にヘルダイバーや零式、グリフォンなど、人気の機体の発売が決定しているが、レイバーに限らず、指揮車やレイバーキャリアなど、このサイズだからこそ発売できるアイテムにもチャレンジしてもらいたいものだ。
(C)HEADGEAR