レビュー
次世代電動ガン「URG-I ソップモッド ブロック3」レビュー
2021年2月26日 10:30
グリーンベレーならではの戦場での対応能力を活かす装備選択
「URG-I ソップモッド ブロック3」は、何度か書いているが、米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」仕様の銃である。グリーンベレーは、米陸軍内の特殊部隊資格課程を修了し、特殊部隊に配属された者のみがかぶることができる特別なベレー帽がその語源だ。
グリーンベレーの名を世界的に知らしめたのは、1968年公開、ジョンウェイン主演の「グリーン・ベレー」だろう。ベトナム戦争で活躍するグリーンベレーと呼ばれる特殊部隊が存在することが映画で取りあげられた。また、1979年公開の「地獄の黙示録」は、マーティン・シーン演じる主人公も米軍特殊部隊だが、敵役であるマーロン・ブランド演じるカーツ大佐は狂気に支配された元グリーンベレー隊員の設定だった。
そして1982年公開の「ランボー」も元グリーンベレーの隊員が主人公。裸同然で山に逃げ込み、ナイフ1本を駆使して警官隊を壊滅させる姿はグリーンベレー隊員が“一騎当千”の戦闘力を持つと共に、優れた環境適応能力、ゲリラ戦のエキスパートであることが映画を通じてしっかり描かれていた。
そう、最新鋭の武器を使いこなすのは無論だが、特別な状況、時には非合法な任務に対し、限られたリソースの中から最適解を行なえる類い希なる戦闘スキルが「グリーンベレー」の本質だと言えるだろう。
そのグリーンベレーの装備である「URG-I ソップモッド ブロック3」をサバイバルゲームで使うに当たって、やはりその「グリーンベレー」の概念を用いるとより楽しめるだろう。つまり最新のBlock3に対し、自分の持っているパーツや新しく入手したパーツなどを混濁して付けて見るという方法だ。手元にあるパーツでいかに目的に特化させるか、「現地調達」風の装備の方が、グリーンベレーらしいのではないかと筆者は思うのだ。
その日の気象、サバイバルゲーム場のシチュエーション、ゲームルールなどに対し、自分の持っているパーツを組み合わせて対応するのは、かつての「変身サイボーグ」に代表されるホビーの王道で、とてもワクワクする。
一方で、東京マルイがグリーンベレーの訓練用に電動ガン「M4 R.I.S」をカスタムして納入した事が取扱説明書にも記されている。つまりグリーンベレーならこの銃をどうカスタムするか、という思考実験はリアルなホビーでもあるという事が言えるだろう。
戦場を駆け回るアサルト装備
今回は東京マルイが販売している様々なパーツを使って「アサルト」と「スナイプ」、「CQB」の3つのテーマで組み上げてみた。アサルトはその名の通り先陣切って突撃し、相手と戦う戦い方を想定している。移動するときもきちんと銃を保持し、激しく動いても銃を落とさない。サバイバルゲームとしては使いやすいオススメのセッティングだ。
銃身の下にグリップ、「バトルフォアグリップ コヨーテタン」を装備。これにより手首をひねってハンドガードを握らず銃身を固定できる。直線的に構えられ、移動中の武器の保持もしやすくなる。銃の重さを肩で支えることができる「スリング」も装備したいところ。「URG-I ソップモッド ブロック3」の場合は、別売の「QDスリングスイベル」が必要となる。純正パーツのため銃にかっちりとハマる。こちらも純正である「クイックアジャスト・ツーポイントスリング コヨーテ・ブラウン」との相性もバッチリだ。
基本はこの3つで移動し素早く射撃ができるカスタマイズとなる。狙いはデフォルトでついているオープンサイトを使う。「URG-I ソップモッド ブロック3」が始めて購入した銃であり、サバイバルゲームにデビューしたい、という人にオススメの装備である。今回はよりホンモノの雰囲気を出したい人向けに「AN/PEQ-16バッテリーケース フラット・ダークアース」と、「次世代電動ガン SCAR用82連マガジン(フラット・ダークアース)」を装備してみた。
バッテリーケースはその名の通り外部バッテリーを入れるためのケースだ。外観としては照準補助機器の「AN/PEQ-16」を再現している。本物はレーザーを発射することで着弾地点を示すことができる機器だが、この商品にその機能はない。ただアサルト装備としての雰囲気がグッと向上する。82連マガジンはカラーの上で本体と良く合う。外観をドレスアップしたい人にオススメのパーツである。
バックアップとしても有効なスナイプ装備
「スナイプ」は狙撃装備。M4カービンは装備次第で狙撃も可能だ。より狙撃に特化した銃もあるが、様々な状況を与えられた装備でこなすグリーンベレーならば、「URG-I ソップモッド ブロック3」で狙撃任務を行なうこともあるかもしれない。また現地の部隊と協力して戦う場合、グリーンベレーは部隊に指示を出し、自分は狙撃でバックアップするという状況もあるだろう。
サバイバルゲームにおいてもスナイパーは人気のプレイスタイルだ。戦場を把握し、専用の狙撃銃でいち早く相手を発見し、撃つ。ボルトアクションのエアコッキングガンを用意するこだわりのプレーヤーも多いが、「URG-I ソップモッド ブロック3」を狙撃にカスタマイズして挑むのも楽しいだろう。単発の銃と違い、連射が可能などで、外しても追撃しやすい。ただ次世代電動ガンは“反動”がウリなので、精密射撃に関してはエアコッキングやスタンダード電動ガンに分があるかも知れない。
このほか、チームで参加しているときに、バックアップの役割をこなすときのためにスナイパーは役立つポジションだ。拡張性の高い「URG-I ソップモッド ブロック3」ならば、サバイバルゲーム上で簡単に役割に合わせたカスタマイズができるのである。
今回スナイパー装備として、射撃を安定させる「バイポッド」を用意した。「アキュラシーバイポッド」は簡単に折りたため、しっかりと銃を支えられる使いやすいバイポッドだ。次世代電動ガンはリコイルがあるので、バイポッドでの安定は連続して同じ場所に弾を撃ち込むのに必須装備と言えるだろう。
そして「NEWイルミネーテッド・ショートズームスコープ(3~9倍)」である。専用マウントリングが付属しているため、ワンタッチで接続できる使いやすさ。視野が広いため、標的を見つけやすく、ゲームで使いやすい装備だ。この2つを装備することで、「URG-I ソップモッド ブロック3」の遠距離戦闘力はグッと上がる。銃の“幅”を体感するために、用意したいオプションである。
狭い場所での戦いに対応したCQB装備
「CQB(Close Quarters Battle、近接戦闘)」を意識した装備は、取り回ししやすいM4シリーズの特性をさらに強化させる方向性だ。サバイバルゲームでの屋内戦闘で効果を発揮する組み合わせだ。サバゲーフィールドではコンテナを置いてあったり意図的に室内戦闘ができる場所を用意しているところもある。CQB装備を活かした戦い方を意識すればよりゲームが楽しめるだろう。
装備は、スリング、サイレンサー、ドットサイト、ライト。「プロサイレンサー(ショートタイプ)」はフラッシュハイダーのネジを緩めて取り外すとサイレンサーを取り付けられる。ライトは「CQ-FLASH フラット・ダークアース」。このライトのオン/オフは、グリップから人差し指だけ離して操作可能だ。またライトはM-Lokの取り付けでも有効だった。
暗いところで戦うため、「マイクロプロサイト FDE」はオープンサイトよりも狙いやすい。ライトで前方を照らしながら、プロサイトで狙いをつけて戦う。こちらでもフォアグリップをつけて取り回しを向上させている。
今回はもう1つ、「カメラマウント」を購入してみた。M-Lokで取り付けられ、銃口のすぐそばからの迫力のアングルが可能だ。今回の撮影に使ってみたので、見て欲しい。
やはりパーツを並べて色々組み合わせるのはワクワクする。カスタムと言うと敷居が高いが、ネジを緩めたりするだけで取り付けられるので、手軽にカスタマイズできるのは、初心者や時間をかけられないユーザーには有り難い。そしてその場合、東京マルイ純正品の安心感は魅力だ。
例えば、今回購入したカメラマウントは、20mmレール用ではあってもキツくて若干削る必要があった。安価だからとパーツを買ったものの、相性が合わず大幅に加工したという経験を持つ人も少なくないだろう。また、ショップなどで入手できる海外で使われるホンモノの軍用パーツは、主に20~30mで撃ち合うサバイバルゲームではオーバースペックになる場合も少なくない。
特に軍用レーザーサイトは日本国内では違法になる場合があるし、眩しすぎるライトも禁止されているフィールドもある。装備の調達、仕様の試行錯誤も大きな楽しみだが、東京マルイの純正パーツをベースに考えるというのは有効だろう。
狙撃もバッチリ決められる! シューティングレンジで実射
最後はシューティングレンジでの射撃である。スナイパーライフル「VSR-10」の時と同様、千葉県白井市の箱庭型サバイバルゲームフィールド「ホワイトベース」のシューティングレンジを使用した。
筆者は長年サバイバルゲームを楽しんでいるが、次世代電動ガンをサバイバルゲーム場で撃ちまくるのは実はこれが初めてだ。何度か触らせてもらったことはあるが、やはり数十発以上撃つとその感触が実感できる。
まず印象に残るのはその作動音。甲高い金属音は迫力がある。実は自宅で試し撃ちをしてその大きな作動音に驚いてしまった。実銃の爆発的な発射音に比べれば小さな物だが、まがまがしい印象さえ与える金属音は、だからこその“武器としての実在感”があり、心地よい爽快感がある。
まず標準装備のオープンサイトで撃ってみた。セミ/フル共に快調で気持ち良く集弾する。続いてサプレッサーとダットサイトを装着。厳密にダットサイトを調整する時間を惜しんだため精密射撃とまではいかないが、やはり狙いやすさは大きな魅力だ。一方で、機関部で大きな音がする次世代電動ガンの場合は、発射音を抑えてもサプレッサーの効果は薄く感じる。射線を幻惑する効果はあるだろう。
最後にバイポッドとスコープの組み合わせを試す。射撃姿勢は非常に安定する。より遠く50mの的を狙った。横風で流されたりするが、概ね人型に集弾する。前回VSR-10の時はより的に当たっていたので、精密なスナイピング性能はボルトアクションライフルに分があるという事も今回の収穫だった。
実際にパーツを並べて色々妄想しながら組んでみて、昔憧れた、マスダヤのエアソフトガン「デタッチャブル」を思い出した。色々なパーツを変えるスパイの武器をイメージした製品だったが、「僕の考えた最強のライフル」を作る楽しさに訴えかける逸品だった。
「次世代電動ガン URG-I ソップモッド ブロック3」はその世界観はリアルではあるが、カスタマイズの楽しさは「変身サイボーグ」や「デタッチャブル」、さらには「ガンプラ」のように、自分の創造力とイメージをふくらませ、試行錯誤するものだと言える。ぜひ皆さんも是非「僕の考えた最強のグリーンベレーの銃」を組んでもらいたい。
「次世代電動ガン URG-I ソップモッド ブロック3」は、M-Lokによる汎用性、拡張性と、命中精度の高さが相まって、スナイピングにもアグレッシブなバトルにも対応する最新鋭の次世代電動ガンだと言えるだろう。