レビュー

思い出ともに「炎の魔神」が蘇る! 「RIOBOT 魔法騎士レイアース レイアース」レビュー

「レイアース」を動かすほどに、重厚感と力強さを感じる

 「レイアース」の可動域を見ていこう。両腕、両足、腰部、頭部と各部の関節が動く。そして、より可動域を広くするためのギミックとして、両肩のアーマーは腕とは別パーツで構成され、独自の可動が設けられている。しかし、肩口の接合部分に制限があり、腕を大きく振り上げたポーズが厳しく、肩のアーマーが詰まった印象になってしまう。

 脚部は足首の可動はなく、その代わりに爪が細かく可動し、立たせた状態のバランスや台座で飾った時の飛行イメージなど演出しやすい構造となっている。

 また、股関節が独特で少し角度が付いた状態でスイングし、そのまま脚部を上げるとやや外向きに足先が向く。そのため大腿部でひねりを加えて角度調整することで、脚部全体のバランスを整えることができる。筆者が動かしてみて癖はあるが、プロポーションを崩さずにアクションが楽しめる感覚だった。スカートも独立可動し、可動にゆとりを持たせることができ、「レイアース」の独特なデザインを尊重したディスプレイができると実感した。

【可動域】

 炎のたてがみエフェクトは全部で3パーツで構成され、さらにそれぞれが可動する自由度を持っている。炎のたてがみは劇中では背部の推進機らしい部分から噴射されており、飛行能力の描写や大きく揺れるたてがみのような「動き」をしていた。それらは同じ角度でも違った形をする炎を表現するために、必要なギミックである。これには、筆者も写真を撮る際に「同じアングルでも迫力が違う」、「風向きや動きがわかる」と感動した。

【炎のたてがみの可動】
中央の巨大なパーツは4ブロックにわかれている
大きくうねるような動きや尾を引くような形など高い自由度で遊べる

 ここからは実際にポーズを付けてみていこう。本体の「レイアース」はいくつかの可動の制限があるも、劇中の魔法を放つ瞬間や重みを感じさせる剣を振るう姿などのシーン再現ができる。また、存在感抜群の盾は重さで腕が下がるようなことはなく、突き上げた姿や角度を付けた状態など様々なアクションが楽しめる。

 ポーズを取るたびに当時の見ていた思い出が蘇り、また改めて「レイアース」のカッコ良さを実感した。特に劇中ではあまりなかった地に足の着いたアクションは深く踏み込んだ姿勢や大きく足を開いて構えた状態にもでき、立体ならではアクションの想像と補完が楽しめる。また、盾を装着したでの状態でも剣を両手持ちにすることができ、大きく腰だめに剣を構えた姿は重厚感あるディスプレイが楽しめた。

 一方で大きく剣を掲げたポーズなど、肩を大きく使うアクションが取りずらいのが残念だった。

【ポーズ】
「紅い稲妻」の溜め描写
OPラストをイメージ
黒背景でよりアニメの印象に近づけてみた
陰影が濃さで90年代ロボットアニメらしい表現になった

 「RIOBOT 魔法騎士レイアース レイアース」は造形力もさることながら、筆者にとっては触っているうちに思い出が溢れてくるアイテムとなった。以前から立体化を望んでいた「想い」と胸の奥で震えていた「思い出」が合致した時、その姿が手の中で、頭の中で蘇り感動すら覚える。遊びごたえ抜群の可動域とディスプレイした時のカッコよさは千値練の高いクオリティを感じさせる。欲を言えば、「炎の矢」、「紅い稲妻」の魔法使用時のエフェクトがあると嬉しかった。「魔法騎士(マジックナイト)レイアース」の劇中でも魔法の発動は迫力満点だったため、立体でもその迫力を味わってみたかった。

 また、個人的に「figma 獅堂光」を購入しておけばよかったと後悔した。鎧のデザインは異なるが、劇中の初登場時のダイナミックな対比構図再現をしたい気持ちが沸き立つ。

グッドスマイルカンパニー「figma 獅堂光」

 グッドスマイルカンパニーからも「MODEROID」シリーズから「レイアース」、「セレス」、「ウィンダム」の3体が立体化されるので、RIOBOTでも3体が揃ってほしい。そして、3体が合体した姿である「合体魔神レイアース」も出てほしい、といちファンとして願うばかりだ。

 立体化を長らく待っていた人も、「レイアース」初見の人もぜひチェックしてほしいアクションフィギュアだ。