レビュー
プラモデル「PLAMAX サーバイン」素組みレビュー
2021年6月23日 00:00
精緻なディテールとパズルのような組み立てが楽しい
コアボディに最初に組み立て……というより、組み付けていくのは脚パーツである。股部分などはシンプルだが、スネの一段下がったディテールがいい。今のプラなら当たり前のように実現している繊細な表現だが、1988年にこの表現をソフトビニールキットで実現したなんて「凄い!」のひとこと。足裏のディテールも、なんとも生物感に溢れている。
続いては「襟」部分の製作。シンプルだった頭部に、オーラマッスルをつけ襟部分になるパーツを何個も重ね付けていく。この甲冑感の文様が秀逸で、なんとも素晴らしい。ここは金色で塗って装飾品っぽく見せると、格段に見た目がアップしそうだ。最終的にはキャノピー的なパーツをつけるが、一応クリアブラックなので、中が見える。お腹部分にシオンを描いておけば、中が見える楽しさが膨らむかも!
腕部分は、パーツ分割の妙を楽しめる。正直「えっここで?」っていうパーツ分割も多く、うまいことパーツの合わせ目を消してくれる。また、肩のアーマーなど「せっかくの細かいディテールが見えなくなっちゃう!」みたいな部分もあった。だが、見えないところまで作り込まれているところが、伝説のキットたる由縁だろう。ツメ部分もかなり鋭利な造型となっている。
アーマー部分の取り付けは、かなり楽。だが、パーツ自体が凄く繊細な薄さを持っているので、ゲート処理などは注意が必要だ。でも、よくもこんな薄いアーマーができたなぁ……と関心する。
オーラコンバーター部分は、本体とのバランスが秀逸。しかも、またスゲーいい角度で付いているので、今にも飛翔しそうな勢い! なお、オーラコンバーター部分は、ダボもダボ穴もない部分が多いのでミスらないように注意。
無可動だからこそ誰もが手にできる至高のサーバイン
無塗装・無改造の素組みであるため、レビューとしては物足りないところもあるかもしれないが、完成品の素晴らしさは、トップ画像を掲載している画像を見ればわかるはず。これは、造形が素晴らしいというだけでなく、ポージングが素晴らしいのだ。
今でこそ、カトキ立ちとか、ハの字立ちとか、立体モデルを格好よく見せるポージングのメソッドはたくさん出ている。だが可動モデルを手に、実際に自分でポージングしてみると、なかなかうまくいかないこともあるだろう。だが、このサーバインは、サーバインが一番カッコよく見えるベスト・オブ・ベストの立ち位置で固定されている。だからこそ、僕のような半引退モデラーでも、簡単に至高のサーバインを組むことができたのだと思う。
オモチャである以上はブンドドしたい気持ちはある。だけど、部屋のディスプレイスペースに、燦然と輝くサーバインが鎮座していたら、それはそれで素敵なことじゃないだろうか。敢えていえば、作るのが楽ではないかもしれない。でも、完成品を見たら絶対に後悔することはないと断言したい。こんな素敵なキットを出してくれて、ありがとうマックスファクトリー!!
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