レビュー
「ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン」レビュー
「ダイアクロン世界のグリッドマン」は合体変形プロセスまで魅せてくる!
2021年7月10日 00:00
- 【ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン】
- 開発・発売元:タカラトミー
- 発売日:2021年6月26日ごろ
- 価格:24,200円(税込)
- ジャンル:アクションフィギュア
- サイズ:全高約21cm(バトルスルグリッドマン時)
タカラトミーから展開されているSF玩具「ダイアクロン」シリーズ。変形合体するロボットメカが数多く登場し、それぞれのメカとの合体パターンの豊富さ、約3cmのダイアクロン隊員を搭乗させるギミックのスケール感など男の子の心を鷲掴みにする要素がたっぷりと詰め込まれている。
現在発売されている「ダイアクロン」シリーズは2015年に再始動した商品で、ハイターゲット向けの展開をしている。筆者は合体変形玩具に目がないのだが、ハイターゲット向け商品、それもハイクオリティの合体変形機構を有した「ダイアクロン」の値段に尻込みしていた。
そんな時、2018年に放送されたアニメ「SSSS.GRIDMAN」とのコラボ商品「ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン」発売を聞いて「これだ!」と喜び勇んで購入。
さて、すぐにでも本商品の魅力について触れていきたいのだが、「ダイアクロン」とはどのようなホビーなのか? 「SSSS.GRIDMAN」とはどんなアニメなのか? について語らせてほしい。そうすることで、「このコラボの凄さ、面白さ」をより深く知ることができる。
「ダイアクロン」について。2015年に再始動したSF玩具シリーズ
まずは、「ダイアクロン」について語っていこう。
「ダイアクロン」は1980年にタカラ(現タカラトミー)から発売されたSF玩具。侵略異星人「ワルダー星人」に立ち向かい、市民の平和を守るダイアクロン隊員たちの「正義VS.悪」のストーリーを軸に、ワルダー星人の機動兵器やダイアクロンメカなどが展開されていった。「ダイアクロン」は1/60スケール(約3cm)のダイアクロン隊員が同スケールのロボット・基地・ビークルなどに乗り込む仕掛けや、メカの合体変形が楽しめるのが特徴となっている。
そして、後期シリーズのリアルな実写がロボットに変形する「カーロボット」などが展開され、のちに「トランスフォーマー」シリーズの中核となるアイテムが数多く生み出された。
近年ではある意味「先祖返り」的な商品「ダイアクロン DA-65 バトルコンボイV-MAX」が発売されたのは、記憶に新しい。
「ダイアクロン」シリーズの展開は休眠し、2015年に商品展開が再開された。現代の技術でより複雑な変形と合体を可能とし、それでいて造形や可動にも余念がないホビーとして再誕を果たした。
しかし、この歴史あるSF玩具と近年に放送されたアニメ「SSSS.GRIDMAN」は一体どこで繋がったのか。これにはアニメはもちろん、その原点となった実写特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」にも触れていきたい。
「SSSS.GRIDMAN」とは?
アニメ「SSSS.GRIDMAN」は1993年に放送された実写特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」を原点として、ハイパーエージェント・グリッドマンが主人公、響裕太とクラスメイトの宝多六花、内海将とグリッドマン同盟を組んで街に現れる怪獣に立ち向かうストーリー。
怪獣を生み出す少女、新条アカネや彼女が作る怪獣を実体化させるアレクシス・ケリヴやグリッドマンの仲間の新世紀中学生、そして対グリッドマン怪獣として登場したアンチなどキャラクターたちの魅力はもちろんだが、なんといってもグリッドマンと怪獣の戦いや、グリッドマンとアシストウェポンによる合体は他にはない「グリッドマン」だからこその魅力にあふれていた。
ヒーローとロボットのいいとこどりのような演出が筆者は大好きだ。スタイリッシュな格闘を見せる「グリッドマン」に、様々なギミックと敵の攻撃をもろともせず攻める合体した姿は、異なるアプローチでのカッコ良さを出しつつ、筆者にとって新鮮なヒーロー像であった。
さらに、最終回での本来の姿や特撮版のOP「夢のヒーロー」が流れる演出は胸が熱くなった。最近でもアニメ「SSSS.DYNAZENON」など「グリッドマン」の世界が広がり、新たな展開を見せている。
そして、「SSSS.GRIDMAN」と「SSSS.DYNAZENON」を中心としたメディアプロジェクト「GRIDMAN UNIVERSE」の一つとして、今回紹介する「ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン」が誕生した。
しかし、それは「単なるアニメのコラボ商品」というだけでは収まりきらない「グリッドマン」と「タカラトミー」の関係があった。
それは、タカラトミーがアニメよりも前、実写特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」のホビーを放送当時に展開していたこと。特撮版を知る人ならば、約30年の時を経て再びタッグを組んで、令和の時代に復活したのは感慨深い。
特に「グリッドマン」の特徴であるアシストウェポンと呼ばれるサポートメカとの合体表現を「ダイアクロン」で再現する。まさに夢のような出来事であり、造形はもちろんプレイバリューにも期待が高まった。
それでは、「ダイアクロン」と「グリッドマン」。ともに時代を超えて現代で活躍したコンテンツがコラボした「ダイアクロン / グリッドマンユニバース 01 超神合体バトルスグリッドマン」の魅力を語っていこう。
パッケージ&内容物を確認。「ダイアクロンのグリッドマン」はSF感バリバリ
最初はパッケージと内容物を確認。パッケージはアニメ「SSSS.GRIDMAN」の監督である雨宮哲氏が原画を務め、スタイリッシュな「バトルスルグリッドマン」が描かれている。パッケージを開けると、中にはブリススターと取扱説明書とパンフレットが入っている。
ブリスターには「グリッドマン」やアシストウェポンのパーツが収まっている。
取扱説明書には、「バトルスグリッドマン」への合体や戦闘機のボレットファイターの支援機形態やアシストウェポン:バトルハンガーへの合体方法が記載されている。そして、パンフレットの方は「バトルスルグリッドマン」のショートストーリーが掲載され、「ダイアクロン世界で活躍するグリッドマン」が描かれている。
その中で、本商品のグリッドマンがなぜ、アニメ「SSSS.GRIDMAN」の姿をしているのかを補完できる内容となっている。ハイパーエージェントとして、巨大怪獣の脅威に主人公のダイアクロン隊員ヒカリとともに立ち向かうストーリーは、フィギュアでのブンドド遊びの想像力を掻き立てられた。ちなみに、このストーリーは「ダイアクロン/グリッドマンの特設ページ」で見ることができる。
ブリスターから出して、各パーツの確認。本体である「グリッドマン」、武器となる「サンダーソード」と「サンダーシール」、小型戦闘機の「ボレットファイター」、「ダイアクロン隊員」、そして、アシストウェポン「バトルハンガー」を構成する各パーツとなっている。
「バトルハンガー」は巨大な翼に大型キャノンを有したケレン味たっぷりのデザインで、存在感抜群の出来栄えとなっている。グリッドマンに装着するパーツは頭部を含めた胸部、肩、腕、腰、脚となっており、重厚感溢れるものとなっている。
本商品の「サンダーソード」は肉厚な刀身で「バトルスグリッドマン」では巨大な両手剣のような雰囲気で、「グリッドマン」の軽快な剣さばきとは違うアクションがイメージできる。
本商品の主役であるグリッドマンは、アニメ版のデザインに近く、胸元は鎧をまとった姿となっている。複雑なデザインが細かく再現されているとともに、モールドが施されている。
左腕にはブレスレット型アイテム「アクセプター」が造形されている。また、背面などにはネジ穴が露出している。
小型戦闘機ボレットファイターはSF感のあるデザイン。「ダイアクロン」シリーズでは、他のマシンやパーツとの合体によって様々な形態を見せる中核メカ的なもので、本商品のハンガー本体との合体によって戦闘支援機として違った意匠を見せる。
コクピットが大きく、主翼が小さく、現実の戦闘機とは大きく違うバランスだが、いかにもSF作品や特撮作品に出てきそうなデザインとカラーリング、合体によるパワーアップ要素は筆者の童心を揺さぶった。
手に取ってブンドドする。パーツを組み合わせて別の姿に作り替える高揚感はホビーならではの魅力がぎゅっと詰まっている。