レビュー
「Figure-rise Standard ウォーグレイモン」先行レビュー
アニメ設定に忠実なプロポーションのエントリーモデルとして完成度を高めたキット
2021年7月21日 00:00
- ジャンル:プラモデル
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 価格: 2,200円(税込)
- 発売日:10月発売予定
- サイズ:全高約155mm
BANDAI SPIRITSが展開中の「Figure-rise Standard」シリーズは、組み立てて完成させるとアクションフィギュアのような感覚で触って楽しめるプラモデルだ。このシリーズに、「デジモンアドベンチャー」より「ウォーグレイモン」がラインナップされ、今年10月に発売予定となっている。
ウォーグレイモンは、1999年放送のTVアニメ「デジモンアドベンチャー」、および2020年4月より毎週日曜日朝9時にフジテレビで放送中のTVアニメ「デジモンアドベンチャー:」に登場したデジモン。両作にて主人公・八神太一のパートナーデジモン・アグモンが進化した究極体として活躍する。
「デジモンアドベンチャー」のデジモン達はこれまで、独自のデザインアレンジが加えられた「Figure-rise Standard Amplified」シリーズにてプラモデル化されていたが、今回は作りやすく低価格な「Figure-rise Standard」にて、アニメーションに忠実な姿でプラモデル化する。
今回BANDAI SPIRITSのご厚意により、発売3か月前の「Figure-rise Standard ウォーグレイモン」の製品サンプルを提供いただき、その先行レビューをさせていただくこととなった。アニメ準拠のプロポーションや作りやすい設計といった、このキットの魅力をお届けできればと思う。なお今回組み立てているキットは発売前のサンプルであり、製品版とは一部仕様が異なる可能性があることをお知らせしておきたい。パッケージに関しては現在製作中とのことだ。
手軽なサイズと価格帯、作りやすい設計で、人気のデジモンをプラモデル化
ウォーグレイモンはグレイモン系デジモンの究極形態で、同系統のデジモンが恐竜然とした姿なのに対し、その体型は人間のようだが、スピード、パワーとも飛躍的に向上していて、完全体程度のデジモンの攻撃では倒すことが不可能とされる。両腕に装備された「ドラモンキラー」は、ドラモン系デジモンに絶大な威力を発揮する武器であるが、自らも危険に晒すという諸刃の剣である。また背中にあるのは「ブレイブシールド」。普段は羽のように2枚の状態となっているが、1つに合わさると強硬度の盾となる。高熱エネルギー弾「ガイアフォース」、高速回転して突撃する「ブレイブトルネード」などの必殺技を持っている。(参考:デジモン図鑑)
2019年に発売された「Figure-rise Standard Amplified」のウォーグレイモンは、オリジナルをマッシブにアレンジし、プレイバリューを高めたキットだった。サイズが大きいぶん高めの価格帯(4,400円、税込)に設定されていた。一方今回の「Figure-rise Standard」版は、アニメ設定に準拠したデザインで、集めやすいお手軽価格(2,200円、税込)なのも嬉しいところだ。
パーツは5色の構成で、数はそれほど多くない。多色成形のいろプラのランナーもなく、かなりシンプルだ。それなのに塗装をしないでも見栄えのするウォーグレイモンが完成する設計は、さすがのBANDAI SPIRITSの仕事といったところ。
キットは頭部から組み立てをスタート。鎧のような顔の質感と髪の毛のパーツのギャップが面白く、それは全身にも当てはまること。腕や脚などには人間のような筋肉質の部分がある一方で、メカ的な両手のドラモンキラーや獣のような足首などが混在する面白い体型で、作っていて楽しくなってくる。BANDAI SPIRITSのキットなので、特別難しい箇所はなく、撮影しながらでも2時間程度で完成させることができた。
色分けや合わせ目の処理もさすがの設計で、胸やスネのアーマー、足首などはかなり綺麗に色分けされていて、塗装なしでも見栄えがするのはもちろん、逆に塗装をするときもマスキングなどが最低限で済むのも大きなもポイントだ。同じ姿をしたウィルス種のブラックウォーグレイモンの黒と黄色を主体としたカラーで塗装してみるのも面白いかもしれない。
一方パーツの合わせ目は、前述の手脚の筋肉質な部分にいくつか見られるが、筋肉のスジに沿って分割されているのでそれほど目立つものではない。頭部アーマーなどはパーツが左右分割なので中央に合わせ目ができてしまうが、パーツの精度が高いので、しっかり組んでしまえばどの部分もほとんど目立たなくなる。
©本郷あきよし・東映アニメーション