レビュー

プラモデル「Figure-rise Standard Amplified バットマン」レビュー

メカニカルな大胆アレンジを施した新しいバットマン

【Figure-rise Standard Amplified バットマン】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2021年11月20日

価格:4,950円(税込)

 今なお新作の漫画や映画などが作り続けられている、アメコミを代表するヒーローキャラクターのひとりバットマン。そのプラモデル「Figure-rise Standard Amplified バットマン」が、BANDAI SPIRITSから発売されました。バットマンがDCから登場したのは今から82年も前の1939年。まさに親子三世代どころかそれ以上の広い世代から愛され続けていることになります。

 さて、今回のプラモデルですが、原作のデザインを尊重しながらキャラクターの魅力を最大限に増幅(アンプリファイド)する「Figure-rise Standard Amplifiedシリーズ」の商品です。写真だけ見ると、これってアクションフィギュアですか? と思わず聞いてしまいそうな仕上がりで、実際にプラモデルとして完成させた後は、それこそアクションフィギュア同様に様々なポージングやギミックを活かした遊びが楽しめるのが特徴です。

パッケージのイラストがすでにカッコいい!!
こちらがパッケージの中身。このほかにも説明書が付属しており、デカールやシールなどはありません。

原作デザインをメカニカルにアレンジしたバットマンを組み立てる

 筆者も含めて、普段それほどプラモデルを作っていないという人は、パッケージの分厚さを見ただけでもビビってしまうかもしれません。実際に中に入っているキットもかなりのボリュームになっていますが、左右の腕や足など2組ずつ入っていたり、あるいは他のキットと共用になっていたりするものもあるので、思ったほど大量にあるというわけではなく、すべてのパーツを使用するわけでもありません。

 また、基本的に頭や胴体、腕、足といった感じで順番に作っていくことになるので、実際に挑戦してみると思ったよりは簡単に感じるのではないかと思います。まずは説明書を見ながら、順番に組み立てていくことに。

最初に切り離していくランナー。パーツごとに色分けされており、毎度ながら技術力の高さに驚かされます。

 まずは頭部から作成開始。先ほどのニッパーを使用してパーツを切り離していきます。頭部は5つほどのパーツで構成されており、大きく分けるとマスク部分と素肌が見える口元といった感じです。プラモデルは、途中まで自分が何を作っていることがわからないことがありますが、今回はいきなり大本命の頭部ができあがるので、テンションが上がります。

先ほどのランナーから、パーツをニッパーで切り離していきましょう。
マスクと口元当たりを作ったところ。
あっという間に頭部が完成! 口元、目は色分け済みでかなりいい感じに。

胴体の組み立てでいくつかしくじるも、なんとかリカバリー

 こうしたプラモデルは、説明書とにらめっこしながらひとつひとつのパーツをはめ込んでいくわけですが、それでも起きてしまうのが勘違いによる取付けミスです。実は、今回もっともそうしたポカが集中してしまったパーツが胴体部分でした。組み立ての際には注意しましょう。

 最初のしくじりは、腕を取り付けるためのパーツの向きです。本来は肩のある方向に付ける必要があるのですが、気が付かずに腰側に取り付けてしまいました。途中まで気が付かなかったものの、ボディの表面パーツを組み立てているときに、なにか形がうまく合わないな~と思って見直してみたところ、このミスが発覚しました。

タイヤのように見える部分が、本来肩側に付けなければいけないパーツ。表面パーツがうまくはまらず、反対側に付けてることに気が付く。

 この胴体部分は、胸の可動ポイントでふたつに分かれています。それぞれ組み上げていった後で、合体するとそれらしい姿になってきました。

 コウモリの形をした胸の「バットラング」は、着脱可能になっており武器として手に持たせることができます。しかし、ひと通り組み立てた後で余ったパーツを説明書と見比べているときに、取付け忘れていたことが発覚しました。どうりで、「バットラング」の取り外しがやけに面倒だなと思ったら、金色の胸パーツがなかったことで、奥にのめり込んでしまっていたようです。

 しかし、最近のプラモデルのいいところは接着剤不要ではめ込み式になっているため、簡単にバラせるところです。こうしたちょっとしたミスならば、さくっと直せるので、なんとかリカバリーすることができました。

ふたつのボディパーツができたら、それぞれを組み立てましょう。右側の胸の辺りは本来金色のパーツをはめます。
胴体が完成。腹筋の造型や頼もしい厚み、「バットラング」装着箇所のディテールなど密度感がすばらしい。

両腕と上半身部分を組み立て

 人型やロボットなどの場合、たいてい腕や脚などは左右対称になっていることもあり、片方を作るともう片方がサクッと作っていくことができます。今回の「Figure-rise Standard Amplified バットマン」も、左右で組み立てに大きな違いはないので、安心して作っていきましょう。というわけで説明書の順番に従って、まずは右腕のほうから作り始めていきます。

 これまでは比較的わかりやすいパーツ組み立てが多かったのですが、腕は比較的細かいパーツを少しずつ組み立てていくような印象でした。しかし、金パーツなどアクセントになる部分も多く、組み上がっていくごとに、ああ~こんな風になるのか、と感心させられます。

肘は二重関節で可動域を確保しています。
作っている最中はわかりにくいですが、ある程度組み上がると金のパーツがなかなかいいアクセントになっていました。
右腕が完成! 大きめの拳がヒロイックな印象を際立てます。同様に左腕部分も作っていきます。

 ここまでで、頭部と胴体、両腕のパーツが組み上がったので、それぞれを合体させます。続いて肩のパーツを組み上げて、先ほどの上半身に取り付けると、かなり形なってきた感じがしました。

ここまで作ってきたパーツたちを合体させます。この状態だと装着前のバットスーツを彷彿とさせますね。
組み立てたところ。かなり形になってきたのがわかります。
肩のパーツを付けると、上半身はひとまず完成。

両足と腰を作ってついに本体部分が完成!

 上半身ができたので、続いて下半身の制作に取りかかります。まずは膝と大腿部から。膝関節が金色のパーツで構成され、ニーアーマーを取り付けた際には隙間から金色がのぞくのがアクセントとなりカッコ良いです。腕と比べると少しステップが多めですが、足首なども作って組み立てると完成です。

装飾だけではなく、このように可動部分にも金パーツが使用されています。
接合部分や足首も作り、それぞれを組み合わせます。
片足が完成。もう片方も同じように組み立てていきます。

 続いて、腰の部分を作っていきます。こちらも向きを注意しながら組んでいきます。可動部分だけではなく、サイドアーマー状の装飾部分も完成したら、いよいよ上半身と両足を組み合わせます。

こちらが腰の部分。左右のパーツを取り付けることでシルエットが横に広がりバットスーツのベルト部分を再現しています。
先ほどの上半身に腰のパーツ、そして両足を付けてきます。
これまで作ってきたものを合わせて、本体を組み上げたところ。