レビュー

ガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」レビュー

これが1,100円のガンプラの衝撃!?ニッパーすら使わず“イケメン”に組み上がるシリーズ第3弾

【ENTRY GRADE 1/144 νガンダム】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2022年4月9日

価格:1,100円(税込)

ジャンル:プラモデル

全高:約154mm

 今回レビューするのはガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」です。νガンダムは、1988年公開の劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場するモビルスーツで、地球連邦軍の「アムロ・レイ」が乗る最後の機体となります。劇中では「シャアの反乱」こと「第二次ネオ・ジオン抗争」にぎりぎり間に合ったアムロ専用の“NEW”ガンダムであり、ニュータイプ用の装備「フィン・ファンネル」を装備して、ネオ・ジオン軍や宿命のライバル「シャア・アズナブル」が駆る「サザビー」と最後の死闘を繰り広げます。

【νガンダム|昼MS【ガンチャン】】
【アムロにとって最初にして最後のニュータイプ専用ガンダム】
屈指の人気を誇る「RX-93 νガンダム」

 歴代ガンダムの中でも屈指の人気を誇るこの機体はその人気ゆえガンプラではHGやMG・RG、完成体フィギュアなどでも様々に立体化が行われてきていますが、このたび入門用プラモデルシリーズ「ENTRY GRADE(エントリーグレード)」となって発売されました。ガンプラ的には「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」「ENTRY GRAADE 1/144 ストライクガンダム」が発売されており、シリーズ第3弾にあたります。

【ガンプラ界に衝撃を与えた「ENTRY GRADE」シリーズ】

 プラモデルの組み立てに必須とされる工具のニッパーさえも必要なく、パーツ分けによって設定に近いカラーリングを再現しながらあっという間に組みあがってしまう「ENTRY GRADE」の登場にガンプラ界は衝撃を受けました。最初の「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」は一時入手が困難になるほど大人気となりました。

 そして今回の「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」登場にはもう一つストーリーがありまして、2022年4月25日から西日本初・福岡に「実物大νガンダム立像」が建造・公開されるタイミングに合わせたものにもなっています。現地では実物大νガンダム(RX-93ff νガンダム)の限定版アイテムが発売されますが、その中に「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」があります。今回レビューするνガンダムに現地立像と同じく背面に「ロングレンジ・フィンファンネル」を装備しての発売となります。

【ららぽーと福岡に実物大νガンダム立像が建つ!】
【【4/25 ららぽーと福岡で公開!】実物大ν(ニュー)ガンダム立像 壁面演出特別映像 先行PV】
【GUNDAM SIDE-F限定商品プロモーションビデオ】

 それでは先行で発売される形となった「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」を組んでいきましょう。「ENTRY GRADE」ならではの組み立てやすさや可動性能などはどういうものになったのでしょうか。最初の「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」の衝撃をもう一度味わえるかとても楽しみなキットです。公開前の福岡の実物大νガンダムへの思いを込めながら制作スタートです!

パッケージを確認。ENTRY GRADEならではのパーツの少なさ!

 それではパッケージ内容を見ていきましょう。キットはA~Dの4種のランナーと組立説明書とマーキングシールというとても少ない構成になっています。78ガンダムよりはパーツ数は多く、ランナーの状態を見ていると「これはHGシリーズでは?」とも思ってしまうのですが、νガンダムは後継機ですのでサイズも機構も大きくなっているためだと推測できます。ENTRY GRADEの組み立てやすさがスポイルされていなければいいなぁ……と思っていましたが組んでみるとサクサク組みあがるのでとても楽しいです。

【パッケージ構成】
パッケージ
A1ランナー
A2ランナー
Bランナー
Cランナー
組立説明書とDランナー、マーキングシール

組立開始!ENTRY GRADEならではの組み立てやすさ

 それでは組立開始といきましょう。やはり気になるのは組み立てやすさですね。78ガンダムで感じられた衝撃は得られるでしょうか。ENTRY GRADEは“タッチゲート”と言われる成形方法をとることによってニッパーなどの工具は必要ありませんので使わないで組み進めていきたいと思います。ランナーからパーツを外すときには“パチン”という音がするまで力を入れる必要があります。アンテナなど細かったり細かいパーツは破損が怖いのでニッパーを使う方がいい場合もあります。

【ニッパーは使いません!】
ランナーから手でパーツを外してOKなんて!

 まずは頭部からです。ENTRY GRADEシリーズでは少ないパーツで組みあがるのですが、カラフルな頭部でさえもその思想は貫かれています。ENTRY GRADEでは“シェーディングモールド”という表現方法を使うことで一段落ちた部分の黒は本物の影にまかせればいい、という思想で設計されています。

 頭部ではツインアイ部分で使われていますが、組んでみると効果をまざまざと見せつけてくれます。ツインアイには光が当たって目の形になっているし、そのまわりの黒の縁取りは影で表現されているのがわかります。マスクや両サイドのスリットにスミ入れしてやると、より引き締まると思いますのでぜひチャレンジしてみてください。

【組立:頭部】
たったの6パーツで完全な色分け!
目の部分に注目。黒のふちどりがありませんが……
これぞENTRY GRADEマジック!縁取りが現れます
なんともイケメンなνガンダムの顔が出来上がりました

 ボディの組み立てにとりかかります。ここからENTRY GRADEならではの組み立てやすさがじわじわと沸き立ってきます。これまでのガンプラの設計を活かして組み立てなければならなかったパーツや関節構造をなるべく一体成型で実現、可能な限り可動性能を持たせたうえで組み立てやすさ優先で設計されています。

【組立:ボディ】
ぱっと見でどれがどこのパーツかがわかりやすいです
腹部は上下それぞれで一体成型で組み立てを簡略化しています。二カ所のボールジョイント関節で可動性能を高めています
胸部も貼り合わせただけで、腹部とドッキングさせると本体が完成しちゃいます
胸部ダクトやコクピットハッチを貼り付ければ……
あっという間に完成です

 バックパックには「HGUC 1/144 RX-93 ニューガンダム」に付属するフィン・ファンネルやバズーカをマウントできるようになっています。重量物をマウントするため剛性感のある構造でありつつも単純な構成となっています。

【組立:バックパック】
細かいカラー分けのパーツ構成がすばらしい
中央は4機のバーニアノズルが一体成型された剛性感の高い基部になっています
左右から外装で挟み込んで……
サーベルラックとファンネル懸架部は可動こそしませんがシールではない色分けがすごいです
ビームサーベルは柄の部分が可動します。サーベル自体は付属していません
やっぱりイケメンさんです