レビュー
ガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」レビュー
これが1,100円のガンプラの衝撃!?ニッパーすら使わず“イケメン”に組み上がるシリーズ第3弾
2022年4月13日 12:00
- 【ENTRY GRADE 1/144 νガンダム】
- 開発・発売元:BANDAI SPIRITS
- 発売日:2022年4月9日
- 価格:1,100円(税込)
- ジャンル:プラモデル
- 全高:約154mm
今回レビューするのはガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」です。νガンダムは、1988年公開の劇場版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場するモビルスーツで、地球連邦軍の「アムロ・レイ」が乗る最後の機体となります。劇中では「シャアの反乱」こと「第二次ネオ・ジオン抗争」にぎりぎり間に合ったアムロ専用の“NEW”ガンダムであり、ニュータイプ用の装備「フィン・ファンネル」を装備して、ネオ・ジオン軍や宿命のライバル「シャア・アズナブル」が駆る「サザビー」と最後の死闘を繰り広げます。
歴代ガンダムの中でも屈指の人気を誇るこの機体はその人気ゆえガンプラではHGやMG・RG、完成体フィギュアなどでも様々に立体化が行われてきていますが、このたび入門用プラモデルシリーズ「ENTRY GRADE(エントリーグレード)」となって発売されました。ガンプラ的には「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」「ENTRY GRAADE 1/144 ストライクガンダム」が発売されており、シリーズ第3弾にあたります。
プラモデルの組み立てに必須とされる工具のニッパーさえも必要なく、パーツ分けによって設定に近いカラーリングを再現しながらあっという間に組みあがってしまう「ENTRY GRADE」の登場にガンプラ界は衝撃を受けました。最初の「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」は一時入手が困難になるほど大人気となりました。
そして今回の「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」登場にはもう一つストーリーがありまして、2022年4月25日から西日本初・福岡に「実物大νガンダム立像」が建造・公開されるタイミングに合わせたものにもなっています。現地では実物大νガンダム(RX-93ff νガンダム)の限定版アイテムが発売されますが、その中に「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」があります。今回レビューするνガンダムに現地立像と同じく背面に「ロングレンジ・フィンファンネル」を装備しての発売となります。
それでは先行で発売される形となった「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」を組んでいきましょう。「ENTRY GRADE」ならではの組み立てやすさや可動性能などはどういうものになったのでしょうか。最初の「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」の衝撃をもう一度味わえるかとても楽しみなキットです。公開前の福岡の実物大νガンダムへの思いを込めながら制作スタートです!
パッケージを確認。ENTRY GRADEならではのパーツの少なさ!
それではパッケージ内容を見ていきましょう。キットはA~Dの4種のランナーと組立説明書とマーキングシールというとても少ない構成になっています。78ガンダムよりはパーツ数は多く、ランナーの状態を見ていると「これはHGシリーズでは?」とも思ってしまうのですが、νガンダムは後継機ですのでサイズも機構も大きくなっているためだと推測できます。ENTRY GRADEの組み立てやすさがスポイルされていなければいいなぁ……と思っていましたが組んでみるとサクサク組みあがるのでとても楽しいです。
組立開始!ENTRY GRADEならではの組み立てやすさ
それでは組立開始といきましょう。やはり気になるのは組み立てやすさですね。78ガンダムで感じられた衝撃は得られるでしょうか。ENTRY GRADEは“タッチゲート”と言われる成形方法をとることによってニッパーなどの工具は必要ありませんので使わないで組み進めていきたいと思います。ランナーからパーツを外すときには“パチン”という音がするまで力を入れる必要があります。アンテナなど細かったり細かいパーツは破損が怖いのでニッパーを使う方がいい場合もあります。
まずは頭部からです。ENTRY GRADEシリーズでは少ないパーツで組みあがるのですが、カラフルな頭部でさえもその思想は貫かれています。ENTRY GRADEでは“シェーディングモールド”という表現方法を使うことで一段落ちた部分の黒は本物の影にまかせればいい、という思想で設計されています。
頭部ではツインアイ部分で使われていますが、組んでみると効果をまざまざと見せつけてくれます。ツインアイには光が当たって目の形になっているし、そのまわりの黒の縁取りは影で表現されているのがわかります。マスクや両サイドのスリットにスミ入れしてやると、より引き締まると思いますのでぜひチャレンジしてみてください。
ボディの組み立てにとりかかります。ここからENTRY GRADEならではの組み立てやすさがじわじわと沸き立ってきます。これまでのガンプラの設計を活かして組み立てなければならなかったパーツや関節構造をなるべく一体成型で実現、可能な限り可動性能を持たせたうえで組み立てやすさ優先で設計されています。
バックパックには「HGUC 1/144 RX-93 ニューガンダム」に付属するフィン・ファンネルやバズーカをマウントできるようになっています。重量物をマウントするため剛性感のある構造でありつつも単純な構成となっています。
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