レビュー

「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」レビュー

実物大立像となったオリジナルのνガンダムが、お手軽ガンプラのEGシリーズで登場!

【ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム】

開発・発売元:BANDAI SPIRITS

発売日:2022年4月25日

価格:1,430円(税込)

ジャンル:プラモデル

サイズ:全高約195mm

※GUNDAM SIDE-F限定品。後日ガンダムベース各店、バンダイナムコグループ公式通販サイトでも販売予定

 弊誌でも現地からレポートをお届けしている通り、福岡市博多区にオープンする「ららぽーと福岡」に、実物大のνガンダム立像「RX-93ff νガンダム」が4月25日より正式公開となる。実物大のガンダム立像として、西日本地区には初の設置で、1988年に公開された劇場用映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場したνガンダムを同シリーズ総監督の富野由悠季氏監修のもと、「RX-93ff」として新たなデザインを施した機体だ。

ららぽーと福岡に降り立った新しいνガンダム。全高24.8mで、足元に写った人物と比較するとかなり大きいことがわかる

 同日ららぽーと福岡内にオープンする複合エンターテインメント施設「ガンダムパーク福岡」のショッピングエリア「GUNDAM SIDE-F」では、このRX-93ffνガンダムを立体化したアイテムが多数発売されることが発表されていて、このレビューでお届けする「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」もその一つである。

「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」。4月25日発売。価格は1,430円(税込)。GUNDAM SIDE-F限定品

 この4月に発売されたばかりの「ENTRY GRADE 1/144 νガンダム」(以下、「EG νガンダム」)の成形色を設定に合わせて変更し、オリジナルの武装「ロングレンジ・フィン・ファンネル」を新規造形したパーツにて再現している。今回このキットの製品版をBANDAI SPIRITSより先行して提供いただいたので、その組み立てレビューをお届けしていきたい。

ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー並の火力を誇る、ロングレンジ・フィン・ファンネルを装備したνガンダムのバリエーション

 このνガンダムロングレンジ・フィン・ファンネル装備は、FA(フルアーマー)仕様やHWS(ヘビー・ウェポン・システム)仕様、ダブル・フィン・ファンネル仕様などと同様、νガンダム実機の前倒し配備のために間に合わなかった兵装プランの一つである。ロングレンジ・フィン・ファンネルは、フィン・ファンネルの技術と、ハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー並の火力を融合したオールレンジ兵器であり、ニュータイプが操作すれば単機で対艦戦闘もこなせるほどの戦闘力を持っているという。後にラー・カイラムに残されていたデータを元に、L3軌道に建造された商業コロニー「サイドF」にて復元され、その際にアムロ・レイ大尉のパーソナルマークのカラーリングなどが変更されている。

 説明書を読むまで機体にこんな設定があることを知らなかったのだが、現実とフィクションをかけ合わせたしゃれの効いた設定は個人的に大好物で、このキットも含む関連グッズの購買意欲をかき立てられる面白い設定であった。

「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」パッケージ。ガンダムパーク福岡とGUNDAM SIDE-F、バンダイナムコのロゴがあしらわれている
パッケージの横には、ガンダムパーク福岡とGUNDAM SIDE-Fについての説明が入っている
「EG νガンダム」のパッケージ(写真右)と比較。「ENTRY GRADE 1/144 RX-93ff νガンダム」のパッケージ(写真左)の方がランナーが1枚多い分わずかに厚みがあり、デザインは若干凝っている印象だ
説明書は「EG νガンダム」のものより一回り大きく、機体設定や施設の解説なども書かれている

 この機体の最大の特徴であるロングレンジ・フィン・ファンネルは、現地の演出として流される映像の中でサザビーと戦うシーンでも使われていて、装着された肩口から砲塔のようにビームを撃ち出す様子や、切り離して腕に装着して大型のビーム・サーベルのような使われ方をしていたのも興味深いところである。

【【4/25 ららぽーと福岡で公開!】実物大ν(ニュー)ガンダム立像 壁面演出特別映像 先行PV】

 前述の通りキットは「EG νガンダム」の成形色が変更され、ロングレンジ・フィン・ファンネルのパーツのランナーが1枚追加された内容だ。その分ビーム・ライフルとシールドはオミットされているが、立像の再現と考えれば違和感はなく、「EG νガンダム」に付属のものを流用することも可能だ。

A1パーツ。イロプラによる多色成形
A2パーツ。こちらもイロプラによる2色成形
Bパーツ
Cパーツ、Dパーツ
Eパーツ。ロングレンジ・フィン・ファンネルと平手などを構成するこのキット独自のパーツ群
シール。マーキングやロングレンジ・フィン・ファンネルの色分け部分に使用

 「EG νガンダム」のレビューは弊誌にて既にお届けしているので、本体の組み立てに関しては簡易的に触れていこう。νガンダムは他のEGシリーズで発売された機体よりもサイズが一回り大きい設計で、各部のパーツも大きめだが、色分けを再現するために、パーツは若干多めな印象を受ける。その分組み立て後の精度は非常に高く、素組みでも満足度の高いνガンダム完成する。ランナーからパーツを手で外せるタッチゲートも健在だが、細かいパーツも多いため、今回はニッパーを使用して組み立てている。ゲートとパーツの隙間が狭いため、ニッパーを使う場合は薄刃のものを使うことを勧める。

頭部の組み立て。目の周りのクマドリの部分は陰影を際立たせる「シェーディングモールド」を採用
完成すると、ガンダムシリーズならではのクマドリが現れる。口元のスリットは簡単にスミ入れするといいかもしれない
胴体の組み立て。ジョイントを組み込んだ腹部。わずかに可動する
組み立てた胸部を腹部にはめ込む
各種の色分けパーツを取り付けていく
バックパックの組み立て。ノズルは別パーツで、塗装もしやすい仕様だ
色分けパーツを組み込んでいく。左上のジョイントはロングレンジ・フィン・ファンネルを装着するためのRX-93ffならではの形状だ
ビーム・サーベルの組み立て。エフェクトは「HG νガンダム」付属のものと互換性があるようだ
胴体にバックパックとビーム・サーベルを組み付けて完成
腕の組み立て。肩は左右共通のパーツとなる
ヒジ関節も左右共通だ
右腕の組み立て。ヒジ関節に肩のジョイントと前腕のアーマーを取り付ける
手首は握りと平手を選んで組み立てる。後者はこのキット独自のパーツだ
左腕の組み立て、構造が若干異なっている
パーソナルマークは型番があるほうを左肩に貼る。実物の写真などを参考に貼ると完成度が高まる
それぞれ肩を取り付けて両腕が完成
頭部、胸部、腕を取り付けて上半身が完成

 またこのRX-93ffは、アムロのパーソナルマーク他、腰アーマーのストライプやロングレンジ・フィン・ファンネルの色分け部分などにシールを採用している。キットの性質上、感覚で貼ってもいいが、ピンセットを使って実物の立像などを参考に貼ると、より見栄えのするものとなるはず。

脚部の組み立て。足首から組み立てていく。左右共通のパーツとなる
太ももの組み立て。右下がヒザ関節、上が股関節となる。こちらも左右共通だ
ふくらはぎの組み立て。黄色いパーツは脚部バーニアの色分け用のものだ
太ももを接続して、ふくらはぎの裏にアーマーを取り付ける
右脚にパーソナルマークを貼って、両脚の完成
腰部の組み立て。色分けのためのパーツが多い部位だ
右側のフロントスカートにストライプのシールを貼る
脚部を取り付け、サイドスカートを取り付けて下半身が完成
上半身と下半身を取り付けて本体が完成。色味が違うことで、オリジナルのνガンダムともひと味違う雰囲気がある